二宮レディースクリニック 院長の二宮典子です。
本日はモナリザタッチの裏技のお話し💓
ブログの更新がやや遅くなっていますが、そこはご愛敬。
二宮レディースクリニック 院長の二宮典子です。
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さてさて、本日はモナリザタッチの第4弾。
何についてかというと、モナリザタッチ裏技(笑)!
実は、モナリザタッチって、年齢変化に伴う腟の不快感以外でもとっても有効な処置なんです。
ということで本日はそれをご紹介します。
一般的にモナリザタッチが有効と言われる人とは
モナリザタッチがよいと言われる人を復習しましょう。
モナリザタッチって、外陰部・腟のレーザー治療のことです。
レーザーと一言でいっても色々種類がありますが、二宮レディースクリニックで使用しているレーザーはCO2フラクショナルレーザーとエレビウムヤグレーザーです。
モナリザタッチはCO2フラクショナルレーザーという技術です。
レーザーを照射すると、皮膚や粘膜の表面に細かい間隔で小さな穴が開きます。
人間が持っている傷を修復する力を利用して、年齢によって萎縮した腟粘膜を改善させるという治療です。
そのため、モナリザタッチは以下のようなひとに有効と言われています。
・腟の乾燥が気になる
・年齢を重ねて、性交痛がでてきた
・ちょっとした尿漏れがある
女性は35歳をすぎると、エストロゲン(女性ホルモン)の分泌が徐々に減少します。そのため腟粘膜がペラペラになってこういった症状が生じることが考えられます。
そこで、モナリザタッチを行うことで腟・外陰粘膜を改善させた結果、これらの症状を改善することが期待できる、というわけです。
ふむふむ。
こういう人はやってみても良いかも
実はそれ以外の症状にも良かったという経験があります。
大きく2つの症状で有効です。
1つめは皮膚症状、2つめは粘膜症状。それぞれご紹介していきますね。
こんな皮膚症状にはモナリザタッチがオススメ
皮膚症状ってどういうこと?と思いますよね。
包皮や陰唇周辺の皮膚が痒くていつも掻いてしまっている人はいませんか?
そんなあなたは、自分が痒いと感じている皮膚を観察してみてください。
おそらく掻いてしまう強さが強いほど、また長期間痒みを感じている人ほど、痒くなる皮膚が白っぽく、周囲の皮膚と比べると分厚く硬くなっていると思います。
直接見ることができなくても、指で触るとごわごわしているなら、そのようになっている可能性が高いです。
このような状態は【慢性湿疹】とよばれ、ごわついている状態を【苔癬化(たいせんか)】と言います。
この苔癬化してしまった皮膚は本当に治すのが大変。
一般的な治療方法として、ステロイドとよばれる外用薬を塗ります。徐々にステロイドの強さを弱くしていき、最終的には保湿剤などのケアだけで大丈夫というところに持っていくのですが、この過程が大変なんです。
あと、掻いたらだめなのに、寝ている時などに無意識で掻いていることも。
それでも、強いステロイドを使用すると一瞬は痒みが改善するので、治っていないのにも関わらず、本人は薬で治ったって思ってしまっているんですよね。
皮膚の新陳代謝は最低1か月必要です。最低1か月の間、薬を一切使用せずに痒みがなければ治っています。でも、一時的に痒みがひいていても、皮膚のゴワツキが残っている場合は、またすぐに痒さが再燃します。
そのような状態になっている場合に、実は、モナリザタッチが良いんです。
本来、モナリザタッチは粘膜に照射する技術をさしたものですが、もともとはニキビ跡などを治療するために用いられていました。そのため皮膚に使用してもなんの問題もありません。苔癬化を起こし痒くなっている皮膚に照射をすることで症状が改善した患者さんが何人もいらっしゃいます。
自費診療になりますが、皮膚のかゆみがいつまでたっても改善しないという方は、是非一度試してみてはいかがでしょうか?
こんな粘膜症状にはモナリザタッチがオススメ
え?粘膜症状っていつものあれでしょ。と思ったあなた。
いつものあれ、とは、女性ホルモンの分泌低下で年齢とともに粘膜がやせ衰えることで感じる粘膜の不快感のことですよね。
モナリザタッチで症状が改善する可能性のある状態は、実はそれだけではないんです。
では、どういうものか。
実は、さきほどの皮膚の痒いにも関連することなんです。
皮膚の痒みがでたとき、病院ではかゆみ止め(ヒスタミンという成分を押さえる薬)の塗り薬が処方されることもありますが、実はステロイドという抗炎症成分の塗り薬が処方されることがとっても多いのです。
なぜって?それは、痒みによーーーく効くから。そして安いから。
つまりステロイドの外用薬って薬としてはとっても優秀なんです。
でも、優秀であっても、使い方を間違えるととっても危ない。その危ない副作用のひとつが、ステロイドを使用しすぎると粘膜の菲薄化が生じるということです。
菲薄化(ひはくか)って難しく聞こえるかもしれません。必要以上に薄くなっている状態ということです。
薄くなっても困らないと思ったあなた。それは大きな間違いです。
粘膜は、皮膚と同じように体と外との境界の役目をしています。そのため必要以上に薄くなってしまうと、外からの刺激に対してバリア機能が低下したり、傷をつけられやすくなったり、感染症にかかりやすくなったり、と様々な弊害がでてきます。
ステロイドの長期使用が皮膚を菲薄化させるということは、医者はもちろん知っています。そのため、患者さんにステロイドを必要量を超えてまで使用を許可することはありません。きちんと薬の強さや使用期間・使用範囲などを指導して、患者さんが安全に薬を使えているかチェックしています。
しかし、現実はそうも甘くないのです。デリケートゾーンの痒みについては、患者さんが他の皮膚の痒みなどで処方された薬などを自己判断で勝手に使用してしまっていることが多いからです。デリケートゾーンの痒みは相談しにくいことや、検査が恥ずかしい、受診が面倒といったことが理由のようです。
でもそうなってしまうと、私たち医者は患者さんがどういう状態で薬を始めて、どうなっているのか、まったくノータッチ。結果、誰も状態を把握していないまま、症状だけが悪化してしまうということが生じます。
ステロイド使用による粘膜炎症の症状とは
では、ステロイドの間違った使用方法で粘膜が薄くなってしまった患者さんはどのような症状になるのでしょうか?
実は、ステロイドによる皮膚炎の症状は、『痒み』です。しかも、強い痒み、不快感なのです。
痒みだけだと、女性ホルモンの欠乏による粘膜変化とよく似ていますよね。しかしホルモン欠乏の人よりも若い人でも生じます。それから、今まで効果のあったステロイドでも、一度悪化してしまうと、ステロイドを塗るとさらに不快感が強くなるのも特徴です。場合によっては他の感染症を併発しており、オリモノや汁が増えたり、臭いが強くなることもあります。
ステロイドによる粘膜炎の治療提案
このような患者さんの治療はいったい何をしてあげればよいか。一番の痒みの治療であるステロイドが使えないのです。保湿剤でしっかり保護することも大切なのですが、症状が重症の人は、それでも痒い痒い。掻いたら悪化するとわかっていても、無意識に掻いて、また悪化させるといったことを繰り返してしまうのです。
ここで登場するのが、そう、モナリザタッチなんです。モナリザタッチをすることで、ステロイドで薄く弱くなってしまった粘膜が改善した患者さんも多く経験しました。
なぜ、ステロイドで悪化している皮膚にレーザーが効果があるのか。すべてのメカニズムまでは解明されていませんが、ひとつの理由としては、ステロイドや慢性的な炎症で皮膚などの正常な細胞分裂のサイクルがくるってしまったのを、一度リセットして立て直しているようです。表面の悪い細胞を焼灼して焼き飛ばしてくれているのも、正常な細胞の状態にすることを助けているかもしれませんね。
でもいつもの通り、注意もありますよ。モナリザタッチはもちろん万能ではありません。当たり前ですね。
なので、期待を込めてモナリザタッチを絶対にする!と患者さんが決めていても、粘膜にばい菌やカビなどの感染症がある場合や、癌が疑われる場合は、施術ができません。必ず担当医が安全に行えるという診断をした後での施術となります。
そして、1回の治療だけで、皮膚・粘膜症状が完全に治癒するということでもありません。1回の治療で経過がよいと判断されれば、1ヶ月に1回程度を目安に数回(まずは3回、その後改めて再評価して継続するか決定)行う必要があります。
ということで、長くなりましたが、もしあなたの皮膚の痒みが既存の治療でうまくいかない、行き詰って困っているという人はモナリザタッチを検討してみてはいかがでしょうか?
モナリザタッチの意外な適応 まとめ
モナリザタッチというと、セックスや排尿トラブルだけに注目されがちですが、それ以外につかえる疾患もあるんですよ。とっても優秀。治療後の皮膚・粘膜も水々しくプリプリッとした感じになるし、傷が治れば施術したことも全くわからないので、私は大好きな処置です。
でも、何度も言いますが、モナリザタッチはあくまでも医療行為。
担当医が症状・疾患に対し適応があると判断した時に限られます。担当医としっかり相談の上、施術を行うことになります。
そして、治療は保険がきかないので、自由診療になります。クリニックごとに値段も異なりますので、お値段のチェックも忘れずに。
二宮レディースクリニックでのモナリザタッチ、くわしくはこちらをご覧ください。
では、本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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医師。泌尿器科専門医・指導医、漢方専門医、性機能専門医。
2015年から女性医療に特化したクリニックの院長として泌尿器科・婦人科・性機能に関する専門的診療に従事。医療者向けの講演会や一般向けのYouTubeなど幅広い活動を行う。2021年にNINOMIYA LADIES CLINICを開院し、院長就任。自院では、医療者にしかできない誠実で安全な美容を提供するべく、アートメイク・女性器治療などにも注力する。