STAFF BLOG
スタッフブログ

2020.02.27

心斎橋院

モナリザタッチのこと⑭ 困った症例の話 その4

みなさん、 おはようございます。

二宮レディースクリニック 院長の二宮典子です。

モナリザタッチだけではうまくいかない可能性のある症例について

寸劇スタイル 第4弾!

困った症例というのは笑いあり、驚きあり、反省ありあり~~

みなさまと共有していこうと思います。

このようなスタイルでブログを書き進めることの意義として、

困った症例の振り返りが、今後モナリザタッチを施術されるドクターやこれから施術を考えていらっしゃる患者さんの安全管理に重要と思い、私が院長を務めていた「LUNA心斎橋」で経験したことについて脚色を交えながらお話しますね。

実際の事例を参考にしたあくまでも医療フィクションとしてお楽しみください

!(^^)!

モナリザタッチの困った症例 その4

71歳 H子さんの話

H子さんは71歳の主婦。夫と二人暮らし。子供は3人いますが、3人とも独立し、長男家族だけが近所に住んでいます。ときどき孫にも会えるし、悠々自適ののんびりした生活を楽しんでいけるはずでした。

しかし、H子さん、普通の人よりも少し細かいことが気になります。

そう、日本人にありがちな、いわゆるA型気質

きっちりしていることが大好き。予定も細かい時間まで決めている方が安心。冷蔵庫は整理されていて賞味期限切れのものが入っているなんてありえない。掃除は毎日しないと嫌です。何てったって清潔が一番でしょ!

たまに夫が洗濯を手伝ってくれますが、干し方やたたみ方が違うだけでイラっとします。

「これなら 自分でやったほうが早いわ…。」

とはいえ、夫ともそれなりに仲良くしているし、まぁ 楽しく暮らせているかな。

唯一の悩み 「アレ」 を除けば…。

H子さんの「アレ」

H子さんは52歳で閉経しましたが、その1年前くらいから「ホットフラッシュ」に悩まされていました。

閉経とは、女性の月経(生理)がなくなること、

ホットフラッシュとは、閉経ごろの年齢にある女性が、ホルモンバランスの変化によって急に上半身(特に顔)だけが カーっとあつくなってしまう状態です。

閉経頃の女性に起こりやすくなる「ホットフラッシュ」「冷えのぼせ」「多汗」「不眠」「肩こり」「疲労」「イライラ」など、自分でコントロールできない悩ましい症状を更年期症と言います。

程度の差はあれ、女性は全員避けては通れない閉経期の更年期症状。H子さんの場合は、52歳から近所のI婦人科へ通院し、ホルモン補充療法というものを行っていました。

ホルモン補充療法によってH子さんの「ホットフラッシュ」はかなり改善し、生活は快適になったように思えたのですが、

60歳ごろからデリケートゾーンの嫌な感じが出てくるようになりました。

そう、H子さんの「アレ」の正体はデリケートゾーンの不快感…

I婦人科のI先生に相談したところ、

「うーーん、もうホルモン補充はしているしね…」

腟の薬でも試してみる?」

と、貼り薬以外に腟坐剤も処方されたことはありますが

腟に自分で薬を入れることが嫌だし

入れた後も 余計に腟に不快感があるので

好きになれず、

結局 あまり継続できないままやり過ごしていました。

「アレ」以外のトラブルも

気が付けばあのころから10年。I婦人科には通っているけれど、できるだけ内診検査も避けて過ごしてきました。

だって とってもツライ

検査のあとは出血するし

なにより、ヒリヒリが3日くらいは続きます

それから最近の2~3年はさらに困ったことも。

「頻尿」

そう、年齢には勝てないとは言いますが

H子さんもいっぱしのトイレが近い女性になっていました。

泌尿器科に行くのは恥ずかしいので

いつものI婦人科の先生に相談すると

「じゃあ お薬をだしておきますね」

と言われて、尿が我慢しやすくなるという薬をもらったけど

なんとなく効いているような効いていないような。

膀胱炎なの?結石なの?

そんなH子さんを突然の不幸が襲います。

ある日の朝、

トイレで尿をしようと思うと

痛っ---!痛い!

突然 排尿時痛がありました。

トイレットペーパーで拭くとうっすら出血もあります。

急いで近くのJ内科クリニックを受診。

尿検査をして診察を終えました

J先生は「膀胱炎」だと。

抗生剤を処方され、様子を見ましたが

3日たっても4日たっても痛みは変わりません。

むしろ出血が多くなってきたような気さえします。

5日後にもう一度J内科クリニックを受診しました。

『確かに、血尿もひどくなっているね。

泌尿器科専門医のところに行ってみてください』

さっそくその日のうちにK泌尿器クリニックを受診したH子さん。

K泌尿器クリニックでもオシッコの検査がありました。

K先生は、

『血尿もあるし、腎臓と膀胱を診てみましょう』

といって超音波をしてくれました。

腎臓がすこし萎縮していますが、年齢相当なので、心配はいりません。

小さい結石があったからそれのせいかもしれませんね。』

結石ですか…。 確かに痛くなる病気って言いますもんね。

『はい。おしっこもちゃんとでているし、大丈夫でしょう。

念のため がん細胞がないか検査しておきますので、来週また来てください。』

K先生からは結石を出しやすくする薬と、痛み止めをもらいました。

結石があるので、できるだけ水を飲むように言われたのですが

H子さん、もともと頻尿なのでこれはつらい…。

1日何度もトイレに行く羽目になりました

やはり尿をするたびに激痛が襲います。

『全然 良くなっている感じがしない‥』

最初から婦人科にいっていれば?

それから3か月、

痛みにもずいぶん慣れたような感じがありますが辛い日々を送っていました。

今日はI婦人科の定期受診の日。

I先生にこの3か月の経過を話してみました。

I先生は、難しそうな顔になり、

『それは、内診をしておいたほうがいいですね。』

H子さんの 大 大 大嫌いな 内診検査をすることになってしまいました。

内診をしたI先生がこう言います

『H子さん、あなたの痛みの原因はGSMかもしれません。

でもH子さんはすでにホルモン補充をしていますので、治療が難しいですね…。うーーん。』

ジーなんちゃら? どうやら難しい病気のようです。

『そうだ、「モナリザタッチ」が効くかもしれません。腟にレーザーをビームするんです。治療ができるところを紹介してあげますから、受診してみてください』

レーザーをビーム…。

いよいよ私の病気も えらいことになってきた。

でもこの痛みが治るなら、

ビームでも爆弾でも なんでも受けてみよう!

LUNA心斎橋へ受診

I先生は女性医療クリニックLUNA心斎橋というところを紹介して予約までいれてくれました。

心斎橋なんてもう20年は来ていないな。地下鉄もずいぶんとかわったもんだ。

このクリニックは、泌尿器科・婦人科も相談できるのか。

ふーん。

予約をしていた時間に紹介状をもって受診すると、大阪弁の女医さんが対応してくれました。

『なんか、早口の人だな。怖くないといいけど

H子さんは自分の経過を話します。

突然の痛みと血尿。内科でも泌尿器科でも治らなかった

かかりつけの婦人科にいったら、腟がGで爆発すると治るんだと

女医さんの反応は

『…。』

なんやおかしいこと言ったかな

見てみぃひんかったらなんとも言われへんから、内診いきましょう!

内診台で正体判明!

さっそく内診台で検査です。

いやだいやだ。

また痛いのかな。

『はい、おなか、さわりますよーー』

おなかから順々に診察をされて、

自分のお腹なのに思ったよりも触られると痛いことに気が付きます。

『ここ、痛くない?』ちょっと痛い

『ここは?』『ここは?』 大丈夫、ちょっと嫌。

お腹をくまなく押され

痛い? 痛くない?

が続きます。

デリケートゾーンの診察では、

『うーーん』と女医さんが唸っていましたが

『よくわからないと思うから、一緒にみて』

と言ったかと思うと 女医さんは

サーーーーっと

仕切っていたカーテンを開けてしまいました。

なに!

やだ!恥ずかしい!

『はい、鏡みてー

説明しまーす

へ? 説明ね…。

ここが大陰唇と小陰唇。

 大陰唇も小陰唇も萎縮してるねん特に小陰唇はカチカチになってるのんわかりますか? でもここはあんまり痛くないよね?

たしかに、ちょっと嫌やなってくらいです

『次、ここは前庭部なんだけどここが真っ赤。内側が痛いと思います。

わー、痛い!確かに。

ちょっと見るのも慣れてきた。こんな風になっているのか。

恥ずかしいなー。

問題ここ!尿道の入り口。

外尿道口ね、これ見えますか?赤いでしょ

うん。たしかに、なんか怖い。

これは尿道口といっておしっこの出口です。

 H子さんはここの粘膜が外にクルーっとひっくり返ってしまった状態。

 モナリザタッチだけでは痛みはなくなりませんよ。

そうなんですか‥。

モナリザなんちゃらってなんですのん。

『H子さん、オシッコのときに

おりゃーーーって 最後までがんばって出そうとしてるやんか』

え?先生、私のトイレのぞき見してたん、いややわ。

『見てなくてもわかるねん、

尿道がひっくり返ってる人のほとんどが、

オシッコの時に 最後の一滴まで おりゃーーーって出し切ろうとしてしまう、キッチリ好きの人が多いから』

ちゃららーーーん

H子さんの病名とは

はい、寸劇にお付き合いいただきありがとうございます。

ということで

病名

 尿道脱 

にょうどう だつ

です。

ポイントは

尿道の激痛

血尿があることが多い

子宮脱などと誤診されることも

これはモナリザタッチをやっても良いと思いますが

これだけでは治りません。

尿道脱が生じる患者さんは、普段の生活でかなりの腹圧をかけている人が多いです。

(生活の中の腹圧とは 肥満・喘息などの繰り返す咳・便秘・ストレスなどです)

粘膜の萎縮と腹圧と靭帯の脆弱性で、尿道粘膜が外に押し出される格好となります。

押し出された粘膜は、尿道に締め付けられる状態となり、粘膜がむくみ、出血したり、激痛が起きたりするのです。

尿道脱の痛みは、人によっては本年の何月何日から痛かったとはっきりわかることもあります。GSM、という外陰粘膜が痛む病気と併発することもあり、痛みは外陰全体に及ぶこともあります。

モナリザタッチは粘膜の状態改善にはそれなりに寄与するでしょう。

H子さんは脱出した尿道粘膜を切除して、

腹圧をかけないように排尿を治してもらったところ

ずっと悩んでいた座ったときの痛みも排尿の痛みもなくなり

お悩み解決となりました。

モナリザタッチも効果的ですが、排尿習慣はもっと大事ですよ

ブログという情報源のため、症例の写真を提示ができないのが残念ですが、今後どのようにみなさんに見せていけるか考えます。

え? 自分では判断できないって

諦めないで!

できれば1か月に1回くらい

お風呂上りに鏡で自分の性器にご挨拶してみてください。

何か変かもと思えば、かかりつけの婦人科・女性泌尿器科の先生に質問にいったらいいんです!

何もなければラッキー!

何かあったら治療!

二宮レディースクリニックのモナリザタッチ

二宮レディースクリニックのモナリザタッチは

院長 二宮が患者様お一人お一人の診察・適応を判断し

責任をもって施術をさせていただきます。

二宮レディースクリニックのモナリザタッチご料金

1回 55,000円(税込)

3回セット 143,000円(税込)

外陰のみ 1回 33,000円(税込)

(3回セットは4週間ごとの施術が効果的です。)

最後までお読みいただきありがとうございました。

次回は 困った症例その5 についてです。

この記事の監修者
二宮 典子

医師。泌尿器科専門医・指導医、漢方専門医、性機能専門医。
2015年から女性医療に特化したクリニックの院長として泌尿器科・婦人科・性機能に関する専門的診療に従事。医療者向けの講演会や一般向けのYouTubeなど幅広い活動を行う。2021年にNINOMIYA LADIES CLINICを開院し、院長就任。自院では、医療者にしかできない誠実で安全な美容を提供するべく、アートメイク・女性器治療などにも注力する。