みなさん こんにちは。女性医療クリニックLUNA心斎橋 院長の二宮典子です。
LUNA心斎橋はセックスに関するトラブルの患者さんがとても多いクリニックです。
LUNA心斎橋でよくあるセックストラブル
例えば
- ・セックスする機会があり避妊を確実にしたい ➡ https://ninomiya-lc.jp/notice/5633.html
- ・セックスしたいけど痛くてできない
- ・セックスの時の尿漏れが気になる
- ・セックスするときに避妊に失敗した
- ・セックスした後、コンドームが見当たらない
- ・セックスの後にオリモノが変わった
- ・セックスの後にお腹が痛い、出血する
- ・セックスの後にデリケートゾーンが切れた
- ・セックスのたびに膀胱炎になるのが怖い
など、皆さん色々なお悩みで受診されます。
心斎橋という場所のせい?もちろんそれもあるでしょう。とはいえ、セックスにまつわるトラブルを訴える患者さんが多いと思う理由は、リピーターさんとその紹介(口コミ)です。
以前に他の悩みで当院を受診した後、その患者さんがセックストラブルで悩んだときにLUNA心斎橋を思い出して受診をしてくださる。
または、お友達や職場の人が、LUNA心斎橋の患者さんで、その人が紹介してくださる。
LUNA心斎橋を受診した患者さんのブログをみて、遠方からわざわざ来て下さる…などなど。
『女性の流行りは口コミから』というのはよく聞いていましたが、特にセックスにまつわるよもやま話が、クリニックで医者とちゃんと相談できるという口コミはどうやら絶大なようです。
そこで、LUNA心斎橋はブログでもセックス・性機能に関する情報をこれからちょこちょこ出していこうと思います。近々、YouTubeでも性機能関連の発信をしようかと思っていますので、悩める子羊ちゃんは参考にしてくださいね。
ようやく本題。本日は性交痛について
性交痛とは
『性交痛』、性交時の痛みのために行為ができない、または行為の継続に障害がある、ということですね。
性交とは、この場合は『男性器』である陰茎(ペニス)を『女性器』である腟に挿入し、擦り合わせる行為のことを指しています。
セックス全体でみれば、性器の挿入以外にも段階があります。『性交痛』の女子たちは「セックスにおける全てのことが出来ない」、というわけではありません。乳首や陰核(クリトリス)などへの性的な刺激に対しては、特に問題ないことが多いです。
性的接触全般が受け入れがたい状態は『性嫌悪症』や『知覚異常』など、他の疾患要素が強くなるかと思います。
『性交痛』女子たちは、「性的な接触が嫌いなわけではないけれど、いざ挿入となると痛くてできない」、となって受診するのです。
もちろんセックスは一人で行うものではありませんので、それまでの性交経験・その日の体調や、パートナーとの相性など、人によってもそれぞれ感じ方が違うことがあります。とはいえ、耐え難いくらいに性交時に痛みがあって何カ月も続くときは、本人のセックスのトラブルと考えてよいでしょう。
実は、LUNA心斎橋にはこの手の相談はとても多いです。この1年ほど(2019年4月から2020年3月まで)ざっくり患者さんをカウントしましたが、性交痛だけを理由に受診した新しい患者さんは60人以上でした。ひと月あたり5人。つまり毎週1人以上は新しい性交痛女子がLUNA心斎橋を受診しているということになります。
『性交痛』診断・治療の問題点とは
問題点① 『セックス』というプライベートな話題
性交痛の診断・治療は色々問題点を抱えています。
まず一つ目は、性交痛は『セックス』という非常にプライベートな問題であること。
例えば、アタマが痛いのが1週間続けば、なかなか治らない『頭痛』として病院に行くでしょう。そして、そのことは家族や友人・職場の人に相談したりして、何が原因か、どういった病院を受診すればいいか、色々と情報を共有することもできますよね。
でも、セックスが痛いといって短期間で病院を受診する人は多くいません。公衆の場では性的な話題を避けるという世間的な縛りが、患者さんを苦しめています。そのため、個人差の範疇と考えて一人で抱え込み、何年も痛みを我慢したり、パートナーとのセックスを避けることで、問題に目を向けないようにしたりする人が多いのです。
例え、親しい誰かに相談したとしても、我慢したら慣れる、などと無責任な言葉で片付けられることも多くあります。
「性的な快感を求めるのは はしたない女性」や「初めてのセックスは痛くて当然」というような観念が性交痛女子を自己責任であると苦しめてしまうのです。
問題点② 一般の病院やクリニックでは診断できない
性交痛女子を悩ませることは、他にもあります。
わたくし、二宮が臨床医として肌感覚で思う性交痛の女子はとっても多いですが、LUNA心斎橋を受診する性交痛女子のほとんどが口をそろえてこう言います。
「ほかの病院で診てもらったけど、異常はないと言われました」
でも、LUNA心斎橋で診察を行うと、彼女たちのほとんどが、問題ありありです。治すべきところが存在するのです。
では、前の病院の医者はヤブ医者なのか?いいえ、おそらくそんなことはありません。診察をするときにはきちんと必要な検査をして、異常がないという診断をしてくれている、ちゃんとした専門医のはずです。
実は、『性交痛』の診断に必要な検査や治療は、医学部で修学する内容ではありません。さらに専門的である産科婦人科や泌尿器科の専門医の試験においても、『性交痛』に関する知識はほとんど学ぶことがありません。
理由は、『性交痛』を始め、女性が『セックス』の時にどういったことが問題になるか、医者がわかっていないから。教科書がないから。教えてくれる先輩医師がいないから。きちんと解明されていないから。
ということで、たとえ医者に『異常なし』と診断されても仕方ないのです。『性交痛』女子に異常がないと言った医師たちは、『過去に認められて、既に認知された疾患』についての必要な検査をきちんと行って、異常がなかったから大丈夫だよ、と伝えてくれただけなのです。一方で『性交痛』という状態についての知識はないので、どんな検査が必要で、彼女たちの何が問題なのか知らないのです。
問題点③ 医療保険でできる治療がほぼない
次は、治療の問題です。
医師が病気を認識していない理由のひとつでもあります。「性交痛」の治療は保険で治療できることがほとんどないのです。
全くないわけではありません。性交痛の原因の中で、更年期以降の女性に起こる腟・外陰粘膜の萎縮が原因となっている場合は、腟に入れる坐薬の薬が効果的なこともあります。
でも大半の女性(特に性交経験がほとんどなく痛みでセックスできない女性たち)には、使用できません。だって腟にモノが入れれないんだから。
そのため、LUNA心斎橋では、性交痛治療に有効と思われる治療を自費治療として患者さんに提示して、治療を行っています。
性交痛 本日のまとめ
いかがですか?
コロナ感染予防のため、外出自粛をすると『おこもりデート』なども増えていると思います。そのせいでしょうか?緊急避妊やセックストラブルの患者さんの受診が増えているように思います。
代表的なセックストラブルと言える『性交痛』ですが、
①セックスというプライベートな問題のため、受診する側も問題と捉えにくい。世間の概念も治療に否定的な感じがあることが否めない
②せっかく医療機関を受診しても、普通の診察では『性交痛』の問題解決になるような診断や治療がされないことがある
③『性交痛』治療は保険治療では限界がある
上記3つのような問題もあり、日本での診断・治療にはまだまだ障害が多いというのが現実です。
LUNA心斎橋では、日本全国の悩める性交痛女子に答えを出すべく、日々真面目に診療を行っています。
受診しにくい悩みと思わず、何か不安なことや気になることがあれば、きちんと医療機関を受診するようにしましょう。
他の病院やクリニックでできないのに、なぜLUNA心斎橋で治療ができるのか、その治療が有効となぜ言えるのか、という疑問もあると思いますが、そのあたりは治療方法も含めてまた今度~。
最後までお読みいただきありがとうございました。
*LUNA心斎橋での性交痛の診療は自費診療です*
- 初診 5,500円(税込)
- 再診 2,750円(税込)
- 初診時、検査が必要な場合は別途費用がかかります。
- 初診当日のご負担金(診察料+検査料+薬剤料など)は合計15,000~20,000円程度となることが多いです。
- 再診時は、診察料に治療に必要な費用が必要ですが、治療は患者さんごとに個別対応となりますので、担当医より各治療と費用についての説明がございます。
医師。泌尿器科専門医・指導医、漢方専門医、性機能専門医。
2015年から女性医療に特化したクリニックの院長として泌尿器科・婦人科・性機能に関する専門的診療に従事。医療者向けの講演会や一般向けのYouTubeなど幅広い活動を行う。2021年にNINOMIYA LADIES CLINICを開院し、院長就任。自院では、医療者にしかできない誠実で安全な美容を提供するべく、アートメイク・女性器治療などにも注力する。