みなさん、 こんばんは。
二宮レディースクリニック 院長の二宮典子です。
モナリザタッチだけではうまくいかない可能性のある症例について、昨日までで5人の女性に登場してもらいました。
- ・55歳A子さん~扁平硬化性苔癬編~
- ➡ https://ninomiya-lc.jp/notice/4761.html
- ・43歳C子さん~尖圭コンジローマ編~
- ➡ https://ninomiya-lc.jp/director/4776.html
- ・62歳G子さん~尿道がん編~
- ➡ https://ninomiya-lc.jp/notice/4785.html
- ・71歳H子さん~尿道脱編~
- ➡ https://ninomiya-lc.jp/notice/4803.html
- ・50歳L子さん~慢性骨盤痛症候群編~
- ➡ https://ninomiya-lc.jp/notice/4825.html
今回でモナリザタッチの連載をいったん終了しようと思いますので、本日はモナリザタッチが典型的に効いた患者さんのエピソードについてお話させていただき、すっきり終わりたいと思います。
このようなスタイルでブログを書き進めることの意義として、
症例の振り返りは、今後モナリザタッチを施術されるドクターやこれから施術を考えていらっしゃる患者さんの参考になったり、安全管理に重要かと思います。私が院長を務めていた「LUNA心斎橋」で経験したことについて脚色を交えながらお話しますので、みなさんのご参考になりましたら嬉しいです。
実際の事例を参考にしたあくまでも医療フィクションとしてお楽しみください
!(^^)!
モナリザタッチ エピソード その6
52歳 P子さんの話https://ninomiya-lc.jp/lp/monalisatouch/
P子さんは52歳の主婦。55歳の夫、高校生と中学生になる二人の息子との4人暮らし。家事・育児と週3回のパートとをこなす、ごくごく一般的な主婦なのでした。
主婦が移動するときの頼りといえば、そう
ママチャリ
P子さんも15年以上前に購入した、味のある前かごが付いてる自転車~通称ママチャリ~で、毎日スーパーに、パートにと走り回ってきました。
しかし、ここ1、2年はその頼りのお供 ママチャリ との相性が良くないのです。3年前までは何の不具合もなかったはずなのに、パートに遅刻しそうになって一生懸命こいだあとは、必ずサドルにあたっていた部分がチリチリ、ちくちく、するようになったのです。
P子さんは工場の作業で、立って梱包をする仕事。そのため、家にいれば少し横になって休んだりできるのですが、パートの4時間はそういうわけにはいきません。場所も場所なだけに、上司にも伝えにくい。
座る位置をずらしてみたり、立ちこぎをしてみたり、色々工夫はしてみるけれど、根本的な解決にはなっていないのでした。
そして…
2つの問題
そんなP子さんにはさらに2つ問題がありました。
1つ目は1年前から妙に膀胱炎を繰り返すし、おしっこが近くなっていること。
2つ目は夫との夜の生活が苦痛に感じること。
おしっこの近さは、40代のころはあまり気になりませんでしたが、50歳を過ぎたあたりからすこしヤバいと感じていました。
そしてこの1年で、急に1か月ごとに膀胱炎を起こすようになり、トイレの近さもどんどんひどくなっているのです。トイレにいったあとの、何ともいえない嫌な感じ。そのせいか、おしっこを出した後もすっきりしないのです。
膀胱炎の度にQ内科で薬をもらっていましたが、一度、泌尿器科に行くようにいわれ、恥ずかしいのを我慢してR泌尿器クリニックを受診したことはあります。
R泌尿器クリニックでは頻尿に効果があるという薬を処方してもらったのですが、もらった薬をのんでもあまりP子さんの症状に効いた感じはありませんでした。むしろ喉が渇いてしまい、嫌になったのでR泌尿器クリニックの通院は勝手にやめてしまいました。
もう一つの悩みは夫とのセックスです。
夫は、40代のころは仕事が忙しいとあまり、そういうこともなかったのに、最近なぜか妙にスキンシップを求めてきます。
夫が嫌いなわけではないので、セックスも応じたいのはやまやまですが、半年前にそんな感じになったときは、指が入るときに強い違和感がありました。続けても全然気持ち良くないし、潤滑剤を使っても結局ペニスを挿入することができませんでした。その後しばらくは 気まずい雰囲気になってしまったのです。
偶然から「モナリザタッチ」との出会い
P子さんが浮かない顔をしているのを娘のS代さんが気づきました。
『ママ、最近元気ないよね。いっつもトイレばっかりいってるし、どこか身体でも悪いんじゃない?ちゃんと病院いってる?』
『大丈夫よ、S代。ありがとう。』
娘になかなかすべてを打ち明けることもできません。
『ねぇねぇ、ママ』
『そういえば、このまえNHKで腟のケアっていうのやってたよ。ちょうどママくらいの年齢の人に良いんだってさ。腟のレーザーとかで頻尿とか治るらしいよ。ママの頻尿もそれで治るんじゃない?』
なんと!
アメイジング
S代さんがたまたま見ていたNHKの番組で特集していたものが、P子さんの悩みにぴったりあてはまることがわかりました。
娘に、夫とのセックスのことは内緒ですが、それ以外の困っていることを打ち明けて、一緒に治療できる病院を探すことにしました。
『「腟」「レーザー」「頻尿」っと。』
スマホ画面に打ち込みます。
『あ、これどう?ママ。
この「モナリザタッチ」っていうのいいんじゃない?』
LUNA心斎橋へ受診
P子さんはS代さんと一緒にネット検索し、大阪市心斎橋にある女性医療クリニックLUNA心斎橋というところを見つけました。
ホームページをみると、ここは泌尿器科・婦人科・性交痛も相談できるとあります。P子さんが困っている性交痛というのも、、もしかしたら特別な病気ではないかもしれません。ちょっと安心します。
LINEで予約をとって受診すると、大阪弁の女医さんが対応してくれました。
『ホームページと同じようにきれいなクリニックだな。あんまり病院じゃないみたいでリラックスできる。』
P子さんは自分の経過を話します。
ちょうど50歳ごろから腟の症状と、頻尿が出てきた。頻繁にするわけではないけれど、性交痛もあるようだと。
『…。』
『見てみぃひんかったらなんとも言われへんから、内診いきましょう!』
GSMという病気
さっそく内診台で検査です。
女医さんはP子さんのお腹から触っていきました。
『はい、おなか、さわりますよーー力抜いてー』
お腹を順々に押され、 『痛い?』『痛くない?』が続きます。
お腹に続いて、そのままデリケートゾーンの診察が始まります。
デリケートゾーンの診察では、女医さんはさらに綿密に細かく触っていきます。
ときおり、いつものあの痛みに似た、直接的なビリビリがあります。
一通りの診察を終えると、
『じゃあ一緒にみましょう』
と言ったかと思うと 女医さんは
サーーーーっと
仕切っていたカーテンを開けてしまいました。
『はい、鏡みてー。説明しまーす』
自分の外陰に鏡があてられており、女医さんが自分の股の間でしゃべっています。
『ここが大陰唇。
大陰唇は問題ありません。きれいです。痛くないやんね?』
たしかに、全然大丈夫。
『次、ここは小陰唇とクリトリスなんやけどかなり萎縮してるのと、めっちゃ赤いのと。触ると痛いですよね?どう?』
うわ、いたた。
『その奥の腟前庭部とか尿道の周りとか、めっちゃ赤いやんね?』
はい、赤鬼のよう…。
『ここの正常な色は、例えていうなら口の粘膜のピンク色やねん。』
ほうほう。
『だからP子さんの、おしも、の赤さは異常です。
粘膜が薄くなって、炎症を起こしている状態。
もちろんこんな状態で触ると痛いに決まってるやん、という感じ。』
じゃあ、モナリザタッチは…。
『私の見解だけで言うなら、モナリザタッチ、良いと思います。
うまく行ったら、腟とかセックスの症状だけじゃなくて、頻尿もよくなるかもね。』
ちゃららーーーん
P子さんの病名とは
はい、寸劇にお付き合いいただきありがとうございます。
ということで
病名
GSM
ジー エス エム
genitourinary syndrome of menopause
と言います。
GSMは2014年に北米閉経学会や国際女性性機能学会で提唱された病気の概念です。
2019年に日本女性医学学会が『閉経関連泌尿性器症候群』と和訳を充てましたが、泌尿器科学会に相談をしておらず、泌尿という言葉が訳語として適切ではないと指摘をうけ、まだ関係する全ての学会がオッケーと決めたネーミングがないという状態です。
病名がどうあれ、世の中にGSMの患者さんはたくさん たくさん いますので、日々患者さんを診察しているわけです。
・腟のイガイガ・チリチリ などの腟症状
・頻尿・排尿時痛などの泌尿器症状
・性交痛、気持ちよくない(オーガズム障害)
などの症状が、1つなり、2つなり、P子さんのように3つともある場合、GSMが疑われます
治療はモナリザタッチ以外にもあるので、そればかりを薦めるわけではありません。でも、私の経験ではありますが、GSMがある女性の頻尿症状に対してモナリザタッチを施術すると、頻尿治療のための薬で効かなかった患者さんにも治療効果を認める人が多くいました。
P子さんも、モナリザタッチを1か月に1回ずつ、みっちり3回行い、GSMのケアの基本である外陰の保湿を徹底してもらうことで、症状がかなりよくなったと喜んでおられました。
もちろん頻尿のある人全員にモナリザタッチが効果的というわけではありませんので、身体所見や症状に基づくちゃんとした診断・治療と、その治療効果についての振り返り、今後のケアの方針などを順序だて、しっかり主治医にサポートしてもらう必要があります。
この考え方というのは決してGSMに限ったことではありませんけどね!!
ブログという情報源のため、症例の写真を提示ができないのが残念ですが、今後どのようにみなさんに見せていけるか考えます。
え? 自分では判断できないって
諦めないで!
できれば1か月に1回くらい
お風呂上りに鏡で自分の性器にご挨拶してみてください。
そして、ついでに乳液やワセリンを外陰部の粘膜に塗ってあげてください。
何か変かもと思えば、かかりつけの婦人科・女性泌尿器科の先生に質問にいったらいいんです!
何もなければラッキー!
何かあったら治療!
普段、二宮レディースクリニックでは、一般的な泌尿器科や婦人科や性交痛の診断・治療を行っています。
モナリザタッチを患者さんが希望するしないに関わらず、最初の診断のときにモナリザタッチで症状に効果があるか、ないかをある程度予想しながら治療を行うことが日常です。
そのため、思ったような効果がなかった場合、なぜ効果がなかったのかその後の代替治療について自分なりの考えに基づき、治療方針の転換を行うようにしています。
二宮レディースクリニックのモナリザタッチ
二宮レディースクリニックのモナリザタッチは
院長 二宮が患者様お一人お一人の診察・適応を判断し
責任をもって施術をさせていただきます。
二宮レディースクリニックのモナリザタッチご料金
1回 55,000円(税込)
3回セット 143,000円(税込)
外陰のみ 1回 33,000円(税込)
(3回セットは4週間ごとの施術が効果的です。)
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回からは、テーマを変えてブログを書いていきますので、また見てくださいねー。
医師。泌尿器科専門医・指導医、漢方専門医、性機能専門医。
2015年から女性医療に特化したクリニックの院長として泌尿器科・婦人科・性機能に関する専門的診療に従事。医療者向けの講演会や一般向けのYouTubeなど幅広い活動を行う。2021年にNINOMIYA LADIES CLINICを開院し、院長就任。自院では、医療者にしかできない誠実で安全な美容を提供するべく、アートメイク・女性器治療などにも注力する。