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2024.06.28

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尿意がないのに尿漏れするのはなぜ?考えられる原因や対策方法をご紹介

我慢できないほどの強い尿意や、頻繁に感じる尿意に悩まされることが多い尿漏れですが、実は、尿意がないのに尿漏れが起こることもあります。

ふとした瞬間に尿が漏れてしまう、尿意がないのに気付いたら尿が漏れていたというケースでは、どのような原因が考えられるのでしょうか。

今回は、尿意がないのに尿漏れが起こる原因やクリニックでの治療方法、自宅でできる対処方法をご紹介します。

目次
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尿漏れ(尿失禁)とは?

通常は、尿意を感じた際に自身の意志で排尿を行いますが、何らかの原因で意図せずに尿が漏れてしまうことを「尿漏れ(尿失禁)」といいます。

40代を超えた女性に多くみられる現象ですが、原因によっては若い女性でも起こり得ます。

強い尿意を感じたり、頻繁に尿意を感じたりするという特徴がある一方で、尿漏れの種類によっては、尿意がないにもかかわらず尿漏れが起こることも珍しくありません。

また、本人は尿漏れだと自覚していても、実際に漏れているのは尿ではないケースもあります。


排尿に関する悩みは周囲に打ち明けにくいものですが、決して恥ずかしいことではありません。


尿漏れの症状に悩んでいるという方は、泌尿器科へご相談ください。

尿漏れの主な原因

尿漏れを起こす原因

尿意がないのに尿漏れが起こる原因は、一体何なのでしょうか。考えられる原因をいくつかご紹介します。

骨盤底筋や尿路の緩み

女性に起こる尿漏れの原因の多くが、「骨盤底筋の緩み」にあるといわれています。

骨盤底筋とは、骨盤の底にある筋肉の総称である骨盤底筋群のことで、子宮や膀胱、直腸などの骨盤内臓器を支える役割を持ちます。


排尿をコントロールする役割も持っているため、骨盤底筋群の中でも特に「恥骨尿道靭帯」や「恥頸筋膜」が緩んだり傷ついたりすると、尿漏れの症状が現れるのです。

骨盤底筋は、出産や加齢によって緩みが生じることがあり、排尿のコントロールが難しくなることで尿意を感じていないにもかかわらず尿漏れが起こってしまいます。

さらに、繰り返す腹圧による排尿で尿道を支えている内尿道括約筋が緩んだり、加齢に伴って尿道粘膜が痩せたりすると、排尿した後に尿路に少し尿が残ってしまい、尿意がないのに『トイレの後にちょっと漏れ』が起こることがあります。

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスの乱れによって腟粘膜の萎縮が起こると、尿漏れの症状が現れます。

女性ホルモンの「エストロゲン」の分泌量が低下するとコラーゲンが減少し、腟粘膜が薄くなったり、硬く潤いがなくなったりします。


腟粘膜の萎縮が起こると腟環境が悪化して、尿漏れのような排尿障害を引き起こすことがあるのです。


エストロゲンの分泌量は40代頃から減少するため、40代以降の方は尿漏れの症状が起こりやすくなりますが、20~30代の方も注意が必要です。


ホルモンバランスの乱れは、生活習慣やストレス、痩せや肥満、妊娠や出産後に一過性に低エストロゲン状態になるなど様々な原因で起こり、若い世代の方でも尿漏れの症状が現れることは珍しくありません。

尿漏れが気になるという方は、年齢にかかわらず泌尿器科へ相談してください。

自律神経の乱れ

呼吸や体温などを調整する自律神経に乱れが生じると、膀胱の収縮や拡張、尿道の開閉といった排尿コントロールが難しくなります。

膀胱の拡張ができなくなると尿を溜められず、尿漏れの症状が現れることがあります。

また、排尿コントロールが行えないと、尿意がないにもかかわらず尿漏れが起こることもあるのです。

自律神経の乱れは、ストレスや不規則な生活習慣など、様々な原因によって起こります。


尿漏れだけでなく、動悸や息切れ、血圧上昇や食欲低下といった不調にも繋がるので、自律神経の乱れには注意しましょう。

脳機能や脊髄機能の障害

脳梗塞・認知症・脳腫瘍などの大脳の疾患により脳の機能低下が生じることで、正常な排尿の機能が果たせなくなることがあります。

同様に、脊髄疾患や交通事故などで脊髄の神経機能が低下することで、正常な排尿反射が生じなくなることもあります。

形態異常

「腎臓→尿管→膀胱」という通路によって尿は膀胱に溜められ、排尿時にまとめて排出されます。

しかし、生まれつき、または手術や放射線治療、交通事故などが原因で性器や尿路の形態に異常があると、膀胱に溜める通路以外に尿が排出されることがあります

女性の場合は、腟の中に尿管が開口していたり、膀胱と腟とに通路ができたりすることもあるでしょう。

尿漏れではない場合

下着が湿っていると、無意識に尿漏れと認識されることがあります。

粘度の低いおりものを尿失禁だと誤認してしまうことがあり、特に若い女性に多いです。

おりものが増えた原因には、月経周期によって正常に増加しているケースもあれば、腟や子宮の炎症などのトラブルによって、普段よりも増加しているケースも考えられます。


おりものの増加以外に、痛みやかゆみといった症状が現れている場合は、早急に医療機関を受診してください。

尿漏れの原因についてさらに詳しく知りたいという方は、下記ページもご覧ください。

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尿漏れの種類

尿意がない場合の尿漏れの種類
一口に尿漏れといっても、実は複数種類存在します。尿意がない場合に考えられる、尿漏れの種類とそれぞれの特徴をいくつかご紹介します。

腹圧性尿失禁

女性の尿漏れで最も多いのが、「腹圧性尿失禁(ふくあつせいにょうしっきん)」です。

くしゃみをしたときや重い荷物を持ったときなど、お腹に瞬間的に強い力がかかった際に予期せず尿漏れが起こります。


大きな声で笑ったときや、急に走り出したときなどにも起こるでしょう。


腹圧性尿失禁の主な原因は骨盤底筋の緩みであり、妊娠を経験した女性や40代以降の女性、肥満の女性に多くみられます。

溢流性尿失禁

意識して尿を出すことは難しいのに、意識していないときに尿が少しずつ漏れ出てしまう尿漏れを「溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)」といいます。

何らかの原因で尿が出にくくなる排尿障害が起こった場合にみられる症状で、排尿障害を起こす疾患には前立腺肥大症が挙げられます。


溢流性尿失禁は男性に多くみられますが、直腸がんや子宮がんの手術を受けた後には、女性にもみられる症状です。


放置すると慢性腎不全や尿路感染症を引き起こすこともあるので、泌尿器科を受診しましょう。

反射性尿失禁

尿意がないにもかかわらず、膀胱にある程度の量が溜まると尿が漏れてしまうことを「反射性尿失禁(はんしゃせいにょうしっきん)」といいます。

脊髄損傷のような上位感覚神経の障害や脳障害が原因で起こる尿漏れで、大脳に尿意が上手く伝達できなくなることで起こります。


膀胱に問題があるわけではなく、膀胱には十分な量を溜める機能が備わっているにもかかわらず、膀胱収縮反射が不随意に引き起こされて尿漏れが起こるという点が特徴です。

夜尿症

眠っている間に、自身の意志とは関係なく尿が漏れてしまう状態を「夜尿症(やにょうしょう)」といいます。

子供によくみられる「おねしょ」のことで、大人になってもおねしょが持続している「一時性夜尿症」と、一度治ったおねしょが大人になって再発する「二次性夜尿症」の2種類存在します。


夜尿症の原因には、上記のような尿失禁を含めた排尿機能の問題や、睡眠の質の問題、睡眠中の利尿作用の問題(寝る前の飲水過多や抗利尿ホルモン分泌不全が原因)という3つの原因があることがわかっています。


単なるおねしょだと安易に考えずに、泌尿器科を受診して検査や治療を受けましょう。

クリニックでの尿漏れの治療方法

泌尿器科では、排尿日誌の確認や検査を行い、尿漏れの原因を探った上で適切な治療を行います。

膀胱訓練の指導を行う「行動療法」や、治療薬を処方する「薬物療法」など、様々な方法で症状の改善を試みます。


また、原因に合わせて医療レーザーを用いた治療が行われることもあるでしょう。


尿道粘膜の修復を行うことで改善が見込める場合は、「インティマレーザー」を用いた治療が行われます。


一人ひとりの症状に合わせた治療が行われるので、尿漏れの症状に悩んでいるという方は、まずは泌尿器科を受診してください。

頻尿の症状に悩んでいるという方は、下記ページもご覧ください。

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尿漏れの対策方法

自宅でできる尿漏れへの対策方法

尿意があればトイレに駆け込むこともできますが、尿意がない場合には漏れてしまってから気付くことも少なくありません。尿漏れの対策として、自宅で実施できる方法をいくつかご紹介します。

骨盤底筋を鍛える

尿意の有無にかかわらず、尿漏れの対策方法として有効なのが「骨盤底筋トレーニング」です。

骨盤底筋は、一度緩んでしまっても、トレーニングを繰り返すことで再び引き締めることが可能です。


仕事や家事の合間に毎日トレーニングを行って、骨盤底筋を意識的に鍛えましょう。


骨盤底筋トレーニングの方法は、以下の通りです。

① 仰向けの姿勢を取り、両膝を立てます。
② 腟と肛門をお腹へ引き上げるように力を入れて、5秒間静止します。
③ お腹の力を抜いて、筋肉を緩めます。
④ ②~③を、5~10回程度繰り返します。

四つん這いの姿勢や、座った姿勢など、自身の行いやすい体勢で行っても効果が得られます。

上記のトレーニングを、1日に3~4回を目安に行ってください。

生活習慣を見直す

精神的な問題で尿漏れが起こっている場合は、生活習慣を見直すことも大切です。

栄養バランスの整った食事をとって、適度な運動やストレッチを行います。


入浴の際には浴槽にゆったりと浸かったり、ハーブティーのような温かい飲み物を口にしたりしても良いでしょう。


寝る前にはブルーライトを発するスマートフォンやパソコンの使用を避けて、十分な睡眠時間を確保します。


生活習慣の乱れはストレスにも繋がるので、規則正しい生活を心がけて自律神経を整えましょう。

尿漏れパッドを使用する

意図せず尿漏れが起こってしまう場合には、「尿漏れパッド」が有効です。

アウターが汚れてしまわないか心配だという方は、尿漏れパッドで防ぎましょう。


女性の場合、月経用のナプキンを使い慣れているために尿漏れにもナプキンで対応している方もいますが、吸水性に優れた尿漏れパッドは、薄く作られている上に消臭効果も期待できます。


尿意がないのに尿漏れが起こるという方は、外出時に使用して不安を解消すると良いでしょう。


便利なアイテムではありますが、依存性が高いという声もあります。


尿漏れパッドだけに頼るのではなく、骨盤底筋トレーニングや生活習慣の改善と併せて使用することをおすすめします。

また、使用するときには大きめのものを1日中つけっぱなしにするのではなく、1日に数回尿漏れパッドを交換するようにして、かぶれのような症状を回避することが大切です。

まとめ

  • 緩んでしまった骨盤底筋は、トレーニングを繰り返すことで再び引き締めることが可能。
  • 精神的な問題で尿漏れが起こっている場合は、規則正しい生活を送ることが大切。
  • 尿漏れパッドを使用する場合は、生理用ナプキン同様、こまめに交換してかぶれを防ぐことが大切。

尿漏れに関するお悩みは医療法人心鹿会ここしかかいへご相談ください

尿漏れに関する記事のまとめ

直接生命を脅かすことはありませんが、日常生活に影響を及ぼす尿漏れは、無視できない深刻な悩みです。

辛い尿漏れに悩んでいる、対策方法がわからないという方は、医療法人心鹿会ここしかかいへご相談ください。

患者様一人ひとりの症状に合わせて、適切な治療方法をご提案します。


下記クリニックの医師や看護師は全て女性ですので、デリケートな悩みも気兼ねなくご相談いただけます。

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この記事の監修者
二宮 典子

医師。泌尿器科専門医・指導医、漢方専門医、性機能専門医。
2015年から女性医療に特化したクリニックの院長として泌尿器科・婦人科・性機能に関する専門的診療に従事。医療者向けの講演会や一般向けのYouTubeなど幅広い活動を行う。2021年にNINOMIYA LADIES CLINICを開院し、院長就任。自院では、医療者にしかできない誠実で安全な美容を提供するべく、アートメイク・女性器治療などにも注力する。

この記事の監修者
鎌田 良子

兵庫医大医学部卒業。泌尿器科専門医、そして腹腔鏡手術・内視鏡手術のエキスパートとして執刀医または後輩の指導育成にあたる。プライベートではトライアスロンでもっとも名のあるアイアンマン70.3世界選手権出場、完走を果たす。