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スタッフブログ

2020.03.15

心斎橋院

膀胱ボツリヌス毒素注射 適応について

みなさん、おはようございます。

女性医療LUNA心斎橋 院長の二宮典子です。

本日は昨日からの続き、膀胱ボツリヌス毒素注射についてお話していきます。

今日は、どういう人が膀胱ボツリヌス毒素注射に適切で、

どういう人があんまりおすすめできないか、についてお話します。

過活動膀胱ってなに?

まず、当然ですが、トイレが近い全ての人が適応というわけではなく

その中でも過活動膀胱が原因で頻尿になっている人が膀胱ボツリヌス毒素注射の適応になります。

で、

そもそもの話

過活動膀胱ってなに?ですよね。

単に頻尿というだけでは過活動膀胱とはいえません。

過活動膀胱の話をするためには排尿のメカニズムに少し触れる必要がありますが、

細かいところまで書き出すと、それだけで超大作になってしまうので、今回はシンプルに。

体が尿を作って排泄するまで

人間の体は、外から見ればいつもおんなじように見えますが、

実は毎日、毎分、毎秒、いつも変化をすることで現在の体を維持しています。

これを難しい言葉でホメオスタシスと言います。

体のホメオスタシスに欠かせない臓器が腎臓(じんぞう)です。

腎臓には体にある血液の20%くらいがいつも流れ込んでいます。

血液の中のいるもの、いらないもの、必要な水分、などなどを選別して尿を作り出しています。

そこから普通の大人であれば、1時間あたり50〜100mlくらいの尿を作っているのです。すると、1日あたりだいたい1リットルから2.5リットルくらい、尿をつくることになるわけです。

体の機能を維持するためには、腎臓は休みなく働いていて、尿を作っているわけですが、

それを絶えず体から直接出していたのでは、みんないつも尿漏れに困ってしまいますよね。

そこで、大切な臓器が膀胱(ぼうこう)です。

膀胱は、腎臓で作られた尿をためて、ある程度溜まったら体の外に出す、という役目をしています。

ここで問題になるのが、膀胱が感じる『ある程度』、の量なんです。

過活動膀胱と正常の人の膀胱感覚の違いについて

過活動膀胱による頻尿に悩んでいない人は、膀胱に200ml以上の尿がたまると尿意がわかるくらいになります(初発尿意)。

そして300mlくらい(通常の排尿量)、めっちゃ我慢すれば500mlくらい(最大蓄尿量)でトイレに行く、という感じで生活ができます。

ここで大切なのは、トイレで尿をだしてから、次の尿意を感じるまで、不快な感覚がないっていうことと、尿意を感じてから、トイレに行かないとヤバい!、というレベルになるまで、わりと時間の余裕がある、ということです。

一方、過活動膀胱の人は

まず、膀胱に溜めれる量がそもそもめっちゃ少ない100〜200mlくらい。ひどい人だと100ml溜まる前に尿意を感じます。その後、我慢できるまでの時間も短くて、すぐに

『切迫感』

と呼ばれるような強い尿意に襲われます

そのため、過活動膀胱の方は、いつもトイレを探す生活になってしまうわけです。

過活動膀胱の中には、我慢しようとすると、時にもしくは毎回、尿が漏れてしまうタイプの人もいます。それを

『切迫性尿失禁』

と呼びます。

一度でも『尿意を我慢して尿漏れしたことがある』人は、それが怖くて、ますますトイレに頻回に行くようになってしまう、という悪循環になりやすいです。

膀胱ボツリヌス毒素注射が適応になる患者さん

通常、このような過活動膀胱の人には、尿意を抑えるためのお薬が処方されますので、

それで効果があれば一件落着

ちゃんちゃん

めでたしめでたし、です。

でも、世の中そんなに甘くない。

薬では効果がないひとも残念ながらいらっしゃるわけです。

また、薬で効果はあるんだけれど、薬のアレルギーや副作用、それ以外の持病のために薬が飲めない、という人もいらっしゃいます。

そういった人たちに、尿漏れパッドと、着替えを持ってトイレを探す、以外の方法ができたんです。

そう!

膀胱ボツリヌス毒素注射!

なんです。

膀胱ボツリヌス毒素注射が不適応となる患者さん

でも、すべてのトイレが近い漏れちゃうって人がボツリヌス毒素注射の適応になるわけではありません

以下に不適切な人の代表的な状態を書きます。

例えば、

以前に他の治療でボツリヌス毒素を使用していて薬にアレルギーがある

尿意があってトイレに行くけれど、尿を足した後にもわりと多い量の尿が膀胱の中に残ってしまっていて、それを自分では出すことができない人

その他、心臓や肝臓など 状態が悪く生活するのもやっとの状態の人

妊娠中の人

などです。

これらの状態の中には、患者さんが自分で状態を把握したり理解したりしているものもあれば

病院にいって初めて判明することもあります。

ご自身の状態が果たして膀胱ボツリヌス毒素注射に適切かどうかは、

泌尿器科の担当医の先生に確認をしてみてくださいね。

女性医療クリニックLUNA心斎橋での膀胱ボツリヌス毒素注射

LUNA心斎橋では日帰り手術で膀胱ボツリヌス毒素注射が可能です。

是非お問合せください。

次回は、実際に受診してから手術までの流れについてご説明します。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の監修者
二宮 典子

医師。泌尿器科専門医・指導医、漢方専門医、性機能専門医。
2015年から女性医療に特化したクリニックの院長として泌尿器科・婦人科・性機能に関する専門的診療に従事。医療者向けの講演会や一般向けのYouTubeなど幅広い活動を行う。2021年にNINOMIYA LADIES CLINICを開院し、院長就任。自院では、医療者にしかできない誠実で安全な美容を提供するべく、アートメイク・女性器治療などにも注力する。