COLUMN
コラム

2024.01.15

心斎橋院
京都院
芦屋院

頻尿の原因について解説!関連する病気や対策方法も併せてご紹介します

頻尿の原因や対策方法について解説

排尿の回数が多くて困っているという方は少なくありません。

頻尿は、日常生活に影響を与える問題であり、年齢だけでなく病気が原因で起こることもあります。


頻尿に悩んでいるという方は、まずは原因を知って改善を目指しましょう。


ここでは、頻尿の原因や関連する病気、対策方法をご紹介します。

line友だち募集

頻尿とは?

排尿の回数が多いと感じても、人よりも多いのか少ないのか判断が難しいものです。頻尿か否かは、どのような基準で判断すれば良いのでしょうか。まずは、頻尿の定義や具体的な症状をご紹介します。

頻尿の定義

トイレの回数が多いことに困っている状態を「頻尿」といい、回数は特に決まっていません。

たとえ周囲の人と比べてトイレに行く回数が多くても、自分が困っていなければ頻尿ではないといえます。


逆に、排尿の回数が少なくても自身が多いと感じているのであれば、頻尿だといえるでしょう。


一方で、夜間頻尿は、就寝中に排尿のために起きる状態のことをいいます。


正常な状態では、寝ている間にトイレのために起きることはないので、1回でも起きれば夜間頻尿とされます。


一般的な排尿回数の目安が知りたいという方は、1日の排尿回数が7回以下であるかをチェックしてみてください。


正しい回数を把握するためにも、まずは排尿日誌をつけてみましょう。

頻尿の症状

1日に8回以上の排尿がある場合は、トイレを2時間以上我慢できないケースがほとんどです。

8回というのは起きている間の回数であり、夜間の場合は、就寝中に1回以上排尿のために起きることがあれば頻尿だといえます。


症状は主に尿意ですが、夜間に排尿のために何度も起きることを繰り返せば、「不眠症」になることがあります。


また、我慢できないほどの尿意を感じる「尿意切迫感」や、トイレに間に合わずに漏らしてしまう「切迫性尿失禁」など、他の症状が現れることもあるでしょう。

頻尿が起こる原因

頻尿の主な原因

どのような問題が頻尿を引き起こすのでしょうか。原因として考えられる状態や行動をいくつかご紹介します。

加齢による膀胱容量の低下

年齢を重ねることで膀胱の容量が低下してしまい、尿を溜めておくことが難しくなります。

膀胱に溜めておける尿の量が150~200ml以下になると、トイレが近くなり、日常生活に支障をきたします。


また、膀胱の収縮力が低下して十分に尿を出すことが難しくなり、残尿感を感じることもあるでしょう。


加齢に伴い腎機能が低下している場合は、尿を濃縮することが難しくなることから、尿量が増えて頻尿になることもあります。

水分摂取による尿量の増加

熱中症や脳卒中を防ぐために適度に水分を摂取することも大切ですが、過剰摂取には注意しましょう。

意識的に水分を摂取していなくとも、無意識のうちに水分を多く摂取してしまっていることがあります。


糖尿病や服用している薬が原因で口が乾きやすくなると、無意識のうちに水分の摂取量が増えて頻尿になってしまうのです。

ストレスや緊張などの心因的要因

実は強いストレスや緊張といった心因的要因もまた、頻尿を起こす原因の一つです。

ストレスを感じたり、緊張状態に陥ったりしたときに、トイレが近くなるという経験をしたことはないでしょうか。


大抵は一過性の現象ですが、日頃からストレスを感じたり、緊張状態に陥ったりすることが多いと、排尿回数が増えてしまうことがあります。


膀胱や尿道に問題がないにもかかわらず排尿の回数が多い、意識のない就寝中には頻尿の症状が現れないという場合には、心因的要因が原因で頻尿が起こっている可能性があります。

寒さによる膀胱への刺激

寒い時期になるとトイレが近くなるという経験をした方は、少なくないのではないでしょうか。

体が冷えると膀胱が刺激されて筋肉が収縮し、尿意をもよおしやすくなって頻尿になることがあります。


また、夏場には汗をかくことで体の水分が排出されますが、寒い冬場には汗をかく機会が少ないため、尿として体の水分を排出することになります。


そのため、夏場よりも冬場の方が、尿量が増えて頻尿になりやすいのです。

心斎橋院へのご相談はこちら

京都院へのご相談はこちら

芦屋院へのご相談はこちら

頻尿を起こす病気

頻尿に関連する病気

加齢が原因で起こるケースが多い一方で、病気が原因で頻尿になることもあります。クリニックで治療を受けることで改善できる可能性があるので、関連する病気をチェックしてみてください。

過活動膀胱

頻尿を起こす病気には、まず「過活動膀胱」が挙げられます。

過活動膀胱は、急に異常な尿意をもよおす「尿意切迫感」という症状や、トイレに間に合わずに漏らしてしまう「切迫尿失禁」という症状を引き起こす病気です。


膀胱に尿が溜まっていないにもかかわらず、排尿筋が勝手に収縮することで尿意が起こる病気で、生活習慣を見直したり、薬を服用したりすることで改善が期待できます

膀胱炎

尿道から膀胱内に細菌が侵入することで起こる「膀胱炎」もまた、頻尿を起こす病気の一つです。

疲労が重なって免疫力が低下した際や、性行為や下痢の後に発症することが多い病気で、体の構造上、尿道の短い女性に多くみられるという特徴があります。

トイレに行くことを我慢してしまう頻度が高い方も、発症の可能性が高いといえるでしょう。


頻尿の他にも、残尿感や排尿時の痛み、出血や尿の濁りといった症状が現れることもあります。

慢性化した膀胱炎は自然治癒が期待できないため、改善には治療を受ける必要があります。

前立腺肥大症

男性に多くみられる頻尿の原因が、「前立腺肥大症」です。

膀胱の下にある前立腺が肥大することで尿道を圧迫し、排尿障害を引き起こす病気で、年齢が上がると発症する可能性が高まります。


前立腺が肥大する原因は未だにわかっていませんが、男性ホルモンの働きが影響していると考えられています。


排尿の他にも、尿が出にくくなる、尿に勢いがなくなるといった症状が特徴的で、残尿感を感じることもあるでしょう。


薬を服用することにより改善が期待できます。

糖尿病

血糖値が高い状態が続く「糖尿病」になると、喉の渇きを感じやすくなります。

そのため、水分を摂取し過ぎてしまうことがあります。


また、糖尿病になると血管や神経に悪影響を及ぼし、免疫力が低下して感染症にもかかりやすくなるでしょう。


血糖値がコントロールできないと、水分が身体にとどまらず尿として排出されてしまうため、頻尿や多尿を引き起こします。


生活習慣の見直しや、医療機関で適切な治療を受けることで、頻尿の改善が期待できます。

子宮筋腫

30~40代の女性に多くみられる、子宮にできる良性の腫瘍を「子宮筋腫」といいます。

良性とはいえ、腫瘍が大きくなると膀胱や尿道を圧迫して、頻尿や尿閉を引き起こすことがあります。


無症状であることが多いものの、生理痛が強くなったり、経血量が増加したりといった症状が現れることがあり、場合によっては不妊や流産の原因となることもあるため注意が必要です。


頻尿の他にも上記の症状が出ている場合には、クリニックを受診することをおすすめします。

骨盤臓器脱(性器脱)

女性特有の病気で、骨盤の中にある膀胱や子宮などの臓器が下がり、腟から出てしまう病気を「骨盤臓器脱」、または「性器脱」といいます。

出産や加齢、肥満などが原因で、骨盤内の臓器を支えている筋肉や靭帯が緩むことで起こる病気で、頻尿の他にも、尿漏れや残尿感、腟に何か挟まっているような違和感といった症状が現れることがあります。


骨盤底筋を鍛えたり、手術を受けたりすることで改善が期待できるので、症状があてはまる方はクリニックを受診しましょう。

GSM(閉経関連尿路性器症候群)

閉経前後から女性ホルモンの分泌量が少なくなることで、陰部の粘膜が薄くなってしまい、排尿や腟、セックスに関するトラブルが出現した状態が「GSM」です。

弱くなった外陰の粘膜は、日常的な刺激にも過敏になってしまうため、尿意、または尿意に近い不快感が強く感じられるようになります。


そのため、膀胱に異常がなくても、何度もトイレに行きたくなるでしょう。


実際にトイレに行くと、本来の尿意ではなくても膀胱に溜まっている少しの尿を出すことになります。


このような行動を繰り返すことで、GSMによる不快感を尿意と勘違いするようになり、何度も間違った尿意でトイレに行くことになります。

頻尿への対策方法

頻尿の対策方法

辛い頻尿には、どのような方法で対策を行えば良いのでしょうか。自身で行える頻尿の対策方法をご紹介します。

利尿作用のある飲み物を控える

利尿作用のある飲み物を摂取すると、尿意をもよおしやすくなって頻尿が起こります。

コーヒーや紅茶、緑茶やアルコールを頻繁に飲むという方は、一度飲み物を見直してみましょう。


就寝前には利尿作用のある飲み物を控えたり、水やカフェインを含まない飲み物に切り替えたりするだけでも、頻尿が改善される可能性があります。

骨盤底筋を鍛える

骨盤の底にある「骨盤底筋」の働きが弱まると、頻尿になることがあります。

骨盤底筋が緩むと膀胱が不安定になり、少量の尿でも強い尿意を感じることがあるためです。


骨盤底筋群の中でも尿道を引き締める働きのある「尿道括約筋」は、自分の意識で引き締めることのできる筋肉です。


尿道括約筋を締めるように鍛えることで、膀胱がリラックスして広がり、1回に溜めることのできる尿量を増やせます。


意識的に肛門や腟を締める動きを繰り返して、骨盤底筋を鍛えましょう。


根気よくトレーニングを繰り返すことで、頻尿が改善できる可能性があります。

心身のケアを行う

心因的要因が原因となって頻尿が起こっている場合は、心身のケアを行うことが大切です。

緊張しているときは交感神経が強く働いているため、尿をすることでリラックスさせようとします。


ストレスを感じたり、緊張状態に陥ったりした際に尿意を強く感じた場合は、深呼吸をして気持ちを落ち着かせましょう。


尿が溜まっている量も普段より少ないことが多いため、無理にいきんで排尿しないようにすることで、膀胱や尿道の負担を軽減できます。

クリニックを受診する

糖尿病や高血圧、脳血管疾患などで頻尿になることもあります。

病気が原因で頻尿が起こっている場合には、自力での改善は難しいです。


病気を治療することで頻尿が改善できる可能性が高いので、様々な対策方法を試してもなかなか改善できない場合には、一度クリニックを受診しましょう。


病気が原因でない場合にも、頻尿に悩んでいるという方は、クリニックを受診することをおすすめします。


泌尿器科であれば、原因に合わせて薬を処方したり、行動療法で改善を試みたりすることが可能です。


頻尿に関するアドバイスももらえるので、一人で悩まずにクリニックへ相談してください。

まとめ
  • ・尿意をもよおしやすくなる、利尿作用のある飲み物を避ける。
  • ・肛門や腟を締める動きで骨盤底筋を鍛えることで、膀胱に溜めておける尿量が増える。
  • ・心身のケアが必要なときには、無理にトイレに行かず、リラックスして気持ちを落ち着かせる。

line友だち募集

頻尿に関するご相談は医療法人心鹿会ここしかかい

頻尿の原因に関する記事のまとめ

日常生活に支障をきたす頻尿は、外出のハードルが高くなったり、不眠症になったりする深刻な問題です。

外出先でトイレの心配をせずに夜はぐっすり眠りたいという方は、利尿作用のある飲み物を控えたり骨盤底筋を鍛えたりと、自宅で実践できる対策方法を試してみましょう。


頻尿がなかなか改善できないという方は、医療法人心鹿会
ここしかかい
へご相談ください。


患者様の症状を診て頻尿の原因を探り、改善方法をご提案します。

心斎橋院へのご相談はこちら

京都院へのご相談はこちら

芦屋院へのご相談はこちら

この記事の監修者
二宮 典子

医師。泌尿器科専門医・指導医、漢方専門医、性機能専門医。
2015年から女性医療に特化したクリニックの院長として泌尿器科・婦人科・性機能に関する専門的診療に従事。医療者向けの講演会や一般向けのYouTubeなど幅広い活動を行う。2021年にNINOMIYA LADIES CLINICを開院し、院長就任。自院では、医療者にしかできない誠実で安全な美容を提供するべく、アートメイク・女性器治療などにも注力する。

この記事の監修者
鎌田 良子

兵庫医大医学部卒業。泌尿器科専門医、そして腹腔鏡手術・内視鏡手術のエキスパートとして執刀医または後輩の指導育成にあたる。プライベートではトライアスロンでもっとも名のあるアイアンマン70.3世界選手権出場、完走を果たす。