ACTIVITY
課外活動

2026.04.20

講演

「浪速区医師会学術総会」にて二宮医師が講演しました

2026年2月28日に開催された「浪速区医師会学術総会」にて、二宮医師が講演いたしました。

講演テーマ:
漢方が処方したくなる60分〜風邪には葛根湯、以外の処方も使ってみよう〜

講演要旨:
風邪に漢方といえば葛根湯。おそらく処方したことのない先生はいないだろう。しかし、風邪のすべてに葛根湯が最適というわけではない。
ひきはじめ(表)→ こじらせ(半表半裏)→ 寝込む(裏)と段階的に進行すると考え、どの時期にいるかによって処方を選択する。
ひきはじめ(表)の処方選択で最初に確認するのは、汗をかいているかどうかである。まだ汗をかいておらず、症状が強く出ている場合には麻黄湯を選ぶ。麻黄湯は葛根湯よりも麻黄の配合量が多く、強力に発汗を促してインフルエンザ様の高熱や強い関節痛にも対応できる処方である。一方、すでに汗をかいている場合には桂枝湯を選ぶ。桂枝湯は実は葛根湯のベースとなる処方で、麻黄を含まないため、体に負担をかけずに穏やかに調和させる働きがある。葛根湯はこの桂枝湯に麻黄と葛根を加えたものであり、ちょうど麻黄湯と桂枝湯の中間に位置する処方と理解するとわかりやすい。症状がおとなしく麻黄を避けたいが、まだ汗をかいていない場合には参蘇飲を選ぶ。参蘇飲は高齢者・妊婦・虚弱体質に使いやすく、妊娠の可能性がある女性にも安心して処方できる実用的な一剤である。
こじらせの時期(半表半裏)には柴胡剤の出番となる。胃腸症状が主で微熱や軽い寒気が残っていれば柴胡桂枝湯、肋骨の下あたりが張ってつかえる感じがあったり、熱が出たり引いたりを繰り返すようであれば小柴胡湯を選ぶ。
そして回復期。咳が残って痰が切れにくいときには麦門冬湯が適する。ひきはじめからでも、こじらせた後からでも、咳だけが長引く場面は日常診療でよく遭遇する。また、夏場の咽頭痛が主体の感冒には銀翹散が有効である(銀翹散は保険適用外)。
葛根湯は素晴らしい処方だが、それだけではもったいない。明日の外来から、漢方の引き出しを一つ増やしてみませんか。

講演して:
Web参加・現地参加合わせて約80名にご聴講いただき、大変多くの方にお集まりいただきました。
参加者の皆さんの反応から、感冒治療に関する情報へのニーズの高さを改めて実感した機会となりました。

この課外活動の参加医師
二宮 典子

医師。泌尿器科専門医・指導医、漢方専門医、性機能専門医。
2015年から女性医療に特化したクリニックの院長として泌尿器科・婦人科・性機能に関する専門的診療に従事。医療者向けの講演会や一般向けのYouTubeなど幅広い活動を行う。2021年にNINOMIYA LADIES CLINICを開院し、院長就任。自院では、医療者にしかできない誠実で安全な美容を提供するべく、アートメイク・女性器治療などにも注力する。