
生理の時期ではないのに出血があると、「病気が原因なのでは?」「すぐに受診した方が良い?」と心配になる方もいますよね。
不正出血には、ホルモンバランスの変化などによって一時的に起こるケースがある一方で、子宮・卵巣の病気や感染症、妊娠などが関係しているケースもあります。
特に出血がなかなか治まらない、何度も繰り返す、出血量が多い、腹痛や発熱を伴うといった場合には注意が必要です。
今回は、不正出血が起こった際に婦人科を受診する目安について詳しく解説します。
不正出血の種類や考えられる原因、生理との見分け方や医療機関で行われる検査・治療方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

不正出血はどのくらい続いたら病院へ行くべき?
不正出血が起こると、「このまま放置して大丈夫?病院へ行くべき?」と迷ってしまう方がいます。
まずは、不正出血の基本的な意味と、婦人科へ相談した方が良いケースについて解説します。
「不正出血」とは
月経期間ではないときに性器から血が出ることを「不正出血」といいます。
出血の現れ方は人によって異なり、赤い血が確認できることもあれば、下着にわずかに血が付く程度や、おりものが茶色っぽくなる場合もあります。
血液の色や量、出血が続いた日数だけで原因を特定することは難しいため、普段とは異なる出血に気付いた場合は婦人科を受診しましょう。
医療機関を受診する目安

不正出血には、「○日以上続いたら受診する」といった明確な日数の基準があるわけではありません。
短期間で出血が止まった場合でも、原因によっては検査が必要になることがあります。
原因のわからない不正出血がみられた場合は、放置せずに一度は婦人科を受診しましょう 。
なかでも、次のような場合には早めに受診することをおすすめします。
- 出血がなかなか止まらない
- 短期間に何度も出血が起こる
- 普段よりも出血量が多い
- 強い下腹部痛や発熱がある
また、妊娠している方や妊娠の可能性がある方、閉経後に出血があった方は、出血量が少なくても婦人科でみてもらったほうが良いです。
不正出血と生理の違い

生理(月経)は、妊娠が成立しなかった際に不要となった子宮内膜が剥がれ、体外へ排出される生理的な現象です。
これに対し、不正出血は本来の月経期間とは異なるタイミングで性器から出血する状態を指します。
携帯のカレンダー機能や月経を記録できるアプリなどを活用して自分の月経の周期を知っておくと、不正出血意以外にも体調管理がしやすくなるのでおすすめです。
不正出血の種類とそれぞれの特徴
不正出血は原因によって「器質性出血」や「機能性出血」、「中間期出血」などに分けられます。
ここでは、それぞれの特徴をご紹介します。
器質性出血(器質的な原因による出血)
子宮や卵巣などに生じた疾患によって起こる出血を「器質性出血」といいます。
原因となる代表的な良性疾患には、子宮筋腫や子宮内膜ポリープ、子宮頸管ポリープなどがあります。
また、悪性疾患では、子宮頸がんや子宮体がん、卵巣がんなどが不正出血の原因となります。
疾患の種類によって症状は異なり、不正出血だけでなく下腹部の痛みや性交後の出血などがみられるケースもあります。
機能性出血(非器質的な原因による出血)
子宮などに明らかな病変がなく、女性ホルモンの変動によって起こる不正出血を「機能性出血」といいます。
女性ホルモンの分泌がまだ安定していない思春期や、ホルモンバランスが変化する更年期に起こりやすいという特徴があります。
また、強いストレスや極端な食事制限、生活リズムの乱れなどがホルモン分泌に影響し、出血につながるケースもあります。
中間期出血
生理と生理の間にあたる排卵期にみられる少量の出血を「中間期出血(排卵期出血)」と呼びます。
排卵の前後には、女性ホルモンの分泌が変化します。
その影響を受けて子宮内膜の一部が剥がれ、少量の血が出ることがあります。
多くは短期間で治まり、必ずしも疾患が原因というわけではありません。
しかし、出血が何日も続く、量が多い、頻繁に繰り返すなど気になる点がある場合には、婦人科で原因を確認してもらいましょう。
その他の出血
器質的・機能的な異常による出血以外にも、様々な原因で性器から出血することがあります。
例えば、妊娠初期の着床時にみられる出血のほか、流産や異所性妊娠(子宮外妊娠)に伴う出血、性交などによって腟・外陰部が傷ついたことによる出血などがあります。
また、血液に関係する疾患や、服用している薬の影響で出血しやすくなることもあります。
原因によっては迅速な診断や治療が求められるため、痛みなどの症状がなくても、気になる出血があれば医療機関へ相談してください。
不正出血の主な原因

女性ホルモンの変化をはじめ、子宮・卵巣の疾患や感染症、妊娠など、不正出血が起こった場合は様々な原因が考えられます。
出血の理由として考えられる原因をいくつかご紹介します。
ホルモンバランスの影響
女性ホルモンの分泌が変動すると子宮内膜の状態が不安定になり、生理以外のタイミングで出血することがあります。
このような出血は、ホルモン分泌が不安定になりやすい思春期や更年期に比較的起こりやすいとされています。
また、精神的なストレスや睡眠不足、急激な体重減少や生活習慣の乱れなどが女性ホルモンに影響を与えることもあります。
自然に治まるケースもありますが、出血が続いている場合や何度も繰り返している場合は、別の疾患がないか確認するためにも婦人科を受診しましょう。
子宮や卵巣などの病気
不正出血が続いている場合には、子宮や卵巣などの疾患が関係している可能性も考える必要があります。
原因となる病気には良性のものだけでなく、子宮頸がんや子宮体がんなども含まれます。
不正出血の原因となる代表的な疾患として、以下が挙げられます。
子宮筋腫
子宮の筋肉(平滑筋)にできる良性の腫瘍(しこり)を「子宮筋腫」といいます。
30~40代の女性に多く、筋腫が生じた位置やサイズ、個数などによって症状の程度が変わります。
月経量が増える、月経が長引く、月経痛が強くなるといった症状のほか、不正出血がみられることも珍しくありません。
また、子宮筋腫は発生している位置や大きさによっては妊娠しにくかったり流産の原因になることもあります。
子宮筋腫は良性の腫瘍のため、自覚症状がほとんどなく検査でも体に悪影響を認めなければ特別な治療をせずに経過観察することも多いです。
しかし、月経痛や出血量の増加、妊娠への影響などがある、または今後懸念される場合には、積極的な治療をしたほうが良いケースもあるため、かかりつけの婦人科を持ち、主治医と相談することが大切です。
子宮内膜ポリープ
子宮内膜の組織が部分的に増殖し、子宮の内側へ突き出した状態を「子宮内膜ポリープ」といいます。
多くは良性ですが、月経と月経の間に出血したり、性交後に血が出たりすることがあります。
また、経血量が増えるケースもあります。
症状がなくポリープが小さい場合などは経過をみますが、必要に応じて子宮鏡を用いた切除が行われます。
子宮頸管ポリープ
子宮と腟をつなぐ子宮頸管の粘膜にできる良性の腫瘍が「子宮頸管ポリープ」です。
症状がまったくない方もいますが、ポリープの組織は刺激を受けると出血しやすいことが特徴です。
そのため、性交や運動、婦人科での診察などをきっかけとして少量の血が出る場合があります。
多くは良性ですが、状態によってはポリープを切除し、組織を詳しく調べる病理検査が行われます。
子宮頸がん
子宮の入り口付近にある子宮頸部から発生する悪性腫瘍が「子宮頸がん」です。
早期では症状が現れないことが多いものの、病気が進行すると生理以外の出血や性交後の出血、おりものの変化や下腹部痛などが起こる場合があります。
子宮頸がんは定期的な検診の対象となっています。
多くの自治体では20歳以上の女性は2年に1回の検診を助成していますので、検査を行ったことがない人はぜひ利用しましょう。
小学校高学年から高校2年性までは公費でワクチンを受けることができます。
HPVワクチンの副作用や接種後の注意点、受診の目安については、以下の記事で詳しく解説しています。

子宮体がん
子宮内膜から発生する悪性腫瘍を「子宮体がん」といいます。
代表的な症状の一つが不正出血であり、子宮体癌の好発年齢は50〜60歳のため、閉経ごろの年齢と重なっています。
閉経後に出血が見られた場合は、きちんと婦人科で検査をしましょう。
比較的早期から出血が起こる場合もあり、症状をきっかけとして病気が発見されるケースもあります。
感染症や炎症
性感染症や性器の炎症もまた、不正出血を引き起こす原因の一つです。
例えば、クラミジアや淋菌への感染、子宮頸管炎や腟炎などがあると、粘膜が刺激に弱くなり、出血しやすくなります。
こうした病気では、不正出血とともに、おりものの量や色、においが普段と変わる、下腹部が痛む、性交時に痛みを感じるといった症状が現れることがあります。
一方で、感染していても目立った症状が出ない場合もあります。
異変が気になるときは検査によって原因を確認し、適切な治療につなげることが重要です。
妊娠に関連する出血
妊娠している場合にも、性器から血が出ることがあります。
妊娠初期では、受精卵が子宮内膜へ着床する頃に少量の出血がみられるケースがあります。
しかし、妊娠中の出血には、流産や異所性妊娠(子宮外妊娠)など、早期の対応が必要な状態が関係している可能性もあります。
特に、大量の出血や強い腹痛などがある場合は注意が必要です。
妊娠が判明している方はもちろん、妊娠している可能性がある方も、出血に気付いた際は自己判断で様子を見るのではなく、速やかに婦人科や産婦人科へ相談してください。
「低用量ピル」で不正出血が起こることもある
低用量ピルを服用している方にも、不正出血がみられることがあります。
また、薬を飲み忘れるなど、正しく服用できていない場合にも不正出血につながることがあります。
服用を続けることで自然に治まるケースもありますが、出血量が多い場合や長引いている場合、強い腹痛など別の症状がある場合には医療機関への相談が必要です。
自己判断でピルを中断するのではなく、処方を受けた医療機関へ相談し、今後の服用について医師の指示を受けましょう。
不正出血で受診した場合の検査・治療方法
婦人科では、問診や各種検査を通して出血の原因を確認し、その結果に合わせた治療を行います。
必要となる検査や治療は患者様によって異なり、年齢や症状、妊娠の可能性や出血の程度などを踏まえて判断されます。
ここからは、不正出血で婦人科を受診した際に行われる代表的な検査・治療方法をご紹介します。
検査方法
診察では、まず問診によって出血が始まった時期や出血量、どの程度続いているか、普段の月経周期、妊娠の可能性などを確認します。
そのうえで、必要に応じて内診や超音波検査、血液検査や子宮頸がん・子宮体がんの検査などが行われます。
原因として考えられる病気は多岐にわたるため、以下の検査をすべて実施するわけではありません。
問診や診察の結果をもとに、医師が必要な検査を選択します。
- 問診:出血が始まった時期や量、持続期間や月経周期、妊娠の可能性などについて確認する
- 内診:腟や子宮頸部を診察し、出血している場所や異常の有無などを調べる
- 超音波検査:子宮・卵巣の状態を画像で確認し、子宮筋腫やポリープなどがないか調べる
- 血液検査:貧血の有無やホルモンの状態などを確認する
- 子宮頸がん・子宮体がん検査:必要に応じて子宮頸部や子宮内膜の細胞などを調べる
治療方法
不正出血に対する治療は、出血そのものだけではなく、その原因となっている病気や状態に合わせて選択します。
感染症や炎症が確認された場合には、原因に応じて抗菌薬などを使用します。
子宮筋腫やポリープといった病変が見つかった場合は、その大きさや症状などを考慮し、経過観察や薬物療法、手術などから適切な方法が選ばれます。
- ホルモンバランスの変化:経過観察や低用量ピル、ホルモン剤などによる治療
- 感染症・炎症:原因となる病原体や炎症に応じた薬物療法
- 子宮筋腫・ポリープなど:状態に応じて経過観察、薬物療法、手術などを検討
- 悪性疾患:がんの種類や病期などを踏まえた専門的な治療
適切な治療につなげるためには、出血が起こっている原因を明らかにすることが重要です。
普段とは異なる出血に気付いた場合は、そのまま放置せず婦人科へ相談しましょう。
不正出血に関するお悩みは医療法人心鹿会へご相談ください
ホルモンバランスの変化によって一時的に不正出血が起こることもありますが、子宮・卵巣の病気や感染症などが原因となっている可能性もあります。
「何日以上続いたら受診する」という明確な基準はないため、出血が長く続く、何度も繰り返す、出血量が多い、痛みなどの症状を伴う場合は、早めに婦人科を受診しましょう。
不正出血でお悩みの方は、医療法人心鹿会へご相談ください。
当院の医師や看護師は全員女性ですので、デリケートな問題も気兼ねなくお話しいただけます。
「少し血が出ただけで受診しても大丈夫?」と迷っている方も、一人で悩まずにお気軽にご相談ください。



