パートナーがいて妊娠の可能性があると、ちょっとした体調の変化に期待を抱いたり、不安を感じたりします。
特に生理予定日が近づくと「妊娠しているのでは?」と、気持ちが落ち着かない方も少なくないでしょう。
妊娠による体調の変化は、いつ頃から現れるものなのでしょうか。
今回は、妊娠初期に現れる体の変化について解説します。
妊婦さんに多い症状や初期に注意すべき行動、PMSとの違いについてもご紹介しますので、妊娠の可能性がある方はぜひご一読ください。
妊娠しているかも…と不安になる方もいるかと思います。
妊娠初期症状のチェックリストなどを紹介しているので、是非参考にしてください。
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妊娠初期症状はいつから?
体調に変化を感じているものの、原因が妊娠にあるのか判断できないという方もいるでしょう。
妊娠初期には、体にどのような変化が現れるのでしょうか。また、どのタイミングで現れるのでしょうか。詳しく解説します。
妊娠初期症状とは
一般的に妊娠初期(妊娠16週未満)に現れる体調の変化を「妊娠初期症状」といいます。
妊娠15週頃になると検診を受けている方がほとんどですので、妊娠しているか判断できないというケースは稀です。
妊娠しているか否かわからない状態で症状が現れるのは、一般的に妊娠4~6週頃です。
妊娠週数は最終月経日を0日として数え始めるため、次の生理予定日から2週間程度が対象となります。
妊娠初期症状が現れるタイミング
妊娠初期症状は性行為後、約1~2週間経った頃から現れ始めるといわれています。
生理が始まってから約2週間後に起こる「排卵日」に性行為を行うと、受精する確率が高まります。
受精卵が1週間という時間をかけて子宮に着床すると妊娠が成立するため、この頃から体に変化が現れる可能性が高いです。
月経前症候群(PMS)とは、生理が始まる数日前から現れる身体的・精神的な不快症状のことを指します。
主な症状には、腹痛や胸の張り、眠気、イライラ、情緒不安定などがあります。PMSの症状は妊娠初期の症状と似ているため、妊娠の兆候と区別がつきにくいことがあります。
PMSの症状がなかなか治まらないという方は、医療機関を受診してください。
妊娠初期症状のチェックリスト
妊娠が成立すると、女性の体には様々な変化が現れます。
最近体調がおかしい、普段と違うという方は、チェックリストを使って妊娠していないか確認してみましょう。
①予定日を過ぎても生理が来ない
子宮内膜に受精卵が着床して妊娠が成立すると、生理が止まります。
予定日を1週間過ぎても生理が来ない場合は、妊娠の可能性があるといえます。
毎月決まったタイミングで規則的に生理が来る方であれば、生理の遅れによって妊娠に気付くこともあるでしょう。
しかし、ストレス過多であったり、生活習慣が乱れていたりすると、生理周期が乱れて妊娠に気付けないことがあるので注意してください。
②少量の出血が起こった
生理予定日の前であっても、妊娠が成立すると少量の出血が起こることがあります。
受精卵が子宮内膜に着床した際に起こる、「着床出血」が原因として考えられます。
出血の量は生理よりも少なく、期間も1~3日程度で治まるでしょう。
わかりやすいサインではありますが、実際に着床出血が起こる確率は妊婦さん全体の25%に満たないといわれています。
生理と同等、またはそれを上回るほどの出血が起こった場合は、子宮内で何らかの異常が起こっている可能性があるので、早急に医療機関へご相談ください。
③基礎体温が高い・微熱が続く
基礎体温とは、朝起きた直後、体を動かす前の安静状態で測る体温のことです。
女性の場合、月経周期によって体温が変化し、排卵後には体温が高くなる「高温期」に入ります。
通常、生理が始まると基礎体温が下がりますが、生理が来ずに37度に近い微熱(普段より0.3〜0.5度程度、体温が高い状態)が続いている場合は、妊娠の可能性があります。
熱っぽさや火照りがあるという方は、体温を測ってチェックしてみてください。
④胸の張り・痛みがある
初期の段階であっても、妊娠が成立した時点で母乳を出すための準備が始まります。
乳腺組織の発達が促され、胸が張っているように感じたり、痛みや違和感を覚えたりするでしょう。
初期に起こりやすい症状で、妊娠が進むと緩和されます。
胸の張りや痛みが気になる場合は、締め付けのきつい下着の着用は避けて、胸を優しくサポートしてくれるような下着を着用してください。
⑤腹部に痛み・違和感がある
生理中にはお腹や下腹部に痛みや違和感を覚えることがありますが、妊娠した場合も同様です。
赤ちゃんに栄養を与えるために、子宮や周辺の組織が充血して張った状態になり、人によっては痛みを感じることがあるのです。
また、子宮が収縮を繰り返して広がろうとすることで、痛みが現れることもあります。
1日だけで治まる方もいれば、断続的に続く方もいるでしょう。
我慢できないほどの強い痛みがある、出血が起こっているという場合は、何らかの問題が発生している可能性があるので、早急に医療機関を受診してください。
⑥おりものの色や量が変化した
おりものにも妊娠の兆候が現れます。
妊娠すると、おりものが以下のように変化するといわれています。
- 量が増える
- サラサラと水っぽくなる
- 酸っぱいにおいが強くなる
- 白色やクリーム色になる
- 着床出血によって部分的に血が混ざっている
個人差がありますが、上記にあてはまると妊娠の可能性が高いといえます。
おりものは健康のバロメーターなので、普段から色や量に注目しておきましょう。
⑦頻尿・便秘・下痢になった
女性ホルモン(プロゲステロン)の影響で、妊娠初期には膀胱周りの筋肉が緩み、トイレが近くなることがあります。
一時的に頻尿のような状態になりますが、水分摂取やトイレに行くことを我慢すると、膀胱炎を発症するリスクが高まるので注意してください。
また、ホルモンバランスの変化によって、腸の動きが鈍くなったり、過敏になったりして、便秘や下痢になることもあります。
便秘や下痢が頻繁に起こると体に負担がかかるので、症状がなかなか治まらない場合は医療機関を受診してください。
⑧眠気・倦怠感がある
女性ホルモン(プロゲステロン)の影響によって、頻尿や便秘・下痢だけでなく、強い眠気や倦怠感が起こることもあります。
胎児の成長を支えるために、エネルギー消費を抑えようとする力が働くことで、強い眠気や倦怠感が起こるのです。
十分に睡眠を取っても眠気を感じるというのは、妊娠初期によくみられる症状です。
風邪の症状と似ていますが、咳や喉の痛みがない場合は妊娠を疑いましょう。
⑨胃に痛みや違和感がある
妊娠初期には、消化器系のトラブルも起こりやすいという特徴があります。
女性ホルモン(プロゲステロン)には、着床をサポートするために子宮収縮を抑える働きがありますが、子宮だけでなく消化器系の筋肉にまで影響を及ぼすため、胃腸の働きが弱まってしまうのです。
胃もたれや吐き気、げっぷが増えたり、人によっては胃に痛みや違和感を覚えたりすることもあるでしょう。
妊娠の可能性がある場合は胃腸薬の使用は避けて、まずは医療機関へ相談してください。
➉めまい・立ちくらみが増えた
妊娠によってホルモンバランスが変化すると、血管が収縮して血圧が低下し、めまいや立ちくらみといった症状を引き起こします。
また、妊娠初期には体内で鉄分や栄養素の供給が不足する傾向にあり、貧血や起立性低血圧が起こりやすいという特徴もあります。
めまいや立ちくらみが起こった場合は、無理をせずにすぐに座るか、横になって休みましょう。
転倒するとケガを負うだけでなく流産に繋がることもあるので、安静に過ごすことが大切です。
⑪体のむくみが気になる
妊娠を維持するために、初期には血液の量が増加したり、体内で水分を溜め込んだりします。
ふくらはぎを指で押すと、へこんだ状態でなかなか元に戻らないという場合は、むくみが起こっている証拠です。
軽度のむくみであれば問題はありませんが、浮腫みがひどい、頭痛がするという場合には「妊婦高血圧症候群」の恐れがあるので、医療機関を受診してください。
⑫食欲旺盛・食欲不振
女性ホルモン(プロゲステロン)の働きによって胃腸の働きが抑制されると、消化不良を起こしたり、食欲不振になったりします。
また、反対に食欲が旺盛になったり、特定の食べ物だけ無性に食べたくなったりすることもあるでしょう。
これらはつわりの一種だと考えられていて、妊娠初期から中期まで続くケースもあります。
食欲不振のときには、無理をせずに少しずつゆっくりと水分や栄養を補給するように心がけましょう。
食欲が旺盛なときには、好きなだけ食べてしまうと体重が増加してしまうので、散歩をしたり音楽を聴いたりして、食べ物に意識が向かないようにすることが大切です。
妊娠初期症状と月経前症候群(PMS)の違い
腹痛や胸の張り、眠気など、妊娠初期症状と月経前症候群(PMS)の症状はよく似ているため、見分けることは簡単ではありません。
しかし、以下の2点で判断できる可能性があります。
- おりもの
- 体温
妊娠している場合は、おりものがクリーム状になり、量が増える傾向にあります。
一方、通常の生理前は、おりものが白っぽく粘り気があり、量もそれほど多くありません。
また、妊娠している場合、生理予定日を過ぎても体温は高温を保ちますが、通常は生理予定日が近付くと体温が下がるという特徴があります。
上記の症状だけで妊娠しているか否かを完全に見分けることは難しいので、妊娠の可能性があるという方は、産婦人科を受診してください。
妊娠の確認方法
チェックリストを使用しても、妊娠しているか否かの正確な判断はできません。
妊娠を確認するには、どのような方法を取れば良いのでしょうか。2つの方法をご紹介します。
妊娠検査薬を使用する
身近な方法で妊娠しているか否かを確認できるのが、市販の「妊娠検査薬」を使用した方法です。
多くのメーカーが生理予定日の1週間後に使用することを推奨しているので、生理予定日を過ぎても生理が来なければ、1週間を待って検査を行いましょう。
性行為を行った日から換算すると、約3週間後が目安となります。
生理予定日から1週間を待たずに検査をすると、「フライング検査」といって、正確な結果が得られません。
フライング検査でも陽性が出ることがありますが、正確な結果を知るためにも、メーカーが推奨するタイミングで検査を行ってください。
産婦人科を受診する
生理予定日から1週間を待ち、妊娠検査薬で陽性が出たら、さらに1週間待ってから産婦人科を受診しましょう。
病院では超音波(エコー)検査によって、「胎嚢(たいのう)」が確認できます。
タイミングが早過ぎると、胎嚢が小さ過ぎて超音波で確認できないので、生理予定日から2週間経ってから受診してください。
性行為を行った日から換算すると、約4週間後が目安となります。
この頃には妊娠6週になるので、妊娠の可能性がある方は早急に産婦人科を受診しましょう。
妊娠初期の注意点
体がデリケートな状態にある妊娠初期には、普段の何気ない行動が問題に繋がる可能性があります。
妊娠初期には、以下の行動を控えるように心がけましょう。
性行為を控える
性行為を行うと、子宮が刺激を受けてお腹が張ってしまうことがあります。
また、腟内が傷付いて出血が起こったり、感染症を引き起こしたりする可能性もあるので、妊娠初期には性行為を控えましょう。
母体や赤ちゃんの安全を守るためにも、パートナーときちんと話し合っておくことが大切です。
飲酒を控える
少量の飲酒でも赤ちゃんに悪影響を与える可能性があり、特に胎児性アルコール症候群が心配です。
脳の障害による多動学習障害が起こるケースがあるので、妊娠中の飲酒は避けましょう。
お母さんが摂取したものは胎盤を通して赤ちゃんに届くということを意識して、健康的な食事を心がけてください。
喫煙を控える
妊娠中に喫煙を行うと、流産や早産、低体重児出産になる可能性があります。
タバコの煙には血管を収縮させる作用があるため、血流が悪くなり、お腹の赤ちゃんに必要な酸素や栄養素が行き届かなくなることが原因です。
お母さんが喫煙を控えることはもちろんですが、受動喫煙が起こらないように、一緒に暮らす家族にも喫煙を控えるように協力を求めましょう。
カフェインを控える
はっきりとした原因はわかっていませんが、コーヒーや紅茶、緑茶に含まれるカフェインは、流産や早産、低体重児出産のリスクが上がることが様々な論文で報告されています。
1杯程度のコーヒーを飲んだからといって、急に赤ちゃんに危険が及ぶようなことはありませんが、カフェインは嗜好性も高く、やめられない方も多いため、妊娠中は思い切って中止しても良いかもしれません。
また一方では、カフェインを過剰摂取する環境にも注目すべきで、カフェインだけが赤ちゃんへの悪影響の原因ではないという意見もあるため、今後の医学的な報告に注意していく必要があります。
激しい運動を控える
妊娠中に行う運動は、流産が起こるリスクと関連するという可能性が示唆されてきましたが、最近の論文データでは、妊娠中の運動と流産との発生に関連性は認められなかったとの報告があります。
むしろ運動習慣を中止してしまうことによって、体重管理が難しくなったり、妊娠高血圧になったりするリスクが上昇する可能性もあります。
お腹を長時間圧迫したり、叩いたりするような運動はいけませんが、妊娠しているからといって運動自体を怖がる必要はありません。
快適で健康的な妊娠生活を送れるように、しっかりと体を動かしましょう。
薬の服用を控える
普段服用している薬や、市販されている薬の中には、妊娠中に服用すると赤ちゃんに悪い影響を及ぼすものも存在します。
妊娠の可能性がある場合は、薬は服用しないように注意しましょう。
薬を服用したい、もしくは持病があって薬の服用が必要だという方は、かかりつけの医師に妊娠の可能性があると告げた上で薬を処方してもらってください。
妊娠の可能性に気付いた方は医療法人心鹿会へご相談ください
体調に変化が現れた際に、妊娠の可能性があると不安を感じるものです。
妊娠を希望していたとしても、経験したことのない体の変化に戸惑う方も少なくありません。
妊娠の可能性があるという方は、医療法人心鹿会へご相談ください。
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