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スタッフブログ

2020.05.16

心斎橋院

祝!膀胱ボツリヌス毒素注射、施術件数 日本一

みなさんおはようございます。

女性医療クリニックLUNA心斎橋 院長の二宮典子です。

新型コロナウィルス蔓延防止の自主規制も、今週・来週から徐々に緩和されてくる様相ですが、まだまだ心配なのに変わりはないですよね。

とはいえ、LUNA心斎橋は毎日元気に診療を行っております。LUNA心斎橋では2020年3月から保険診療による膀胱ボツリヌス毒素注射の治療を開始しました。その翌月、4月からは手技も保険収載になり、ますます認知がすすんでおります。そして5月16日現在、膀胱ボツリヌス毒素注射手術の件数なんと10件!

これ、現在日本で1番の件数だそうです!

治療は、患者さんへの効果がちゃんとあってこそなので、手術件数が多いというだけで喜んではいけないのですが。いつも頑張ってくれているスタッフの励みにもなります。通院してくださる患者さん、ご家族さん、ご紹介いただく病院の先生方、みなさま本当にいつもありがとうございます。

でも、うちみたいに普通の開業医が日本で1番、手術の件数をやって、なんで大きい病院では行っていないのか?

気になっていました。

膀胱ボツリヌス毒素注射 大きな病院では施術がしにくい?

先日、総合病院で勤務をされている先生とお話をしている中でこんなことをおっしゃっていました

「膀胱ボツリヌス毒素注射をしたいけれど、コロナの対策とかで、なかなか入院・手術の予定が進まないんだよね」

確かに。

総合病院では外来・入院・手術・退院・その後の通院などで、泌尿器科・婦人科以外の内科、その他の一般患者さんと接触する機会が多いです。

感染防止対策をしているとは言え、過活動膀胱、失禁といったQOL疾患の手術は後回しにすることが多くなるようです。(QOL疾患とは、命に関わらないけれど、症状が生活の質を落としてしまうような病気のことを指します)

技術的には可能でも、管理面・感染コントロールといった面から、大きな病院では、膀胱ボツリヌス毒素注射をやりにくい状態なのですね。納得です。

LUNA心斎橋での膀胱ボツリヌス毒素注射 患者さんの声

LUNA心斎橋は3月、4月、5月もかわらず膀胱内ボツリヌス毒素注射の施術を行っています。患者さんたちから、施術をうけたあとの感想をいただきました。今回のブログはそれを共有させていただきますので、施術を検討されているみなさんのご参考になればいいなと思います。

2020年3月の症例① 70代女性 過活動膀胱による尿失禁

5年前から通院をさせてもらっています。過活動膀胱の薬をのんでも、トイレに行きたくなったら漏れてしまうので、今回、保険でできるという話を聞き、注射の治療をお願いしました。

「やります」といったものの、とても緊張して、前の日は眠れませんでした。手術室でもずっと緊張していて、看護婦さんに「普段より血圧も高いですね」と言われました。

膀胱の注射をやっているのは、覚えていません。起きたら終わっていたので、とても楽でした。終わった後に帰っていいよ、と言ってもらってとてもホッとしました。

手術が終わった後は、尿は漏れなくなりました。でも、オシッコを出したいのに、うまく出せない感じがあってとても困っていました。

その次の診察で、先生にトイレに行きたくなったときの尿の出し方を指導してもらいました。知らないうちに自分に変な癖がついていることがわかって驚きました。それからは、トイレに行きたくなっても気持ちも焦らなくなりました。ちょっとずつ、今の膀胱の感じに慣れてきたように思います。

オシッコの薬はもうのんでいませんが、快適です。

~院長よりコメント~

○○さん、ありがとうございました。膀胱ボツリヌス毒素注射は70代以上になると、手術の後に尿が出しにくく感じる方が多いように思います。でも、ちゃんと尿はでているので安心してください。

腹圧をかけて、トイレにはいるとすぐにオシッコをしていた人は、注射をする前とした後の時間差に悩むことがあります。排尿行動はもともと副交感神経なので、リラックスしたほうが良いんですよ!ゆっくり時間がかかってもよいので、なるべく力まないようにしましょうね。

2020年3月の症例② 50代女性 過活動膀胱による尿失禁

3年前からこちらでお世話になっています。他の病院から紹介してもらって通院するようになりました。オシッコの薬をのんで、すこし改善したように思いましたが、トイレに行きたくなったらすぐに漏れてしまうのが辛かったです。夜もおねしょをしていました。

ボツリヌス毒素注射の話を聞いたときは、注射と聞いて怖かったけれど、説明もわかったし、日帰りでできると言うのでお願いしました。

やってよかったです。

普段、急に襲ってくる、トイレに行きたいという感覚はとても弱くなりました。

起きている時に漏れることはなくなりましたが、寝ている時はまだ漏れることがあります。

薬の量も減ったし、満足しています。

~院長よりコメント~

○○さん、ありがとうございました。前医院の先生よりご紹介いただいたときは、まだまだ切迫感も強くかなり不自由な状態でしたが、生活に対する注意もしっかりできるようになったので、ずいぶん排尿の状態は改善していたように思います。

とはいえ、我慢しようと思っても漏れてしまうというものは、ご本人の努力だけではうまくいかないこともありますので、今回の膀胱ボツリヌス毒素注射をうけていただき、効果を実感いただけてとても嬉しく思います。

治療効果は永久ではありませんが、膀胱が「お休み」することで、過活動状態がどんどん進行しないことも期待されると思います。また寒くなって悪化しそうであれば注射をふくめた治療計画を立てていきましょう。今後ともよろしくお願いします。

2020年3月の症例③ 40代女性 過活動膀胱による尿失禁

小さいころからトイレが近くて、LUNAさんに来る前は、色々な病院でたくさんの薬をもらっていました。最近は、骨盤底筋のトレーニングなどもできるようになって、前よりも薬は減りました。

それでもに1日中、トイレに行きたい感じがするのと、漏れがでるので、先生に薦められて治療を行いました。ボツリヌス毒素注射の治療は以前から興味はありましたが、金額のこともあってなかなか治療ができずにいました。

手術の時のことはほとんど覚えていません。点滴をしている間、寝ていたので、気が付いたら終わっていました。

手術の後は、特にしんどいこともなかったです。トイレのほうは、思うようには良くなっていないです。また以前の薬を飲んでいます。もっとよくなりたいです。

~院長よりコメント~

○○さん、ありがとうございました。思うような効果が得られずすみません。排尿の感じ方は千差万別です。おひとりおひとり感じ方が異なるというところに、頻尿・失禁治療の難しさがあります。今回の注射を行った効果は、膀胱が排尿でつかう筋肉に対するものですが、それ以外の原因による尿意が強い場合は、効果を十分に感じていただけないこともあります

また、幼少期からの尿意のトラブルということで、なかなか新しい身体の感覚に馴染めない側面も、効果が不十分ということに関係しているかもしれません。

しかし諦めずに、薬や行動療法、骨盤底筋のトレーニング、ボツリヌス毒素注射の治療などを組み合わせて治療を継続していきましょう。排尿の不快感がある場合、不快感がでやすい状況や不快に感じる身体の場所を細かく考えて、感じることで治療がうまくいくこともあります。これからも頑張っていきましょう。

2020年3月の症例④ 40代女性 過活動膀胱による尿失禁

以前、膀胱ボツリヌス毒素注射の治験でもお世話になりましたので、特に緊張はありませんでした。

治験の時の点滴は寝ることができなかったですが、今回の治療では眠ることができたので、とても快適でした。

やった後もすぐに帰宅できましたし、3日くらいするといつも1時間くらいで尿意があったのが、2時間以上は間隔があくようになって、漏れもなくなって快適です。

効果には限りがあると言われているので、調子が悪くなったら、またお願いしようと思っています。

~院長よりコメント~

○○さん、ありがとうございました。治験の時も大変お世話になりました。治験の時は手術で使用する薬に制限があるので、ご迷惑をお掛けしましたが、今は患者さんにあう薬が選べるので、より快適になったと思います。

また調子が悪くなったら膀胱ボツリヌス毒素注射も含め、治療継続していきましょう。こちらこそよろしくお願いします。

本日のまとめ

頻尿、尿漏れは生活の質を落とします。もちろんすぐに死んだりはしませんが、つねに尿意にさいなまれているのも、つらいと思います。

今年4月に膀胱ボツリヌス毒素注射の施術が保険でできるようになり、当院の患者さんにはどんどんご紹介しています。膀胱ボツリヌス毒素注射を自費で行っていた頃のノウハウももちつつ、保険で治療できるので、患者さんの満足度もとても高いようです。

次回はひきつづき、先月の4月に治療を行った4名の患者さんのコメントを共有させていただきますね。

女性医療クリニックLUNA心斎橋は、過活動膀胱に対する膀胱ボツリヌス毒素注射を始め、日帰り手術を行うことができます。

注射の適応については担当医が判断させていただきますので、気になる方は一度是非受診してみてください。3割負担の方で手術の費用が約5万円です。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の監修者
二宮 典子

医師。泌尿器科専門医・指導医、漢方専門医、性機能専門医。
2015年から女性医療に特化したクリニックの院長として泌尿器科・婦人科・性機能に関する専門的診療に従事。医療者向けの講演会や一般向けのYouTubeなど幅広い活動を行う。2021年にNINOMIYA LADIES CLINICを開院し、院長就任。自院では、医療者にしかできない誠実で安全な美容を提供するべく、アートメイク・女性器治療などにも注力する。