みなさん、こんにちは。女性医療クリニックLUNA心斎橋 院長の二宮典子です。
8月1日の土曜日にサンケイリビングさん主催で「女性ホルモン」についてのウェブセミナーをさせていただきました。前回までのブログで、女子たちがどういったことに困っているのか、それぞれのお悩みに対する説明をさせていただきましたがそれももう第8弾を迎えました。
前回までの復習
ゆらぎ世代の女子の悩みは
- 1位 疲労
- 2位 美容
- 3位 月経関連
- 4位 更年期
- 5位 ダイエット
前回までのブログで、第1位から第4位までの疲労、美容、月経関連のトラブル、さらに更年期についてまとめをさせていただきました。詳しくは過去のブログをご覧ください。本日はいよいよラスト第5位のダイエットについて、ざっくりざくざくまとめてみたいと思います。
ダイエットとは
ダイエットは失敗するもの
女性なら一度はダイエットにチャレンジしたことがあるのではないでしょうか?実際にダイエットとして行動をしなくても、自分の身体のパーツをもっとこうしたいと考える女性は多いはずです。
女性の興味がダイエットであることを裏付ける証拠に、女性誌やTVなどでは毎年毎年、「こうやったら痩せる」とか「このスーパーフードを食べれば良い」とか、飽きもせずにまぁ、どんどん新しい情報がでてきます。
しかし、現実は甘くない。毎年違った情報がでているということは、裏を返せば「全ての人が絶対成功するダイエットがない」ということでもあります。
なので、もしこれを読んでいる人の中で、ダイエットに挫折したことがある人がいても落ち込まないでください。
世の中の大半の人はダイエットに失敗していますから!
では、なんでダイエットがうまくいかないのでしょうか??
みんなの「ダイエット」観
- では、突然ですが、質問です。
- 「あなたにとってダイエットって何ですか?その目的は?」
簡単でしょ。痩せれば良い。足がもっと細くなれば良い。
- では、さらに突っ込んでいきましょう。
- 「あなたの始めたダイエット、ゴールはどこですか?どうすれば成功ですか?」
うーん、痩せているのをキープできれば…、この服が入れば…。
- ではでは、これはどうですか?
- 「ダイエットをしたいと思ったきっかけは?その目的は?」
もちろん、健康のため。いや、美しくなるため。いや、かっこいいから。いや、昔より太ってしまって…だから、この服さえ入れば…。
みなさん、色々だと思いますが、ダイエットを開始するにあたり、確固たる信念や目標、将来の計画をたてて望んでいる人はとても少ないと思います。
なんとなく漠然と。みんながやっているし、痩せている方が良いっていうし、太ってきたから初めてみた。でも、しんどいし、もういいかって思ってやめた、そしたらリバウンドした、という感じで挫折・失敗してしまっている人が多いように思います。
ダイエットについて「普通」に考えてみる
では、ダイエットという言葉はいったん横において、一生をかけて何かやりたいことがあるときに自分がどうするか考えてみましょう。
例えば。将来続けていこうと思うような大事な仕事をするとき、計画性や持続的な情熱がないまま始めるってどう思いますか?多分うまくいかないですよね。
ではこれはどうでしょう?マイホーム立てるのに、全部、他人任せの人なんていませんよね?少なくとも自分の希望や、生活のスタイルを考えますよね?立地、予算、工期とかちゃんとわかってからやりますよね。
では、ダイエットに話を戻しましょう。あなたの大事な身体を管理し続けることですよね。自分の身体をちゃんと知りもせずに、流行っているものを取り入れて、がむしゃらに真似する?そりゃ最初から、何もやっていないのと同じですよね。単なる思い出作りですね。
多くの流行のダイエットが失敗に終わるのは、自分ではちゃんとやっているつもりでも、しょせん真似事。スタートの時点で成功というレールに乗っていないことにあるのではないでしょうか?
パーソナルトレーナーをつけたダイエットの場合は、専門家がちゃんとレールに乗せてくれます。そのため一時的に成功したように見えるけど、自分では深く考えていなかったから、自分ひとりになったら舵取りができなくなって、最終的に失敗してしまう、ということが多いような気がします。
ということで、多くの人が「ダイエット」に失敗して挫折してしまう理由は、「ダイエット」という言葉があまりに日常に馴染みすぎているせいで、その行動や目的や期間について、深く考えていなかっただけだと私は思っています。
ダイエットの目的
では、本来ダイエットって何なんでしょうか?先ほどもでてきましたが、体重を落とすとか痩せるとか、そういった意味でダイエットをとらている人がほとんどだと思いますが、本当にそのダイエット意味ありますか?
美しさのためのダイエット
「美しさ」は女性にとって武器であり、希少で価値あるものですよね。どのような人を美しいと思うかは、その時代の人気の女優さんなどをみれば明らかです。現代の日本では、顔は小さく、目はぱっちり、口はほどよくふっくらして口角があがって、鼻は遠慮がちだけどすっと鼻筋が通って…。スタイルは、手足がすらっと細長く、胸はあるけどウエストは引き締まっている‥。
書いているだけで、自分との乖離に悲しくなりますね(´;ω;`)ウゥゥ
なので、美しくなるためにダイエットにいそしむ女子がいますが、これは問題があります。
ご存じの方も多いと思いますが、世の「美しさ」の基準は、歴史や文化とともに変化します。平安時代は「おかめのお面」のような人を美人としていました。本気ですよ。今では考えられません。
現在でも、アフリカでは日本の標準体重からすると、肥満に属するような女性が美しいとされています。これも地域や文化の違いです。そういった国では、美しくなるためにダイエットで痩せたいと思う女性はいないでしょう。
では、他でもない、あなたが一番「美しい」状態ってどういう状態ですか?あなたのための「美しさ」をもう一度考えてみてください。
健康のためのダイエット
健康のためにダイエットをするのだという人も多くいます。
では、あなたの健康って何ですか?健康を維持するというのはとっても大切なことですが、標準体重だから健康ではありません。ましてや、痩せているから健康でもありません。
みんな、それぞれ骨格が違います、筋肉の付き方も違えば、代謝の良さも、腸内環境も。人の個性は数えればキリがありませんが、その個性に加えて、さらに周囲の環境変化や年齢変化が加わります。
だから、全ての人が絶対健康である体重の出し方なんて存在しないんです。標準体重を基準にしたダイエットは危険は少ないものの、絶対的な正解ではないことに注意が必要です。標準体重よりちょっと痩せている方が調子よい人もいて良い。ちょっとふっくらしているほうがよく動ける人がいても良いんです。
あなたが一番調子が良いと思える状態ってどういう状態ですか?
「美」は変わり、「健康」も変わる
さて、ここまで読んでいただき、「美しさ」「健康」のためのダイエットと思っていても、自分にとってベストの状態ってよくわからない、と思った人が大半ではないかと思います。
そう、そんなもんなんですよ。
女性の場合の美しさなんて、流行すたりですし、年齢によっても変わります。特に現代は多様性をどんどん認めていますので、自分が自分らしくいれるほうが美しいと考える人が増えています。自分が認める美しさの基準はどんどん年齢に応じて変化していって良いんです。
健康でさえ、不変ではありません。若いころは、全てのことが生き生きして、何でもできるし、体力もしっかり。健康なんて考えなくても手に入っていましたよね。でも30代、40代、50代、1年1年と重ねる度に、若い頃には感じなかった身体の重さや、体力の低下を感じるようになります。大きな病気をして、自分の身体はもっと健康だったはず、と悲しくなってしまうんです。
そんな状態なのに、若い頃の健康と年齢を重ねた健康が同一であるはずありません。そう。「健康」も不変なもののようにみえて、あなたという「個体」に関していえば、常に変化していくものなのです。
おススメのダイエット
ということで、ダイエットがなかなか続かない原因や思考過程の問題点を二宮なりに考察させていただきましたが、そうはいっても健康的に痩せたいし、実際どうしたら良いか聞きたい!ですよね?
はい。万人に絶対ではない、今の私のおススメを分かり易く書きます。
ダイエットと食事
- ・パン・パスタを食べない
- ・ジュースは飲まない
- ・清涼飲料水は飲まない
- ・お酒はほどほどに
- ・果物もほどほどに
- ・小麦を食べないようにする
- ・1日に1回は空腹の状態を作る(お腹がぐーーとなるのを目安にする)
- ・1日3食を基本にするが、お腹が減っていなければ食事は食べなくてもよい
- ・たくさん食べた次の食事は抜いてもいい
- ・時間がなくて早食いになるなら食べない
ダイエットと運動
- ・歩くときの注意:5か条
- その1・歩くときは顔を上げる
- その2・なるべく大股(へそから足を動かすイメージ)
- その3・けり上げる足まで意識
- その4・下腹部が伸びているのを意識
- その5・肩は下げて首を長く
- ・ウォーキングは基本だが、運動として捉えない(歩くのは普通)
- ・階段は1段とばし
- ・自分にあった筋トレすべし
- ・身体を動かす趣味をもつべし
ダイエットと休息
- ・休日でもだらだら寝ない
- ・寝る前1時間はスマホやパソコンを触らない
- ・12時までに寝る
- ・1時間以上スマホやPCで作業したあとは、首や肩を中心にストレッチ
- ・入浴はシャワーだけで済まさず、湯舟につかる
そして日常へ
以上のことを、当たり前に継続できるようにしてください。
すると、最初はダイエットとして始めたことでも、いつかは自分の習慣になり、やることが当たり前になるのです。続けていくことが大事です。
極端に太ったり痩せたりすることはなくなると思います。
あくまでも二宮が現在実践していることですが、万人によいというわけではありません。ご自分でアレンジをしてみて、一番よい体調と体型を維持できるようにしてみてください。
ダイエットまとめ
いかがでしたか?あなたのダイエットに何か役立つ情報はありましたか?
私は医者という立場から、ダイエットということを考えるので、みなさんが意図するダイエットとはまたちょっと違う感じだったかもしれません。ダイエットは「即時的」でも「一時的」でもありません。健康と美しさと自分らしさを手に入れるには、毎日それなりの努力が必要ということがわかっていただければ良いです。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。
医師。泌尿器科専門医・指導医、漢方専門医、性機能専門医。
2015年から女性医療に特化したクリニックの院長として泌尿器科・婦人科・性機能に関する専門的診療に従事。医療者向けの講演会や一般向けのYouTubeなど幅広い活動を行う。2021年にNINOMIYA LADIES CLINICを開院し、院長就任。自院では、医療者にしかできない誠実で安全な美容を提供するべく、アートメイク・女性器治療などにも注力する。