おはようざいます、女性医療クリニックLUNA心斎橋院長の二宮典子です。
みんな、楽しく生活してますか?なんだが最近身体の調子が…なんて思っていませんか?
主観的な病気について
今日から何回かにわけて、主観的な病気についてお話ししようと思います。
『は?なに?突然難しいわ(怒)』いえいえ
『私に関係ないわ!』あるよ
『そんなん役にたたんやろ』たつよ
『どうせ、二宮のネタがつきたんやろ?』ちゃうちゃう
否、いやいや、全部そんなことないですよ。主観的な病気というのはとっても一般的です。なので、まじめにこのシリーズを最後まで読んでいただければ、きっとあなたの病気との向き合い方が変わるし、人生がかわるといっても大げさではないと思います。(大げさ!)
主観的のイメージが付かないって?例えば女性泌尿器科の分野で言えば、『残尿感』。『残尿感があります』って泌尿器科でよく患者さんが訴えてこられるもののひとつですが、とっても主観的な主訴です。他にも、『○○痛』『○○できない』とか。ね?よくあるでしょ。そして、今回こういった主訴の問題点について解説させていただくわけです。なんだか、役に立ちそうな気になってきましたね?
ということで、どんどん話を進めていきます。こういった『主観的主訴』の病気って、患者さんの気持ち次第です。ここで勘違いしてほしくないのは、主観的イコール精神論とかではないです。気持ちが弱いから病気になる、とは思っていません。そうではなくて、患者さんが体感している感覚を訴えているので、事実ではあるのですが、その感覚をつかんであげないと、診断や治療が非常に難しいのです。
でも、『それが医者の仕事やろ?』『なにが難しいかわからない』って?そんなあなたのために解説しましょう。
主観的な主訴と客観的な主訴の違い
主観的な主訴
例えば『○○が痛い』『○○が気持ち悪い』『○○の時に重い感じがある』こういった訴えは主観的です。至極一般的。みんなこうやって受診しますよね。それを診断して治療すればよいわけです。
客観的な主訴
客観的なものは主に2つ。見た目の客観性と、数値や画像の客観性。
見た目は、『○○を切って怪我をしました』『○○の部分の皮膚ぶつぶつで赤くなっています』など。これも至極一般的。見たらわかるってやつです。
数値や画像は『○○の数値が高いので』『○○の画像で異常があったので』『○○の組織検査で異形成(正常ではない)だったので』などといったものは、客観的な訴えです。たいていは、健診や他院の受診などで、医学的な検査をした結果として、追加の検査が必要になり受診されます。こういった主訴は、指標を伴っていて、問題が明確化されやすいと言えますね。
主観的な問題の難しさ
さて、主観的な主訴・客観的な主訴の違いについて、すこしイメージが付いたかと思います。
先ほども言いましたが、『主観的な主訴』って一般的です。現に患者さんの9割はこういった受診されます。患者さんは自分の思いを伝えると良いのに、正解は自分の中にあるのに、壁にぶち当たってしまうんです。
端的にいうと、問題は『言葉の壁』ってやつです。
『言葉の壁』といっても、別に外国人を相手にしているわけではありません。私もあなたも日本語ペラペラです(古い!)。でも、うちにくる9割以上の患者さんが自分の身体の『主観的な主訴』である状態をうまく表現できていないんです。
ということで、次回は、その『言葉の壁』問題について、さらに深堀していきます!みなさん、お楽しみに~。
医師。泌尿器科専門医・指導医、漢方専門医、性機能専門医。
2015年から女性医療に特化したクリニックの院長として泌尿器科・婦人科・性機能に関する専門的診療に従事。医療者向けの講演会や一般向けのYouTubeなど幅広い活動を行う。2021年にNINOMIYA LADIES CLINICを開院し、院長就任。自院では、医療者にしかできない誠実で安全な美容を提供するべく、アートメイク・女性器治療などにも注力する。