ミレーナ

ミレーナ(黄体ホルモン放出子宮内システム)とは

ミレーナとは、子宮内に挿入して使用する医療器具です。

ミレーナには生理痛と避妊との2つの効果が期待できます。

ミレーナの効果:生理痛

ミレーナを使用する目的は、月経量が多く月経痛を伴う女性の治療のために用いられます。

ミレーナの効果:避妊

ミレーナを挿入することで避妊することができます。

ミレーナが体に働くメカニズム

ミレーナを挿入することで生理が楽になったり、避妊できる理由についてご説明していきます。

ミレーナの作用は、子宮内に器具が挿入されているという子宮内避妊用具の点と、ミレーナから持続的に放出されている黄体ホルモンの作用の点から、その効果を発揮します。

黄体ホルモンとは

黄体ホルモンというのは女性ホルモンの一つで、排卵後の卵巣にできる黄体という組織から分泌されるホルモンです。

黄体ホルモンの作用は、子宮内膜を柔らかくすることです。

妊娠の時には妊娠を継続しやすくする働きもあります。

子宮以外の場所への働きには、体の水分量を増やしたり、食欲を増進させたり、体温を上昇させたりといった働きがあります。

ミレーナの場合、黄体ホルモンは体全体に効果を発揮するわけではなく、子宮内だけに働きます。

生理(月経)の出血のメカニズムとミレーナの関係

生理(月経)の出血の正体は、子宮の内側にある子宮内膜が剥がれ落ちることで出血が起きています。

子宮内膜の厚さや剥がれ落ちることには女性ホルモンである黄体ホルモンが関連しています。

黄体ホルモンが継続的にミレーナから放出されることで、子宮内膜は薄い状態が維持されます。

その結果、生理の出血量を減らし、生理痛を軽くする効果が期待できます。

ミレーナの避妊効果について

ミレーナから黄体ホルモンがジワジワ出続けるため、子宮内側は薄い状態が続きます。薄い状態の内膜では、妊娠は成立しにくくなります(受精卵の着床防止)。

さらに、黄体ホルモンには、子宮の入り口の粘液をネバネバさせて精子が腟の中から子宮に侵入することを防ぐ作用もあります。

これらの複数の作用によってミレーナには避妊効果があります。

しかし、注意も必要です。

レーナによる避妊効果は、100%ではありません。

1年間に妊娠する確率は約500人に1人(0.2%)です。 

ミレーナの保険適応

ミレーナは、生理の出血量が多く生理痛のひどい女性に対する治療方法として、日本や海外のガイドラインに記載されており、日本でもたくさんの女性が利用しています。

出血量の多い生理痛に対しては健康保険の適応となります。

ミレーナを避妊目的に使用する場合は、保険適応とはなりません。

避妊を目的とした処置の場合は自費診療となります(挿入できないわけではありません)。

ミレーナと低用量ピルとの違いとは

通常の低用量ピルは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類のホルモンが配合されており、その種類や量によって製薬メーカーから数種類の低用量ピルが販売されています。

低用量ピルを飲んだ場合、薬の作用を発揮するためには消化管から体に吸収される必要があります。

消化管で吸収された薬の成分は、血管を通って肝臓まで運ばれます。肝臓で薬の成分が反応してから全身の血液中に低用量ピルの成分が作用していきます。

このため、とても肝臓の機能が悪い人にはピルをおすすめできません。

ピルの成分が全身に運ばれるため、一部の人は本来の薬の作用とは別の、好ましくない作用(副作用)が出現することがあります。

ピルの副作用として知られているのは、

  • 吐き気
  • むくみ
  • 頭痛
  • 倦怠感
  • 眠気 

などです。

ミレーナは子宮とその周囲に主に作用するため、全身的な作用をほとんど持っておらず、このようなピルの副作用が出現する可能性が低いことが特徴です。

また、内服薬では、患者様ご自身で薬剤を内服する時間を管理していく必要があるので、内服忘れなどのリスクがあったり、体調の悪い時に薬剤の吸収率が低下するなどの影響も考えられます。

しかしミレーナは、病院でいったん挿入してしまえば、そのあとはミレーナが勝手に薬剤を安定的に放出してくれるので、患者様による影響を受けません。

いったん挿入すれば薬剤は約5年間じわじわと放出され、効果を発揮します。

ミレーナの治療の特徴

NINOMIYA LADIES CLINICで行っているミレーナによる治療の特徴は以下の通りです。

日帰り治療

NINOMIYA LADIES CLINICのミレーナ挿入は日帰りで処置を行うことができます。

予約制を基本としていますが、患者様の状態に寄っては、初診時にミレーナ挿入まで行われる方もいらっしゃいます。

希望される全ての方がミレーナ施術の対象となるわけではありませんが、できる限り患者様の治療のご希望に沿った施術を心がけています。

施術は5年に1回

ミレーナは5年に1回の治療を基本としています。

ミレーナの挿入後、2〜4週間後にミレーナの位置が適切かどうかを確認させていただきます。

次回の診察は3~6か月後になります。

その後は、1年に1回の通院となります。

定期的な通院の間に異常を感じられた場合は、早めに受診をお願いいたします。

ミレーナ挿入術 施術の流れと所要時間

NINOMIYA LADIES CLINICでミレーナ挿入術を受けて帰宅されるまでの流れ(治療予約のある場合)と、その所要時間についてご説明します。

1.受付

来院指示させていただいたお時間までに受診をお願いします。

*15分以上の遅刻の場合は、施術時間が大幅にずれることがあります。また他の患者様の治療予定の関係上、せっかくご予約いただいた施術を受けることができないこともございます。

受付窓口で受付を行い、待合でお待ちください。

2.内診室へ案内

内診室に入室していただきます。

内診台の近くにワゴンがありますので、手荷物はそちらに置いてください。

ズボン、靴と下着を脱いで、内診台に腰掛けお待ちください。(スカートの方は、たくし上げることができれば履いたままで大丈夫です。)

3.施術

通常、麻酔などは行いません。事前に担当医が、超音波で子宮の傾き・大きさ・子宮頸管などを確認し準備を行っていきます。

処置中に痛みが強い方は、適宜麻酔を行います。万が一、過去に行った麻酔薬などでアレルギー症状が出たことがある方は事前にお伝えください。

子宮を直接観察しながら細い針金のようなものを挿入して子宮の長さを測定します。

挿入が難しい方は、子宮の入り口を器具で把持することがあります。把持する時にちくっとした痛みが伴うことがあります。

その後、針金よりもすこし太い器機に静かに入れ替えを行います。問題なく奥まで挿入できることを確認して、実際にミレーナを挿入します。

ミレーナが正しい位置に挿入されているかを、超音波を使用して確認します。

処置は終了です。内診台が回転してもとの位置に戻ります。

挿入にかかるお時間は全体で5〜15分です。

挿入後に気分が悪くなった方や挿入後にも痛みが続く方は、スタッフまでお声がけください。しばらくベッドでお休みいただきます。

4.着替え・会計・帰宅

着替えを済ませ、待合でお待ちください。会計スタッフよりお声をかけさせていただきます。

お会計時に抗生物質と鎮痛剤の処方があります。

お会計をしていただきご帰宅となります。

次回のご予約が診察のみの場合はご自身でWeb予約をお願いいたします。

ミレーナの副作用

ミレーナを装着後、数日間は出血、下腹部痛、腰痛、おりものなどの症状があらわれることがあります。

症状が長く続くときやひどい場合は受診してください。

異常な痛みや出血があった場合は直ちに受診してください。

挿入時の疼痛・挿入後の腹痛

ミレーナに関する痛みのほとんどは、挿入時のものです。

つまり病院でミレーナを問題なく挿入できれば、その後はほとんど心配がないということです。

ミレーナを挿入して数日は、生理痛のような子宮のシクシクした痛みがでることもあります。その場合は、鎮痛剤などで対応してください。

不正出血

挿入の後の副作用でもっとも多いものは、不正出血です。

不正出血は、時間の経過とともに改善していくことがほとんどです。

しかし、子宮に器質性の疾患、例えば子宮筋腫や子宮内膜症などを持っている方は、不正出血が継続することもあります。

数ヶ月たっても不正出血が継続する場合には、主治医と相談するとよいでしょう。

月経の変化

ミレーナの挿入後は月経周期や月経量が変化します。

20%の人は、月経の出血がそのものが無くなる方もいらっしゃいます。

月経が起こらない時は、子宮以外の場所に妊娠している(異所性妊娠)可能性もありますので、一度病院を受診することをおすすめします。

どのような周期になるのかを事前に判断することは難しいですが、挿入後だんだんご自分の状態がわかってくるようです。

ミレーナによる全身への影響

ミレーナは、本来局所、つまり子宮周辺のみに効果がある治療です。

しかし、人によってはミレーナを挿入することで全身に黄体ホルモンの反応がでてしまうことがあります。

例えば、頭痛や吐き気、むくみ、便秘などです。

ミレーナ挿入後、しばらくするとこのような症状にも慣れてくることが多いのですが、どうしてもつらいときは、抜去すると症状は治まります。

ミレーナの穿孔

頻度は高くありませんが、ミレーナの挿入時に子宮を貫いて他の臓器へ入ってしまうことがあります(穿孔)。

穿孔した場合は、穿孔してしまったミレーナを抜去し、子宮の状態が回復するまで子宮操作は行わないようにします。

ミレーナの滑落

頻度は高くありませんが、せっかく挿入したミレーナが落ちてしまうことがあります(滑落)。

これは子宮の形に問題がある場合と、出血量があまりにも多い場合とに生じることが多く、しばらく安定している方が、突然前触れなく滑落することはほとんどありませんので安心してください。

ミレーナ挿入に適している人とは

ミレーナは子宮の中に器具を挿入することでその作用を発揮するものです。

以下の人はミレーナが適していると考えられます。

ピルによる副作用が出てしまう人

生理の治療や、避妊を目的に低用量ピルを内服したいけれど、内服による副作用のため飲むことがツラい人もいます。

そのような人は、ミレーナが適している可能性があります。

ピルの飲み忘れが多い人

低用量ピルは毎日内服することでその効果が発揮され、非常によい治療です。

しかし、毎日ある程度決まった時間に内服できなければ、望むような効果が期待できないことがあります。

ミレーナは病院での処置が必要ですが、その一方、挿入してしまえば内服を継続する必要がなく、安定した作用を期待することができます。

胃腸の調子があまり良くない人

せっかく定期的にきちんと低用量ピルを内服していても、十分な効果が出ない人もいます。

例えば、胃腸が弱い人や下痢になりやすい人などが挙げられます。

このような人は、消化管からの薬の吸収が不安定になっていることが考えられるため、ミレーナでの治療がより向いている可能性があります。

ミレーナによる治療を受けることができない方

ミレーナは、医療行為です。すべての方が希望通りに施術できるわけではありません。患者様の症状に対し、ミレーナ挿入が治療として適切であるかを担当医が判断させていただきます。

以下にミレーナの挿入ができない方を記載しますので、該当されるかたは必ずお申し出ください。

半年以内に子宮の手術を受けられた方

ミレーナは子宮の操作を必要とします。

半年以内に子宮の手術を受けた方は、状態が安定するまで待機したほうがよいでしょう。

子宮奇形がある方

子宮の形に先天的な異常を指摘されている方は、ミレーナには適していません。挿入前には必ず診察や超音波検査で子宮の形を確認しますので、安心してください。

子宮の内側に筋腫など病気がある方

子宮の内膜に近い部分に、筋腫などがある方はミレーナには向いていないことがあります。

ミレーナを挿入するときに非常に難しくなったり、せっかく挿入したミレーナがすぐに落下(滑落)してしまう可能性があります。

子宮が小さい方

子宮がとても小さい方は、ミレーナによる治療は適していません。

ミレーナは約4cm程度の大きさがあります。

そのため、子宮の大きさが6cm以下の場合、ミレーナを挿入しても違和感が強かったり、すぐに滑落(落ちてしまうこと)してしまったりする可能性が高いです。

事前の超音波検査で、子宮の大きさは必ず確認させていただきますのでご安心ください。

その他

その他にも担当医が不適切と判断した際は、施術ができないことがございます。

ミレーナ挿入後の注意事項

ミレーナ挿入後にはいくつかの注意事項があります。治療を考えられている患者様は、以下の項目をご確認の上、治療スケジュールを検討してください。

ミレーナ挿入後のあとの痛みについて

ミレーナを挿入した後、およそ数時間~1日程度、下腹部に違和感や痛みを感じる人が多いです。

挿入後の痛みは、ミレーナを挿入した刺激によって子宮が収縮することによると考えられています。

痛みが強いときは、痛み止めなどを飲んでいただいて問題ありません。

下腹部痛以外の部位が痛む、強く痛むなど、心配な症状があるときは、病院を受診してください。

ミレーナ挿入後の出血について

ミレーナを挿入する時は、生理中をおすすめしています。

そのため、ミレーナ挿入後にはそのまま生理の出血が続くことになります。

ミレーナを挿入した時の出血期間は、普段よりも長くなる人が多いです。

出血する量は日に日に少なくなってきます。

中等量〜多量の出血が5日間以上継続する場合は、必ず受診をしてください。

ミレーナ挿入後の入浴について

ミレーナを挿入した日は浴槽には入らないでください。シャワー浴は行っていただいて構いません。

翌日からは入浴も問題ありません。

ミレーナ挿入後のタンポン使用について

生理中にミレーナを挿入した場合、その生理中にはタンポンを使用しないでください。

それ以降の生理にはタンポンを使用しても問題ありません。

ミレーナ挿入後のセックスについて

ミレーナを挿入した後、3日程度はセックスをしないでください。

ミレーナを挿入する際に、子宮の内部や入り口に小さな傷が生じているため、セックスを契機に、感染症が生じることがあるからです。

ミレーナ挿入後に自宅で痛みがあるときは

ミレーナ挿入後、自宅で腹痛が継続するときは、処方している鎮痛剤を使用してください。

その他、ミレーナ挿入後に気になることがある場合

施術後に気になることがある場合は、再診時に主治医に必ずお伝えください。症状が緊急の場合は、予約を早めていただいても構いません。

施術後の症状で受診したいのに、ご予約が取れないといった場合は、まずお電話でお問い合わせください。症状を確認し、必要あれば受診予約させていただきます。一人で悩まずにまずはご連絡ください。

ミレーナ 料金のご案内

NINOMIYA LADIES CLINICのミレーナのご料金は以下の通りです。

月経痛(月経困難症)保険適応

1回 15,000円〜(3割負担)

避妊用 保険適応外

1回 88,000円(税込、保険適応外)

ミレーナやその他子宮内器具の抜去

可能です。

麻酔などの必要有無によってご料金が変わります。一度ご相談ください。

ミレーナについてよくある質問

施術前の質問

Q ミレーナを挿入するのは生理の日がよいと聞きましたがそれはなぜですか?

A 月経中は子宮が柔らかい状態となっており、子宮頸管も出血のために広がっています。そのため挿入時の痛みが通常よりも少なくなっていると考えられます。さらに、月経中に施術を行うことで、妊娠をしていないことを確認することができます。

Q ミレーナって妊娠したことのある人でないとできませんか?

A ミレーナは妊娠・出産経験のある女性によい適応です。しかし、妊娠出産経験がなくてもミレーナを挿入することはできます。

Q 他院でいれた子宮内の器具がありますが、何かわかりません。抜いてもらうことはできますか?

A 当院では、他院で挿入した子宮内器具の抜去も可能です。ミレーナのように器具に紐がついており簡易に抜去できるものは保険適応にて器具を抜去させていただきます。

海外で挿入されている器具の中には抜去の際に、麻酔や子宮内の操作を必要とすることがあります。その際は、当日の処置が困難となりますので、処置のお日にちを別途予定させていただきます。気になる方は、まずは診察にお越しください。

施術中の質問

Q ミレーナを入れる時の痛みはどのくらいですか?

A 子宮の大きさ、柔らかさ、出産歴によって、かなり個人差があります。

ほとんど痛みを感じない人もいらっしゃる一方で、あぶら汗がでるほど痛みが出てしまう人もいます。

痛みが我慢できない場合は、注射による麻酔を追加しますので、スタッフまでお声がけください。

施術後の質問

Q ミレーナ挿入後はすぐに避妊効果がありますか?

A 施術が生理中(月経中)である場合、ミレーナ挿入直後から避妊効果が期待できます。

Q ミレーナは定期的な通院が必要ですか?

A ミレーナは、挿入後に位置が変化することがありますので、挿入後1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月後を目安に定期的な通院をおすすめしています。

それ以降は1年に1回程度の通院となります。

Q ミレーナを挿入してから生理の量が少なくなってきましたが、問題ありませんか?

A はい。問題ありません。

ミレーナから放出されている黄体ホルモンによる作用です。

Q ミレーナを挿入してから毎月の生理が遅れています。問題ありませんか?

A はい。問題ありません。

ミレーナから放出されている黄体ホルモンによる影響で、排卵のタイミングが遅くなっていることが原因と考えられます。

Q  ミレーナを挿入して4年がすぎました。出血量が多くなったような気がします。受診したほうが良いですか?

A ミレーナから放出される黄体ホルモンの量が少なくなってきたことが考えられます。

挿入後4年〜5年の間に、新しいミレーナに入れ替えを行うとよいでしょう。

ご予約
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当日のWEB予約は1時間前まで可能です。