
「生理のタイミングじゃないのにお腹が痛い」
「生理と生理の間の時期に、下腹部に違和感がある」
上記の症状は、排卵痛である可能性が考えられます。
排卵で下腹部に痛みが生じるのは、なぜなのでしょうか。痛みが強い場合でも、放置して良いのでしょうか。
今回は、排卵痛の原因や発生するタイミングについて解説します。
主な症状や痛みへの対処法、受診の目安もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
排卵痛が起こるのはいつ?

排卵期に起こる痛みが「排卵痛」ですが、正確にはいつ頃発生するのでしょうか。
痛みの特徴や、発生しやすい時期について解説します。
排卵痛とは
排卵が原因で起こる下腹部の痛みを「排卵痛(中間期痛)」といいます。
卵巣は子宮の左右に一つずつあり、毎月どちらかの卵巣で排卵が起こるため、下腹部の片側に痛みが出るという特徴があります。
痛みの強さは人によって異なり、チクチクとした軽い痛みを感じる方もいれば、月経痛のように重く鈍い痛みを感じる方もいるでしょう。
また、数分程度で治まることもあれば、数時間、あるいは一日中痛みが続くケースもあります。
排卵痛が起こっても、痛みが軽く、短時間で治まれば問題ありませんが、強い痛みが長く続く場合には注意が必要です。
排卵痛が起こるタイミング
排卵痛は、一般的に「排卵日の前後1~2日以内」に起こりやすいとされています。
生理周期が28日であれば、生理開始日から14日目あたりが排卵のタイミングなので、13~15日目あたりに排卵痛が起こる可能性が高いと考えられるでしょう。
ただし、生理周期が安定していない場合、生理開始日がずれるのと同様に、排卵日も前後します。
生理周期が安定している方でも、体調が悪かったり、ストレスが溜まっていたりすると、排卵日が前後する可能性があります。
そのため、「今月は〇〇日に排卵痛が起こる」という正確な予想は難しいといえるでしょう。
【セルフチェック】排卵痛の主な症状
「排卵のタイミングで下腹部に痛みが起こりやすいけれど、本当に排卵痛なのかわからない」という方もいるでしょう。
排卵期の主な症状をいくつかご紹介しますので、自身があてはまるかチェックしてみましょう。
- 下腹部の左右どちらか片方に痛みを感じる
- 下腹部が張っているような感覚がある
- チクチクとした軽い痛みを感じる
- ズキズキとした鈍い痛みを感じる
- 下腹部や腰のあたりに生理痛のような重だるさを感じる
- 数時間から一日程度で自然に治まる
前回の生理と次回の生理の間のタイミングで、一時的に痛みを感じる場合は排卵痛の可能性が高いといえるでしょう。
しかし、我慢できないほどの強い痛みを感じる場合や、痛みが3日以上続く場合は、排卵以外の原因が考えられます。
婦人科系の疾患を発症している疑いがあるので、早急に婦人科を受診してください。
排卵痛が起こる原因
そもそも排卵が起こると、なぜ下腹部に痛みが発生するのでしょうか。
排卵のメカニズムと痛みの原因について解説します。
卵胞が破れる刺激
排卵とは、卵子が卵胞(卵子を育てる袋)を破り、卵巣から出て卵管へと放出される現象を指します。
卵胞壁が破れる際に発生する刺激が、排卵痛を起こす要因の一つだと考えられています。
卵子が放出される瞬間、周囲の組織がわずかに傷付くことで痛みを感じるのです。
卵胞液・血液による腹膜への刺激
卵胞が破れる際には、卵子と一緒に、卵胞液や少量の血液も漏れ出ます。
この液体や血液が腹膜(臓器やお腹の内側を覆っている薄い膜)を刺激することで、排卵時に痛みが生じると考えられています。
排卵痛への対処法

排卵期に痛みが起こった場合は、どのような方法で対処すれば良いのでしょうか。
自宅で試せるセルフケア方法や、薬を使用した痛みの緩和方法をご紹介します。
自宅でできるセルフケア方法を試す
軽度の痛みであれば、セルフケアで緩和できる可能性があります。
我慢できないほどではないけれど下腹部の痛みや違和感が気になるという方は、以下の方法を試してみてください。
下腹部を温める
排卵痛が気になるときには、下腹部や腰回りを温めましょう。
血行を促進することで、痛みがやわらぐ可能性があります。
締め付けの強い下着やストッキング、タイツの着用は避けて、ブランケットや湯たんぽで体を温めます。
入浴の際には、熱すぎない38~40度程度のお湯にゆっくりと浸かりましょう。
特に冷え性の方や、寒い時期に症状が悪化しやすい方は、体を温めることをおすすめします。
リラックスして安静に過ごす
痛みを緩和するためには、体だけでなく心のケアも行う必要があります。
ストレスを感じると、交感神経が刺激されて体が緊張状態に陥ります。
血行が悪化して痛みが強くなることがあるので、排卵痛が気になるときには、なるべく自宅で安静に過ごしましょう。
好きな音楽を聴いたり、お気に入りのアロマを焚いたりと、リラックスできる環境を作ることが大切です。
日頃からストレスを感じることが多いという方は、上手く発散する方法を探しましょう。
散歩やストレッチを行う
痛みが軽度であり、体を動かすことが可能であれば、散歩やストレッチもおすすめです。
適度に体を動かすことで全身の血行が促進され、痛みを緩和できる可能性があります。
また、気分転換となってストレス発散にもつながるので、散歩やストレッチ、ヨガやマッサージなど、無理のない範囲で取り入れましょう。
鎮痛剤を服用する
強い痛みを感じるときには鎮痛剤を使用することができます。
ただし、妊娠を希望している方は、イブプロフェンやロキソプロフェンなどのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)が、排卵や着床に影響を与える可能性が指摘されています。
妊活中の方はアセトアミノフェンを選ぶか、服用前に医師に相談することをおすすめします。
ただし、鎮痛剤はあくまで一時的に痛みを緩和する手段であり、根本的な解決方法ではありません。
痛みの原因が排卵ではなく、婦人科系疾患だったというケースもあるので、市販薬を繰り返し服用することは避けましょう。
毎月強い痛みを感じる、鎮痛剤の服用が続いているという方は、必ず医療機関を受診してください。
低用量ピルの使用を検討する
今はまだ妊娠を希望していないという方は、低用量ピルの使用を検討しても良いでしょう。
エストロゲンとプロゲスチン(合成黄体ホルモン)を含む低用量ピルは、排卵そのものを抑制できるため、排卵痛の緩和につながります。
また、低用量ピルを服用することで、以下の効果も期待できます。
- 生理痛の緩和
- 生理周期の安定化
- 避妊効果
低用量ピルの服用には医師の処方が必要なので、使用を希望される方は婦人科を受診してください。
医師に直接相談できる機会なので、痛みの他にも気になる症状があれば伝えましょう。
排卵痛がひどい場合の受診の目安
排卵期に痛みが起こったからといって、必ずしも排卵に原因があるとは限りません。
以下の項目にあてはまる方は、注意が必要です。
- 強い痛みがある(冷汗が出る・眠れない・立っていられない など)
- 3日以上痛みが続く、痛みが強くなっている
- 下腹部痛以外の症状がある(発熱・吐き気・嘔吐・下痢・不正出血 など)
上記の症状が現れている場合は、子宮外妊娠(現在は医学的に異所性妊娠と呼ばれます)や子宮内膜症、卵巣嚢腫などの婦人科系疾患を発症している可能性があります。
他にも、「いつもと違う痛みや違和感がある」「排卵期以外のタイミングでも痛みを感じる」という方は、早急に婦人科を受診しましょう。
排卵痛に関するよくある質問
排卵痛について理解したものの、まだ不安や疑問が残っているという方もいるでしょう。
最後に、排卵痛に関するよくある質問をQ&A形式でご紹介します。
Q1.排卵痛があるときに性行為をしても大丈夫?
排卵痛が起こっていても、性行為を行うこと自体に問題はありません。
ただし、性行為による刺激を受けると、下腹部の痛みが悪化する可能性があります。
排卵期は妊娠の可能性が高まるタイミングであるため、無理にでも性行為を行いたいという方もいますが、挿入が難しいほどつらいときには無理をしない方が良いでしょう。
パートナーに体の状態を伝えて、安静に過ごしましょう。
Q2.排卵痛があると妊娠しやすい?
排卵期は妊娠の可能性が高まる時期ですが、「排卵痛がある=妊娠しやすい(受胎率が高い)」というわけではありません。
排卵が行われているという確認はできますが、妊娠は排卵の有無だけで成立するものではありません。
妊娠には、卵子や卵管、子宮内膜や精子の状態など、様々な要因が影響します。
自身の体の状態を知りたいという方は、婦人科へご相談ください。
妊娠・出産に関わる健康状態を調べることで、不妊リスクの早期発見や、妊活に関する適切なアドバイスを受けられます。
Q3.排卵痛と着床痛の違いは?
排卵痛と、俗に「着床痛」と呼ばれる妊娠超初期の痛みには、時期や性質に違いがあります。
なお、着床痛は医学的に定義された名称ではありませんが、経験的に以下のような違いを訴える方が多いようです。
- 排卵痛:
排卵日前後(生理開始から13~15日目あたり)に起こる。下腹部の左右どちらか片方がチクチク・ズキズキと痛む。 - 着床痛(俗称):
生理予定日の数日前(受精から約1週間後)に起こる。下腹部にわずかな痛みや違和感がある。稀にごく少量の出血(着床出血)が起こることもある。
妊娠していても着床痛が起こらない方も多く、痛みがないからといって「妊娠していない」とは限りません。
妊娠の可能性がある方は、検査薬を使用できる時期を待って安静に過ごしましょう。
排卵期の痛みや違和感にお悩みの方は医療法人心鹿会へご相談ください

女性の体は、生理だけでなく排卵のタイミングでも痛みを感じることがあります。
排卵痛は珍しい症状ではありませんが、痛みが長く続く、我慢できないほど強い痛みを感じるという場合は、決して放置せずに早急に婦人科を受診しましょう。
排卵痛にお悩みの方は、医療法人心鹿会へご相談ください。
痛みの原因を調べた上で、患者様に合った治療方法をご提案いたします。
当院の医師や看護師は全員女性ですので、まずはお気軽にご相談ください。
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