
外陰部や腟の痛みは、なかなか人に相談できない悩みです。
座っているだけでも違和感があったり、下着が触れるだけで不快だったり。こうした症状があっても、「恥ずかしい」「大げさかもしれない」と、多くの人は受診をためらってしまいます。
しかし、陰部の痛みには様々な原因があり、自然に改善するものもあれば早く治療をするべき疾患もあります。専門家の指示のもと正しく治療やケアを行えば、多くの陰部の痛みは改善が可能です。
この記事では、女性の陰部痛の原因と具体的な改善方法について、医学的観点から分かりやすく解説します。
プライベートな部位の問題だからこそ、正しい知識を持つことが大切です。
クリニックを受診しようか迷っているという方は、ぜひ参考にしてください。
医療法人 心鹿会 理事長 二宮先生痛みに不安がある方はお気軽に医療法人心鹿会にご相談ください。
芦屋院院長 宮崎先生理事長二宮は第一・第三水曜日に芦屋院で診療を行っております。
※研修や学会により不在の場合もございます。

女性の陰部(デリケートゾーン)が痛む原因

陰部がズキズキと痛む場合には、主に「摩擦・かぶれ」と「加齢」、「病気(感染症)」の4つの原因が考えられます。それぞれの特徴をご紹介します。
- 摩擦・かぶれ
- 加齢
- 原因不明、または自己免疫性疾患
- 病気(感染症)
摩擦・かぶれ
女性用のショーツは陰部に密着しています。そのため、下着の摩擦による外陰部の接触性皮膚炎は、外陰部の痛みの一般的な原因です。
また、生理中に使用するナプキンは通気性が低く、長時間の使用により外陰部に湿潤環境を作り、皮膚炎を引き起こします。
陰部に痛みだけでなくかゆみも感じる場合には、接触性皮膚炎を第一に考えます。
いわゆる、かぶれている状態です。
ショーツやナプキン以外にも、生理用品や避妊具に使用されている素材(ポリエステル、香料、漂白剤など)に対するアレルギー反応、ラテックス製コンドームによるアレルギー性接触皮膚炎も原因となります。
生理中や性交時など、特定のタイミングで陰部に痛みやかゆみを感じる場合は、生理用品や避妊具を見直しましょう。
フェムテックの流行で、不必要な洗浄を行っている場合にもズキズキと痛むことがあります。
清潔にすることよりも保湿を心がけましょう。
昨今はフェムテックという言葉が流行っており、それに乗じて様々な専用のケア製品が販売されています。
医学的な見地からは、専用であっても不必要な洗浄を行っている場合にもズキズキと痛むことがあります。
過度な洗浄は、正常な腟内細菌叢を破壊し慢性的な腟炎を起こすきっかけとなったり、外陰皮膚を固く薄く変化させ、外陰部痛を引き起こします。
外陰部は水またはぬるま湯での洗浄で十分であり、乾燥を防ぐための保湿が重要です。
医療法人 心鹿会 理事長 二宮先生接触性皮膚炎は原因物質を除去することで改善します。
芦屋院院長 宮崎先生症状がある場合は、綿100%の下着への変更、香料・漂白剤不使用の生理用品の選択により、症状の改善が期待できます。
加齢
女性ホルモンの分泌量が低下する更年期前後から老年期にかけて、陰部が乾燥・萎縮してしまうことでズキズキと痛むことがあります。
日常的な負担に気をつけていても、加齢に伴う体の変化であるためセルフケアでは限界があるのがこの時期です。痛みが自然に改善する見込みはかなり低いため専門的な治療が必要です。
最近では「GSM(閉経関連尿路性器症候群)」と病名があり、専門的に相談・治療できるクリニックが増えています。
GSMは老化現象ですが、自然にほっておいてよいということではありません。
放置すれば痛みなどが慢性化し、生活の質を確実に深刻に低下させてしまいます。
単に老化現象として諦めず、治療を行いましょう。
原因不明、または自己免疫性疾患
はっきりとした原因がない場合でも、外陰部にトラブルが生じることもあります。
また、「扁平苔癬(へんぺいたいせん、Lichen Planus)」や「硬化性萎縮性苔癬(こうかせいたいせん、Lichen sclerosus et atrophicus)」と呼ばれる疾患で外陰部にトラブルが生じることもあります。
はっきりした原因は不明ですが、自己免疫疾患が関与しているのではないかと考えられています。
医療機関では、生活指導をはじめ、内服・外用のステロイドを処方するといった様々な治療を行いますが、完全に治癒させることは困難なケースも多い疾患です。
放置すると癌化してることもあるため、医療機関での定期的な通院をおすすめします。
病気(感染症)
陰部の痛みの原因が病気である場合は、痛みやかゆみの他にも、おりものの増加や出血、下腹部痛といった症状が起こることがあります。
特に感染症では、悪い菌を排出しようとおりものの増加が起こりやすいので、おりものの量や色、においに変化があった場合には感染症を疑いましょう。
陰部に痛みを起こす病気を放置すると、びらん(皮膚や粘膜の表皮がはがれた状態)や潰瘍に繋がることもあります。
また、一時的に症状が治まったとしても痛みを繰り返す可能性も高いので、医療機関を受診して原因に合わせた治療を受けましょう。
医療法人 心鹿会 理事長 二宮先生パートナーも感染させてしまう可能性があるため、
すぐにクリニックを受診しましょう。
デリケートゾーンが腫れているという方は、下記ページもご覧ください。

陰部の痛みの特徴と主な症状
陰部に起こる痛みには、以下のような種類があります。
- ヒリヒリ・ズキズキ・しみる痛み
- 乾燥・焼けるような痛み
- おりもの異常や匂い
- 圧迫感がある痛み
それぞれの痛みには異なる原因があり、放置すると悪化することもあります。
以下では、それぞれの症状や原因について詳しく解説していきます。
ヒリヒリ・ズキズキ・しみる痛み
陰部のヒリヒリ・ズキズキ・しみる痛みには、早めに原因を探して対処することが大切です。
鋭い痛みは、単なるかぶれや摩擦だけでなく、感染症や炎症など重篤な疾患が隠れていることがあるからです。
例えば、性器ヘルペスでは水ぶくれや潰瘍とともに“ヒリヒリ・しみる”ような痛みが現れます。
また、摩擦やタイトな下着、蒸れによる皮膚刺激も“ズキズキ・ヒリヒリ”の原因となり得ます。
| 痛み | 考えられる原因 | 具体的な症状 |
|---|---|---|
| ヒリヒリ・しみる | 感染症(カンジダ・細菌性腟症など) | おりものが増え、匂いが変わり排尿時に“ツーン”と痛む |
| ズキズキ・チクチク | ウイルス感染(性器ヘルペス等) | 水ぶくれ→潰瘍になり、脚の付け根にある鼠径リンパ節も腫れる場合あり |
| ヒリヒリ・ズキッ | 物理的刺激・摩擦・下着蒸れ | 長時間の同姿勢・タイトな衣類・ナプキン使用時に痛みを感じる |
陰部のヒリヒリ・ズキズキ・しみる痛みを放置せず、上記のような特徴がある場合は、早めに医療機関で相談することをおすすめします。
乾燥・焼けるような痛み
陰部に「乾燥・焼けるような痛み」を感じる場合は、早めに原因を見つけて対処することが大切です。
なぜなら、乾燥による皮膚のバリア機能低下が、かゆみや炎症、感染の引き金になることがあるからです。
例えば、保湿不足やホルモンバランスの変化で皮膚が乾燥すると、少しの刺激でも“ヒリヒリ・焼けるような痛み”を感じやすくなります。
また、合成洗剤や香料入りのボディソープ、通気性の悪い下着も皮膚を刺激し、痛みを悪化させる原因になります。
| 痛み | 考えられる原因 | 具体的な症状 |
|---|---|---|
| 乾燥してヒリヒリする | 保湿不足・ホルモン変化 | 皮膚がカサつき、かゆみや赤みを伴う |
| 焼けるような痛み | 刺激の強い洗浄剤・下着の摩擦 | 入浴後や排尿時に“ピリピリ・ジンジン”と感じる |
| 乾燥+痛み | 外陰部炎・萎縮性腟炎など | 粘膜が薄くなり、少しの刺激でも痛みが強く出る |
陰部の乾燥や焼けるような痛みは、放置すると慢性化することもあります。
市販の保湿剤で改善しない場合や痛みが続くときは、早めに受診することをおすすめします。
おりもの異常や匂い
おりもの匂いや色、量の変化は体のサインであり、感染症やホルモンバランスの乱れなどの病気が隠れています。
例えば、カンジダ腟炎では白くポロポロしたおりものが増え、かゆみや赤みが伴います。
また、細菌性腟症では生臭い匂いが強くなり、灰白色のおりものが出ることがあります。
さらに、トリコモナス腟炎では泡立った黄緑色のおりものが特徴で、強い悪臭を感じる方も多いです。
おりものの異常を放置すると症状が悪化し、不妊や他の感染症の原因になることもあります。
そのため、変化を感じたら早めに受診することをおすすめします。
| おりものの特徴 | 考えられる原因 | 具体的な症状 |
|---|---|---|
| 白くポロポロ・かゆみ | カンジダ腟炎 | 外陰部のかゆみ・赤み、チーズ状のおりもの |
| 生臭い匂い・灰白色 | 細菌性腟症 | 匂いが強く、粘り気のあるおりもの、または悪臭のあるサラサラの水っぽいおりものが増える |
| 泡立つ黄緑色 | トリコモナス腟炎 | 悪臭が強く、灼熱感や強いかゆみを伴う。排尿時痛や残尿感などの排尿症状が出現することもある |
| 透明・量が多い | ホルモン変化 | 排卵期に見られる正常なおりものの増加 |
おりものや匂いの異常は、体からの大切なサインです。自己判断せず、違和感が続く場合は医療機関で相談しましょう。
圧迫感がある痛み
圧迫感を伴う痛みは、ただの皮膚の刺激ではなく、慢性的なホルモン変化や骨盤内の構造変化、あるいは下着や座りっぱなしなどによる物理的な圧迫が関係しています。
たとえば、女性の場合、月経前や排卵後にプロゲステロンの分泌増加で骨盤内の血流やむくみが起き「陰部に圧迫感を感じたり痛みにつながったり」することがあります。
また、加齢でホルモン(エストロゲン)が減少し、いわゆる 閉経関連尿路性器症候群(GSM)が発症すると、「陰部に圧迫感がある」「痛みを感じる」などの症状が出る方もいます。
| どんな症状か | 考えられる背景・理由 |
|---|---|
| 陰部がなんとなく「重たく締めつけられている」感じ | 筋・筋膜性疼痛と言われます。長時間のデスクワークや運転などで、骨盤まわりが圧迫されて血流が滞る可能性があります。 |
| ふとした時に「陰部が詰まる」「下から引っ張られる」ような感覚 | 骨盤臓器脱の初期症状として、慢性的な腹圧の習慣から骨盤底の支持力が低下し陰部に違和感・圧迫感が起こる場合があります。 |
| 過去に出産や加齢を経験し、陰部まわりが「張っている」「ぎゅっと締めつけられている」感じが続く | ホルモン低下による粘膜の萎縮や骨盤構造の変化が、陰部への圧迫感や痛みにつながることがあります。 |
陰部に圧迫感を伴う痛みがあるならば、「ただの疲れやかぶれ」と思って放置せずに、生活習慣(長時間座る、タイトな下着)やホルモンの変化、骨盤底筋の状態も含めてチェックしたうえで、必要に応じて医者に相談することをおすすめします。
陰部(デリケートゾーン)に痛みを起こす病気

感染症や炎症など、陰部にズキズキとした痛みを起こす病気はいくつか存在します。代表的な病気とそれぞれの特徴、治療方法をご紹介します。
- 性器ヘルペス
- 腟トリコモナス症
- 性器クラミジア感染症
- 淋菌感染症(淋病)
- 膀胱炎
- 尿道炎(主に男性の疾患ですが、まれに女性が罹患することがあります)
芦屋院院長 宮崎先生陰部の痛みを引き起こす病気は放置することで、
悪化してしまう可能性があります。
京都院院長 池田先生パートナーにも感染させてしまう可能性があるため、
まずはクリニックを受診しましょう。
性器ヘルペス
非常に強い感染力を持ち、痛みやかゆみを伴う水ぶくれ(水疱)ができるのが「性器ヘルペス」です。
単純ヘルペスウイルス(HSV)に感染することで発症する病気で、性器や肛門、お尻や太ももに水疱ができます。
感染ルートは様々で、オーラルセックスを含む性行為やキスで感染することもあれば、タオルや食器、便座の共有によって感染することもあります。
特に初めて感染する場合には症状が強く現れることが多く、痛みやかゆみだけでなく、38〜39度程度の発熱や倦怠感が起こることもあるでしょう。
一度感染すると症状を繰り返すという特徴があり、治ったと思っても、疲れやストレスが溜まって免疫力が低下すると再発します。
自然治癒することもありますが、症状を繰り返さないためには医療機関で治療を受ける必要があります。
性器ヘルペスの治療には、主に飲み薬の抗ウイルス薬が用いられ、症状が進行している場合は抗ウイルス薬が含まれる点滴が用いられることもあります。
症状が治まって治癒したと思っても、他者に感染させる可能性があるのが性器ヘルペスです。
完全に治療が終わるまでは、パートナーに感染させないためにも、性行為を控えましょう。
腟トリコモナス症
トリコモナス原虫という微生物が、性器内に入り込んで炎症を起こす性感染症が「腟トリコモナス症」です。
主に性行為によって感染することが多いですが、タオルや便座、浴槽を介して感染することもあり、性行為の経験がない方でも発症する可能性があります。
女性の場合は、腟内や子宮頸管、膀胱や尿道に寄生することが多く、陰部の痛みの他にも、おりものの増加や性交痛、排尿痛や頻尿の症状が現れることもあります。
自然治癒は期待できないため、発症した場合は早急に医療機関を受診して重症化を防ぎましょう。
腟トリコモナス症は、一般的な市販薬では治療できません。
医療機関では、主に飲み薬の抗原中薬や、腟錠を用いた治療が行われます。
腟トリコモナス症を放置すると子宮頸管炎を引き起こす可能性がありますが、正しい方法で治療を行えば完治できる病気です。
完全に治療が終わるまでは、パートナーへの感染を防ぐために性行為は控えましょう。
パートナーにも同様の症状が見られる場合は、一緒に医療機関を受診してください。
性器クラミジア感染症
クラミジア・トラコマチスという細菌による感染が原因で起こる、国内で最も多い性感染症が「性器クラミジア感染症」です。
空気感染や飛沫感染、物を介しての感染は起こりません。クラミジアに感染している方から粘膜や粘液、体液を介して感染します。
性器や肛門への感染はもちろん、オーラルセックスを行った場合は喉への感染も起こるでしょう。
感染している体液が目に入った場合は、結膜炎になることもあります。
クラミジア・トラコマチス自体は強い細菌ではなく、適切な治療を受けることで完治します。
しかし、発症しても無症状であるため、感染に気付かずにパートナーへうつしてしまう方も少なくありません。
放置すると、性器や腹腔内で癒着を引き起こし、月経痛の悪化や不妊症の原因になります。
さらに、他の性感染症への感染リスクが高まるため、感染が疑われる場合には医療機関を受診してください。
性器クラミジア感染症は自然治癒が期待できないため、医療機関で治療を受ける必要があります。
医療機関では、検査を行って性器クラミジア感染症であることが確認できたら、飲み薬の抗生剤が処方されます。
服用期間は薬の種類によって異なりますが、1週間程度で完治が期待できるでしょう。
医療機関で治癒確認検査を行い、陰性であれば治療完了です。放置すると、性器や腹腔内で癒着を引き起こし、月経痛の悪化や不妊症の原因になります。さらに、他の性感染症への感染リスクが高まるため、感染が疑われる場合には医療機関を受診してください。
淋菌感染症(淋病)
性器クラミジア感染症と並んで国内でも感染者数の多い性感染症が、「淋菌感染症(淋病)」です。
原因菌である淋菌は弱く、日光や温度差、乾燥で死滅しますが、人間の粘膜に付着している間は生存できるという特徴があります。
感染経路は主にオーラルセックスを含む性行為で、物を介しての感染が起こることはまずありません。
女性の場合、感染初期には症状が出ないケースが多く、陰部の痛みや膿、下腹部痛といった症状が出てから気付くことがほとんどです。
淋病を放置してしまうと不妊症になるリスクが上がる上、妊娠中であれば早産や流産を起こす原因となります。
淋菌感染症は自然治癒が期待できず、性器クラミジア感染症と併発している可能性が高い性感染症です。
感染が疑われる場合は、パートナーと一緒に医療機関で適切な治療を受けましょう。
医療機関では、抗生物質や点滴、筋肉注射や静脈注射など、症状に合わせた治療が行われます。
1週間程度で治療は終わりますが、抗生物質が効かないこともあるため、治療後に再度検査を行います。
膀胱炎
尿道から膀胱内に細菌が侵入し、膀胱で炎症を起こす病気が「膀胱炎」です。
陰部の痛みは強くありません。主に、排尿痛や頻尿、血尿などの症状が特徴的です。
男性でも発症することがありますが、特に尿道が短い女性に多くみられる病気で、悪化すると腎盂腎炎を引き起こすこ男性でも発症することがありますが、男性が膀胱炎になるときは、何らかの排尿障害を基礎疾患に有していると考えれらます。
泌尿器科で精密検査を行いましょう。
一般的に膀胱炎は尿道が短い女性に多くみられる病気で、性交渉などがきっかけで発症することが多いことが知られています。悪化すると腎盂腎炎を引き起こすこともあります。
腎盂腎炎を発症すると、上記の症状に加えて発熱や腰痛が起こるので、発症したら早急に医療機関で適切な治療を受けましょう。
膀胱炎は自然治癒することもありますが、痛み以外にも症状が出ている場合は、医療機関で治療を受けることをおすすめします。
医療機関では、抗生物質が含まれる飲み薬の抗菌薬を用いた治療を行います。
抗菌薬を服用することで3日~1週間程度で改善が期待できますが、薬が効かない場合は種類を変えて再度治療が行われるでしょう。
症状が改善されても細菌がまだ体内に残っている可能性があるため、処方された薬は必ず飲み切ってください。
尿道炎
尿の通り道である尿道で炎症が起こる病気が「尿道炎」です。
尿道炎の原因には、クラミジア・トラコマチスや淋菌といった性感染症の原因菌への感染が挙げられますが、大腸菌やマイコプラズマが尿道に侵入することで発症することもあります。
女性の場合は膀胱炎と尿道炎を併発する方も多く、陰部の痛みに加えて、排尿痛や頻尿、膿といった症状が現れます。
人によっては自覚症状が現れないケースもあるため、尿道炎を発症していることに気付くまでに時間がかかることもあるでしょう。
尿道炎は自然治癒が期待できないため、症状を改善するには医療機関を受診しなければなりません。
医療機関では、尿道炎の原因となっている細菌に応じた治療が行われます。
一般的な細菌感染が原因である場合には飲み薬の抗菌薬が用いられ、ウイルス感染が原因である場合には飲み薬の抗ウイルス薬が用いられます。
場合によっては、注射や点滴を用いた治療も行われるでしょう。
排尿に関してお悩みの方は、下記ページもご覧ください。

自分でできる対処方法
陰部(デリケートゾーン)の痛みに対する自分でできる対処方法は、以下の通りです。
- 陰部(デリケートゾーン)を適度に清潔に保つ(やりすぎ厳禁)
- 乾燥・刺激・摩擦を防ぐ
- 十分な睡眠・栄養・休養を心がける
陰部の痛みや不快感は、日常生活でのケアによって軽減できる場合があります。
それでは上記の対処方法について解説していきます。
陰部(デリケートゾーン)を清潔に保つ
陰部(デリケートゾーン)の痛みや不快感を感じるとき、まずは清潔を保つことが大切です。
適切なケアを行うことで、症状の改善や予防につながります。
| 対処法 | 詳細 |
|---|---|
| ぬるま湯での洗浄 | シャワーを数秒流すくらいに留めておく。毎日、浴槽を使用する人なら特に洗う必要もない。 |
| デリケートゾーン専用ソープは不要 | どうしても使用したい場合にはpHバランスが整った専用ソープを使用。香料や着色料が含まれていないものを選ぶ。 |
| 通気性の良い下着の着用 | 綿素材の通気性の良い下着を選ぶ。 |
| シャワー後の保湿 | 洗浄後は乾燥を防ぐため、保湿クリームやローションを使用。 |
上記の方法を実践することで、陰部の清潔を保ち、痛みや不快感の軽減が期待できます。
ただし、症状が続く場合や悪化する場合は、専門の医師に相談することをおすすめします。
乾燥・刺激・摩擦を防ぐ
陰部の乾燥・刺激・摩擦は、日常生活の中で多くの女性が抱える悩みの一つです。
これらの要因が重なることで、かゆみや痛み、炎症などの不快な症状が引き起こされることがあります。
乾燥・刺激・摩擦を防ぐための対処法は、以下です。
| 対処法 | 詳細 |
|---|---|
| 洗いすぎを避ける | 弱酸性・低刺激のデリケートゾーン専用ソープを使用し、優しく洗います。 |
| 保湿する | 入浴後すぐに、清潔な指でデリケートゾーン専用の保湿剤を外陰部(大陰唇・小陰唇周辺)に塗ります。 |
| 摩擦対策をする | 締め付けの少ない綿素材の下着を選び、通気性を保ちます。 |
| 原因除去 | 強い石鹸や香料入りの製品、合成繊維の下着を避けましょう。 |
上記の対処法を実践することで、乾燥や刺激、摩擦による不快な症状を軽減することができます。
十分な睡眠・栄養・休養を心がける
陰部の痛み対策には「十分な睡眠・栄養・休養」が大切です
睡眠不足や食生活の乱れ、ストレスによる疲労は、自律神経やホルモンのバランスを崩し、腟や外陰部の痛みを悪化させることがあります。
健康的な生活習慣を取り戻すことで、炎症の回復が促され、症状が軽くなることが期待できます。
| 対処法 | 詳細 |
|---|---|
| 睡眠 | 6〜8時間を目安に、同じ時間に就寝・起床する習慣をつける。 睡眠中に修復機能が働き、痛みを和らげるホルモンが分泌されます。 |
| 栄養 | ビタミンB群、鉄分、タンパク質を意識して摂る。 バランスのよい食事は血流を改善し、回復を助けます。 |
| 休養 | こまめに休憩を取り、体を冷やさないようにする。 ぬるめのお風呂にゆっくり浸かると血行が良くなり、痛みの軽減にもつながる。 |
陰部の痛みは、生活の整え方によって軽くできる場合があります。
十分な睡眠・栄養・休養を意識し、無理をせず体を労ることが改善への一歩です。
陰部に痛みがある場合の受診の目安

抗菌作用や抗炎症作用のある市販薬を使用すれば、陰部の痛みを解消できることがあります。
しかし、市販薬で完全に問題を解決できるとは限りません。
症状が治まったとしても一時的であり、繰り返し痛みが起こるといった場合には、医療機関を受診する必要があります。
自身では単なるかぶれだと思っていても、実は深刻な病気を発症していることもあるので、陰部の痛みが続く場合や、痛みが激しくなっている場合には、早急に医療機関を受診しましょう。
また、陰部の痛み以外にも、出血がある、下腹部が痛むといった他の症状が現れていたら、早急に医師に相談してください。
医療法人 心鹿会 理事長 二宮先生痛みが軽い場合でも、
不安のある方はお気軽にご相談ください。

陰部の痛みに関するよくある質問
陰部の痛みに関するよくある質問に回答します。
- なぜ生理中に陰部がズキズキと痛むのですか?
- 更年期に陰部の痛みが起きやすい理由は?
- 会陰部(陰部から肛門にかけて)の痛みは性病ですか?
- 陰部がヒリヒリ痛む時に市販の塗り薬を使っても問題ありませんか?
- なぜ生理中に陰部がズキズキと痛むのですか?
-
生理中に陰部がズキズキと痛むのは、血液の付着、ナプキンの摩擦や蒸れによる「かぶれ」や、ホルモン変化・感染症などが原因です。
生理中は血流や湿度が高くなり、通気性が悪いナプキンを長時間つけていると肌に刺激が加わります。
これにより外陰部の皮膚が赤くなり、ズキズキした痛みが出ることがあります。
また、ホルモンバランスの変化で腟の粘膜が乾燥し、刺激に敏感になるケースもあります。
生理中の子宮収縮の痛みが恥骨や陰部のあたりまで響く人もいます。
症状が強い場合は、子宮内膜症という疾患を発症していることもありますので、一度婦人科で検査をしてもらうとよいでしょう。
治療には低容量ピルなどの定期的な内服が推奨されます。
- 更年期に陰部の痛みが起きやすい理由は?
-
更年期または更年期以降に陰部が痛くなりやすいのは、女性ホルモンの減少が大きく関係しています。
閉経に伴いエストロゲンの分泌されなくなると、腟や外陰部の粘膜が薄くなり、潤いが失われ、陰部の組織全体が小さく固く変化します。
その結果、摩擦や刺激に弱くなり、ヒリヒリする痛みやかゆみを感じやすくなります。
- 会陰部(陰部から肛門にかけて)の痛みは性病ですか?
-
会陰部(陰部から肛門にかけて)の痛みは必ずしも性病(性行為感染症)とは限りませんが、性感染症が原因の可能性もあります。
原因には、擦れや圧迫による炎症のほか、性器ヘルペスやカンジダなどの感染が関係する場合があります。
しかし痛くない性病も多いのも事実です。
クラミジアや淋菌、梅毒や尖圭コンジローマ、B型肝炎やHIV感染など多くの性病は痛みを伴わず進行していきます。
これらの感染症では、ウイルスや細菌が体内に侵入し、腫れやヒリヒリとした痛み、潰瘍、発赤などを引き起こすことがあります。
また、直腸や肛門周辺に感染すると、強い痛みや出血を伴うこともあります。
- 陰部がヒリヒリ痛む時に市販の塗り薬を使っても問題ありませんか?
-
自己判断で薬を塗る前に原因を見極めることが大切です。
痛みの原因が乾燥や摩擦による軽い刺激であれば問題ありませんが、感染症や炎症が原因の場合には悪化するおそれがあるためです。
かゆみやただれがある場合にステロイド入り薬を誤って使うと、症状が広がることもあります。
陰部の痛みにお悩みの方は医療法人心鹿会へご相談ください
デリケートゾーンに関するトラブルは、誰にも相談できずに一人で悩んでしまう方が少なくありません。
陰部のズキズキとした痛みに悩んでいるという方は、医療法人心鹿会へご相談ください。
下記クリニックに在籍する医師や看護師は全員女性であるため、デリケートなお悩みも話しやすい環境が整っています。
陰部の痛みだけでなく、生理に関するお悩みや避妊に関するお悩みなど、お気軽にご相談ください。
少しの痛みが気になった、過去に傷んでいたが大丈夫か気になるなどといったご相談でも問題ございません。








