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スタッフブログ

2020.02.28

心斎橋院

モナリザタッチのこと⑮ 困った症例の話 その5

みなさん、 おはようございます。

二宮レディースクリニック 院長の二宮典子です。

モナリザタッチだけではうまくいかない可能性のある症例について

寸劇スタイル 第5弾!

困った症例というのは笑いあり、驚きあり

みなさまと共有していこうと思います。

このようなスタイルでブログを書き進めることの意義として、

困った症例の振り返りが、今後モナリザタッチを施術されるドクターやこれから施術を考えていらっしゃる患者さんの安全管理に重要と思い、私が院長を務めていた「LUNA心斎橋」で経験したことについて脚色を交えながらお話しますね。

実際の事例を参考にしたあくまでも医療フィクションとしてお楽しみください

!(^^)!

モナリザタッチの困った症例 その5

50歳 L子さんの話

L子さんは50歳のキャリアウーマン。

独身で一人暮らしをしていましたが、3年前に父親が心筋梗塞で倒れ、母親だけではケアが大変だろうと昨年から同居を始めました。

仕事は好きです。かつては当時の恋人と結婚を考えた時期もありましたが、その頃は大きなプロジェクトを任され、気持ちの余裕もなくそのままに…。

忙しい毎日を過ごしているうちにあっという間に50歳。現在も9歳年下の恋人M君と仲良くやっていますが、仕事が忙しいことに変わりはなく、しっくりかみ合っている感じとはいきません。

家でも、家族特有のギスギスがあったりして…。

仕事も 家庭も 恋人も それなり。

特に不満はないけれど、なんとなく日々が過ぎていくという毎日を過ごしていました。

恋人とのお別れ

ある日の午後、L子さんがひとりで街を歩いていると知っている顔を見かけました。

L子さんの彼氏、M君が自分よりも若いきれいな女性と仲良く腕組みをして歩いているではありませんか。

「はぁ?なんなん!」

恋人の浮気現場を見てしまったL子さん。

その場の怒りをなんとか沈め、平静を装うのに必死でした。

その日の夜、M君との電話。

今日、M君が若い女子とのデートしている現場を目撃したことを告げると

『ごめん、L子さん。別れたいねん。。』

それはそれは、あっけない終わりなのでした。

L子さんの後悔

M君からはっきりとお別れを告げられ、L子さんに後悔の念が押し寄せました。

『大きな喧嘩をした、というわけではなかったけれど

デートのときも、疲れているから‥と

セックスを断ったりしていたな』

『若い子に乗り換えたくなるのも仕方ないのかな…』

思い返してみればM君とのセックスをしたのは1年前くらいでしょうか?

完全なレス状態だったのです。

もともとセックスが得意なほうではなかったL子さんですが

意識しないと どんどん疎遠になっていることさえ気が付かない自分を反省しました。

『仕方ない、私には仕事も待ってる。

くよくよせずに前を向いて頑張らないと』

腟ケアが必要か否か

L子さんの友人N美さんにM君と別れたことを報告します。

N美さんには

若い子と付き合ってたのに、セックス断ったら

そりゃ浮気されるでしょーー(笑)!

と逆に怒られてしまいました。

『そうなんだ・・。反省するよ。

でも、私 あんまりそういうの得意じゃないんだよね』

『なに? L子セックス気持ちよくないの?』

『うーん、まぁ はっきり言うと 痛いんだよね。』

そうなのです。

L子さんは性交痛がある女子だったのです。

N美さんはそんなL子さんに同情してか、こんなことを教えてくれました。

『実は、私この前ね「モナリザタッチ」っていうのをやったんだ。』

N美さんが言うには

「モナリザタッチ」は腟の若返りができて、セックスの痛みなども解消してくれるのだそう。

痛みを感じているL子さんにはちょうど良いのでしょうか。

それより、N美さんも腟のケアをやっていたなんてびっくりです。

みんな 人には言わないけれどちゃんと 腟ケアしているんだなぁ。

モナリザタッチの効果を知りたい

L子さんはN美さんがモナリザタッチをやったというOクリニックを受診しました。

Oクリニックの先生は優しく、

モナリザタッチをする前にL子さんに婦人科の検査を行い、

がんの異常はないこと、子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科疾患やクラミジアなどの性感染症がないことを説明してくれました。

検査結果を聞き、モナリザタッチの予約をとって帰ったL子さんですが、L子さんはO先生が検査の時言った一言が気になっていました。

O先生は

『腟はきれいだし、 セックスで痛みがでそうにない ように見えますけど。』

それって、モナリザタッチを受けてもいいもの?

LUNA心斎橋へ受診

L子さんはその言葉がひっかかったので、別の病院にも相談することにしました。

スマホで検索して、女性医療クリニックLUNA心斎橋というところを見つけました。ホームページをみると、ここは泌尿器科・婦人科・性交痛も相談できるとあります。優しそうな女医さんが笑っている写真につられて予約をしてみることにしました。

『モナリザタッチで治るのか相談してみよう。』

LINEで予約をとって受診すると、大阪弁の女医さんが対応してくれました。

『なんか、ホームページの写真の人と印象が違うけど…。

 まぁ いっか。』

L子さんは自分の経過を話します。

今はそんなに普段困っているわけではないけど、昔から性交痛があったこと。それが原因で恋人とお別れしたことも何度かあること…。

女医さんの反応は

『…。』

見てみぃひんかったらなんとも言われへんから、内診いきましょう!

痛いのはどこ?

さっそく内診台で検査です。

女医さんはL子さんのお腹から触っていきました。

『はい、おなか、さわりますよーー力抜いてー』

おなかから順々に触られるのですが、ところどころ痛みが強い

そんなに強く押さないで‥。

『ここ、オエってなる?』 はい、オエってします

『ここは?』『ここは?』 痛いです、痛いです。

お腹をくまなく押され

痛い? 痛くない?

が続きます。

L子さんはろっ骨の下あたりが一番いやな感じがしました。

お腹に続いて、そのままデリケートゾーンの診察が始まります。

デリケートゾーンの診察では、女医さんはさらに綿密に細かく触っていきます。

でもここはさっきより痛くないかも…。

でも 腟の中に指を入れられて、ぐっと押された瞬間でした。

痛い!!

飛び上がるような痛みに自分でもびっくりしました。

『あー、やっぱり骨盤底筋かぁ。

その後、腟の奥を上下左右ぐるっと押され、激痛が

ビリっ ビリっ とあります。

『よくわからないと思うから、一緒にみて』

と言ったかと思うと 女医さんは

サーーーーっと

仕切っていたカーテンを開けてしまいました。

なに!

やだ!恥ずかしい!

『はい、鏡みてー

説明しまーす

へ? 説明ね…。

ここが大陰唇と小陰唇。

 大陰唇も小陰唇も問題ありません。きれいです。痛くないよね?

たしかに、全然大丈夫。

『次、ここは前庭部・腟口・クリトリスなんだけど全部きれいです。問題なし。ここも痛くないはずです。どう?

はい、全然大丈夫です。

『問題は奥です!』

そういって、腟の中に指を入れた女医さんは 再度 あの痛みの感じる部分をぐっと押さえました。

痛い!

『ここは骨盤底を支えている筋肉があるところで、腟の穴・おしりの穴・背骨・足の骨なんかと繋がってるねん。

『L子さんの場合は、そこの筋肉がずーーーーっと緊張しまくっている状態やねんけど。どうやらそれが性交痛の原因みたいですよ。』

私の見解だけで言うなら、モナリザタッチ、やっても良いけど、粘膜きれいだし、まだ必要ないかな。』

ちゃららーーーん

L子さんの病名とは

はい、寸劇にお付き合いいただきありがとうございます。

ということで

今回 病名をつけるのは難しいのですが

例えば

病名

 慢性骨盤痛症候群  

まんせい こつばんつう しょうこうぐん

とか呼ばれることがあります。

慢性骨盤痛症候群は、それだけでは特に原因を特定していないのですが、L子さんの場合は、骨盤底筋の過緊張による筋・筋膜性疼痛が原因の性交痛でした。

英語では

hypertonic  pelvic floor muscle dysfunction

と呼ばれることもあります。

骨盤底筋に過度な緊張状態が継続しているときの特徴として

難治性の性交痛・頻尿・排便痛・腰痛 

見た目には異常がない

触診(内診)すると、骨盤底に固い棒のような筋を触れることがある

ということが挙げられます。

このような場合は、モナリザタッチをやっても良いと思いますが、これだけでは治りません。

しかも、過緊張状態の骨盤底筋になるには何か理由があることが多いのですが、

私の患者さんで一番多いのは、ずばり過去のつらい経験です。骨盤底に痛みのエピソードがあって、かつ、その時期にとても嫌なことがあった、、、

ということが多いです。

例えば、

  • とても痛みの強い膀胱炎になって、その時にたまたま愛犬が死ぬのが重なった、とか
  • 大腸カメラの検査で、周囲に人がいっぱいいて、しかもとても痛かった、とか
  • 初めてのセックスがとても痛くて、その彼とすぐにひどい別れ方をした、とか

嘘みたいな本当の話です。

慢性疼痛の原因は、ここでは多くは書けませんが、身体の症状と心理状態がリンクして悪化している患者さんをよく経験します。

身体は治ろうとしている、または治っている、のに、もともとの健康な状態の身体になるのを心が覚えていないので、身体がうまく反応ができない

というのが私なりの解釈です。痛みの専門の先生が聞いたら怒るかもしれませんが、原因がはっきりしない痛みを治療するのは、痛いと感じた当時をしっかり思い出してもらうのが治療の一番の早道だったりします。

ブログという情報源のため、症例の写真を提示ができないのが残念ですが、今後どのようにみなさんに見せていけるか考えます。

え? 自分では判断できないって

諦めないで!

できれば1か月に1回くらい

お風呂上りに鏡で自分の性器にご挨拶してみてください。

何か変かもと思えば、かかりつけの婦人科・女性泌尿器科の先生に質問にいったらいいんです!

何もなければラッキー!

何かあったら治療!

二宮レディースクリニックのモナリザタッチ

二宮レディースクリニックのモナリザタッチは

院長 二宮が患者様お一人お一人の診察・適応を判断し

責任をもって施術をさせていただきます。

二宮レディースクリニックのモナリザタッチご料金

1回 55,000円(税込)

3回セット 143,000円(税込)

外陰のみ 1回 33,000円(税込)

(3回セットは4週間ごとの施術が効果的です。)

最後までお読みいただきありがとうございました。

次回は 困った症例その6 についてです。

この記事の監修者
二宮 典子

医師。泌尿器科専門医・指導医、漢方専門医、性機能専門医。
2015年から女性医療に特化したクリニックの院長として泌尿器科・婦人科・性機能に関する専門的診療に従事。医療者向けの講演会や一般向けのYouTubeなど幅広い活動を行う。2021年にNINOMIYA LADIES CLINICを開院し、院長就任。自院では、医療者にしかできない誠実で安全な美容を提供するべく、アートメイク・女性器治療などにも注力する。