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スタッフブログ

2020.02.26

心斎橋院

モナリザタッチのこと⑬ 困った症例の話 その3

みなさん、 おはようございます。

二宮レディースクリニック 院長の二宮典子です。

モナリザタッチだけではうまくいかない可能性のある症例について

寸劇スタイル 第3弾!

困った症例というのは笑いあり、驚きあり、そして今日はすこしゾワッとする恐怖もありで

みなさまと共有していこうと思います。

このようなスタイルでブログを書き進めることの意義として、

困った症例の振り返りが、今後モナリザタッチを施術されるドクターやこれから施術を考えていらっしゃる患者さんの安全管理に重要と思い、

私が院長を務めていた「LUNA心斎橋」で経験したことについて脚色を交えながらお話しますね。

実際の事例を参考にしたあくまでも医療フィクションとしてお楽しみください

!(^^)!

モナリザタッチの困った症例 その3

62歳 G子さんの話

G子さんは62歳の主婦。夫は3つ年上で、子どもさんは2人。もともと少しアレルギー体質があり、薬を飲むと痒みがでたり気分が悪くなったりすることがありました。

そうはいっても普段の生活は、特に何の問題もなく過ごしていましたが、ここ半年くらいでとても気になることが起き始めました。

それは

座ると何だか痛い…。

半年前は気のせいだろうと思っていたのですが

ここ2週間くらいは

感じていた違和感はどんどんはっきりしたものになり

長時間座っているのも苦痛です。

『病院で診てもらおう‥』

最初の受診へ

意を決して近所の泌尿器科を受診すると

オシッコの検査がありました。

診察を受けると

『膀胱炎ですね』

と言われました。

抗生剤を処方されましたが

飲んで1週間してもあまり効いた感じがしません。

次の受診のときは

『うーん、尿はきれいになってますから』

『婦人科を受診してみますか?』

と言われて、

近所の産婦人科へ。

ここでは、内診台で外陰部をチェックする検査がありました。

『うーん、特に異常はありませんね、

年のせいだから気にしなくて良いですよ』

…。

そうかな?

そんな感じなの…?

それから2週間

それから2週間経過

痛みは続きます。

痛みを気にしているせいか

なんとなく腰全体が痛い感じもしてきました。

心配が消えないG子さん、

また泌尿器科を受診。

先生も、何度も痛いというG子さんに親身になって話を聞いてくれました。

異常がないか

さらに検査が必要ということになり

『そんなに痛いのなら膀胱の中も見てみましょう』

膀胱鏡をすることになりました。

ぼうこうきょう って

胃カメラのようなものを

尿道からいれて、膀胱の中を観察するのだそうです。

膀胱がん間質性膀胱炎という病気が見つかることがあるのだそう。

そんな病気だったら嫌だな‥。

いよいよ膀胱にカメラをいれます。

カメラを入れる時はとても痛みがありました

『うーん、特に異常はないけどねーー…』

これで膀胱の病気ではないことがわかりました

それでもG子さんの痛みがとれるわけではありません。

先生は、キシロカインゼリーという痛いところに塗るための麻酔のゼリーを処方してくれました。

毎日せっせと

キシロカインゼリーを使いますが

なんとなく、ましなような…。

でもやっぱり座ったり、何かが当たると痛い!

『モナリザタッチ』が効くのでは?

G子さんの痛みに気付いた旦那さんが

G子さんのために治療を調べてくれました。

『それってこれが良いんじゃない?』

なに?

『これこれ、「モナリザタッチ」。』

『50歳をすぎた人の痛みや不快感に効くって。G子も試してみたら?』

「モナリザタッチ」かぁ

レーザーの治療と書いていますが

自分の症状にはあっているような気もします。

G子さんは旦那さんが調べてくれた「モナリザタッチ」をやっている病院を受診してみました。

LUNA心斎橋へ受診

G子さんの旦那さんは

女性医療クリニックLUNA心斎橋というところを調べてくれていました。

ここならモナリザタッチ以外にも、泌尿器科・婦人科も相談できるし

膀胱鏡をやった話も聞いてもらえるかな。

この女医さん 優しかったらいいなぁ。

早速予約をして受診すると、大阪弁の女医さんが対応。

『なんか、ホームページの写真とちょっと印象違う気もするけど‥

まぁいいか。

G子さんは自分の経過を必死に話します。

泌尿器科にいっても婦人科にいっても

診断はつかないし、痛みが全く変わらない。

きっと 自分の症状にはモナリザタッチが良いのではないかと思う。

女医さんの反応は

『…。』

なんか答えてー

見てみぃひんかったらなんとも言われへんから、内診いきましょう!

内診台で正体判明!

さっそく内診台で検査です。

ここの女医さんの検査は痛くないかな…。

デリケートゾーンが触られるのを

今か今かと気合を入れて待っていると

予想外な展開に。

『はい、おなか、さわりますよーー』

『ここ、痛くない?』

『ここは?』

『ここは?』

私が痛いのはもっと下なんだけど…。

心の中でつぶやきます。

『はい、次はここ、どう?』

ん!なんか嫌な感じする!

ここ嫌だね。 はいはい、次ね』

お腹をくまなく押され

その後は恥骨のあたりから

足の付け根の関節のあたりまで

そろっと 撫でたり

ぐっ、ぐっと 押さえたり

そうしているうちに

いよいよデリケートゾーンへ。

お腹のときと同じ要領で

痛い? 痛くない?

が続きます。

ちょっと油断していたG子さん、

途中、ズキーーーっとするところがありました。

いったーーっっ!!

『ごめん、ここ痛いとこだね』

『よくわからないから一緒にみて』

と言ったかと思うと 女医さんは

サーーーーっと

仕切っていたカーテンを開けてしまいました。

え!

わ!びっくりした!

『はい、鏡みてー

説明しまーす

へ? 説明ね…。

ここが大陰唇ね

 大陰唇は何にもないでしょ、きれいですけどちょっと萎縮、痩せほそってきています。でも痛くないよね?

『はい、ここは小陰唇なんだけどここもきれいです。

ここもちょっと萎縮。内側はちょっと痛いかな?

赤と黄色のまだらなの見えますか?』

うん、確かに。

色がなんだか 赤っぽいかな?

問題ここ!尿道の入り口。

外尿道口ね、これ見えますか?赤いポチ

うん。たしかに、ちょっと赤い。

でもめっちゃ小さいからよくわからない‥。

『ちょっと触ってみるね。ここちょっと固いねん。

ちょっと他の部分とちょっと表面の構造が違うように見えるねんけど‥

膀胱の中の検査は異常ないっていってたよね?』

はい、膀胱鏡は大丈夫と言われました

『うーん…、よくわからんけど。

怪しいから病理検査しといたほうがいいですわ』

びょうり けんさ ?

それは なんですか?

病理検査っていうのは、

 組織をとって 

 顕微鏡で見て

 細胞が良いものか悪いものかを調べる検査やねん

G子さんのここは、赤いけど硬いから

 悪性の可能性もあります

 今まで診断がついていないんやったら

 やっておいたほうがいいねんで』

え?

じゃ、じゃあモナリザタッチは?

がんがあるのにモナリザタッチをすると

 がんが広がってしまう可能性があるから

 絶対やったらあかんねん。

そうなの!

じゃあお願いします。

『オーケー、じゃあ麻酔するからチクっとするよ。

歯医者さんの麻酔で気分悪くなったことはない?』

『そ、、それが。

…あります。』

『あるんかい! はよ ゆーてよ!(笑)』

G子さんは点滴をしながら血圧などを細かくチェックしてもらい

麻酔をして赤いプチっとしたものを検査しました。

ちゃららーーーん

G子さんの病名とは

はい、寸劇にお付き合いいただきありがとうございます。

ということで

病名

 尿道がん  

にょうどう がん

です。

ポイントは

尿道にできる硬いできもの

原則 痛みはない、徐々に大きくなって血尿などの症状を起こす

膀胱がんなど 他の尿路悪性腫瘍と併発することがあるので、膀胱鏡・CT・MRIなどのチェックが必要

これは 絶対 絶対 絶対 モナリザタッチをやったらダメ!!なやつです。

モナリザタッチをやると癌<がん>を広げてしまう可能性があります。

でも、通常は尿道がんはそんなに頻回にあるものではないので、そこまで心配しないといけない病気ではありません。でも診断がつかないまま放置すれば命にかかわる病気の一つです。

痛みについても、本来は痛くないはずですが、GSMという外陰粘膜の痛む病気と、組織が硬くなる尿道がんが合併してしまったことで

がんの硬いところが当たる度に、痛みを感じるという状態になっていました。

最初のクリニックでG子さんの場合も経過中に徐々に大きくなってきていたため最初は気が付かなかったようですが、

後医は名医 です

当院に受診するころにはビービー弾くらいのサイズにはなっていました。

病理検査で「にょうろじょうひがん」と診断がついたので

大学病院で腫瘍を切除する手術をしてもらったところ

ずっと悩んでいた座ったときの痛みはなくなり

G子さんの悩みは解決となりました。

悪性疾患は全般的にモナリザタッチの禁忌になりますので、ご留意ください

でも、照射部分に関係なければ問題ありませんよ。

ブログという情報源のため、症例の写真を提示ができないのが残念ですが、今後どのようにみなさんに見せていけるか考えます。

え? 自分では判断できないって

諦めないで!

できれば1か月に1回くらい

お風呂上りに鏡で自分の性器にご挨拶してみてください。

何か変かもと思えば、かかりつけの婦人科・女性泌尿器科の先生に質問にいったらいいんです!

何もなければラッキー!

何かあったら治療!

二宮レディースクリニックのモナリザタッチ

二宮レディースクリニックのモナリザタッチは

院長 二宮が患者様お一人お一人の診察・適応を判断し

責任をもって施術をさせていただきます。

二宮レディースクリニックのモナリザタッチご料金

1回 55,000円(税込)

3回セット 143,000円(税込)

外陰のみ 1回 33,000円(税込)

(3回セットは4週間ごとの施術が効果的です。)

最後までお読みいただきありがとうございました。

次回は 困った症例その4 についてです。

この記事の監修者
二宮 典子

医師。泌尿器科専門医・指導医、漢方専門医、性機能専門医。
2015年から女性医療に特化したクリニックの院長として泌尿器科・婦人科・性機能に関する専門的診療に従事。医療者向けの講演会や一般向けのYouTubeなど幅広い活動を行う。2021年にNINOMIYA LADIES CLINICを開院し、院長就任。自院では、医療者にしかできない誠実で安全な美容を提供するべく、アートメイク・女性器治療などにも注力する。