
加齢や出産など、女性の腟がゆるんでしまう理由には様々な原因が考えられます。
尿漏れの症状が気になる、お風呂に浸かると腟にお湯が入るという方は、気付かないうちにゆるみが生じているのかもしれません。
今回は、女性の腟がゆるいと感じる原因や、ゆるみを放置するリスクについて解説します。
セルフチェック方法や改善方法もご紹介しますので、デリケートゾーンに関するお悩みを抱えているという方は、ぜひ参考にしてください。

腟がゆるいとは
腟のゆるみとは、腟壁の弾力性が低下したり、骨盤底筋群が弱くなったりすることで起こる状態です。
主な症状として、腟の締まり感の低下、尿漏れ、(入浴後の腟からの)湯漏れ、性交時の満足度低下などが挙げられます。
ただし、個人差が大きく、「正常な状態」の基準は人それぞれ異なります。
腟がゆるむ原因
女性の腟がゆるいと感じる場合は、どのような原因が考えられるのでしょうか。
まずは、腟にゆるみが生じてしまう主な原因をいくつかご紹介します。
①加齢
年齢を重ねると全身の筋力が低下しますが、腟を引き締める働きを持つ「骨盤底筋」も例外ではありません。
骨盤底筋の働きが弱まることで強度と弾力が失われ、腟がゆるみやすくなります。
特に閉経後には、エストロゲン(女性ホルモン)の分泌量が急激に低下し、腟の萎縮も起こるため、ゆるみが生じやすくなるでしょう。
若い頃はふかふかだった柔らかいクッションが、加齢によって薄く硬くなるとイメージするとわかりやすいはずです。
②妊娠・出産
女性の腟は、妊娠・出産を経験するとゆるみやすくなる傾向にあります。
妊娠中は長期間にわたって骨盤底筋に負担がかかっています。
さらに、自然分娩で赤ちゃんを出産すると、強い力がかかって腟壁や骨盤底筋を構成している粘膜・筋肉・靱帯などが引き伸ばされるため、ゆるみが生じやすくなるのです。
個人差があるため、出産を経験しても腟のゆるみが気にならないという方もいますが、出産前と比較すると、大半の方がゆるみや違和感を自覚する傾向にあります。
ゆるみが生じたとしても、時間が経てばある程度回復する上に、適切なケアを行うことでさらなる改善が期待できます。
出産から時間が経ってもなかなか回復しないという方は、医療機関へご相談ください。
③姿勢
座っているときの姿勢によって、腟にゆるみが生じることもあります。
足を組んだり、猫背になったりと、バランスの悪い姿勢を取り続けると、骨盤底筋の働きが弱まって腟がゆるむ原因となります。
座る際には、背筋を伸ばして両膝をくっつける、正しい姿勢をキープするように心がけましょう。
座っているとき以外にも、不適切な靴を頻繁に履くと、骨盤が不自然な位置に置かれて筋力のバランスが崩れる可能性があります。
特に女性の場合に多く見られるのは頻繁に高いヒールを履くことです。
不適切な靴の使用は避けて、足に合った歩きやすい靴を選択してください。
④運動不足
腕や脚の筋肉と同様に、腟を支える骨盤底筋もまた、使わなければ衰えてしまいます。
運動をする習慣がない方や、長時間座ったまま、または立ったまま仕事をしている方は、腟がゆるみやすいといえるでしょう。
運動不足やバランスの悪い姿勢は、骨盤内の血流を低下させる原因にもなります。
全身運動やストレッチを行って、習慣的に体を動かすように心がけましょう。
⑤肥満・痩せ
腟のゆるみを引き起こす原因には、肥満も挙げられます。
下腹部に脂肪がつくと腹圧が上がりやすくなり、骨盤底筋の負担が大きくなります。
負荷がかかって筋肉の働きが低下してしまうだけでなく、腟がゆるんだりする原因にもなるので、体重がオーバーしてしまわないように注意しましょう。
また、逆にダイエットなどで適正体重よりも痩せていても、腟にゆるみが生じます。
減量する際に筋力が低下し、腟や外陰部の脂肪が少なくなってしまうことが原因です。
バランスの良い食事や適度な運動を心がけて、適正体重を維持するよう心がけましょう。
⑥便秘・頻尿
肥満と同様に、腹圧が上がると骨盤底筋に負担がかかり、腟がゆるむ原因となります。
便秘や頻尿といった問題を抱えている方が、出し切るためにいきむということを繰り返していると、骨盤底筋がダメージを受けてしまいます。
便秘に悩んでいるという方は、無理にいきむのではなく、食物繊維を摂取したり、水分を摂取したりして、自然に排便が起こるように工夫しましょう。
頻尿の症状に悩んでいるという方は、医療機関を受診して根本的な改善を目指してください。
⑦間違ったフェムゾーンケア
腟がゆるいと感じる場合は、筋肉ばかりが理由ではなく、外陰や腟の粘膜が薄くなっていることも原因として考えられます。
加齢によって粘膜が薄くなる傾向にありますが、若い女性であっても、間違ったフェムゾーンケア(デリケートゾーンケア)によって粘膜が薄くなっている可能性があります。
「外陰部を触ったときにしっとりした感じが少ない」、「すぐに乾いてしまう」、「鏡で見たときに粘膜が赤っぽい色をしている」などの特徴を持つ方は、外陰や腟の粘膜が薄くなっているといえるでしょう。
改善を目指したいという方は、医療機関へご相談ください。
腟のゆるみを放置するリスク

腟がゆるいと感じているものの、痛みや出血のような深刻な症状が現れていない場合は、見過ごしてしまう方も少なくありません。
腟のゆるみは、放置しても良いものなのでしょうか。
放置することで起こり得る問題をいくつかご紹介します。
①尿漏れや頻尿につながる
腟を支える骨盤底筋は、尿道や膀胱を支える働きも持ちます。
腟がゆるくなるということは、尿道や膀胱を支える機能が弱まっている可能性が高いといえるでしょう。
ゆるみを放置してしまうと、笑ったときや咳をしたときなど、瞬間的にお腹に力がかかった際に尿漏れが起こる「ストレス尿失禁」の症状が現れる可能性があります。
日常生活に支障をきたすだけでなく、精神的にも苦痛を感じることになるので、腟のゆるみは放置せずに改善を目指しましょう。
②性交時の満足度が低下する
性交時の満足度が低下するというのも、腟のゆるみを放置するリスクの一つに挙げられます。
腟のゆるみが進むと、自分自身はもちろん、パートナーへの刺激も弱くなってしまい、性交時に十分な満足感が得られません。
また、パートナーシップに問題が生じたり、女性のメンタルにも影響を及ぼしたりして、気分の落ち込みやうつ症状が現れることもあります。
性交時の満足度の低下は女性側だけの問題だとは限りませんが、腟のゆるみが気になる場合は、自力で改善を目指すだけでなく医療機関も頼りましょう。
③お風呂のお湯が入る
腟のゆるみを放置すると、湯船に浸かった際にお湯が入りやすくなります。
お風呂から上がった後に腟からお湯が漏れ出るようになると、衣服が濡れてしまう可能性があります。
湯船に浸かった後に漏れがあること自体は深刻な健康被害はありません。
しかし、温泉や公衆浴場の使用を遠慮したり、湯漏れに備えて着替えを余分にもっていく必要があったりする、など生活に支障を感じる人もいます。
入浴した際にお湯が入りやすいという方は改善を目指しましょう。
④腟から空気が漏れやすくなる
お湯と同様に、腟にゆるみが生じると、空気も入りやすくなってしまいます。
性行為を行ったときや運動をしたときなど、体を動かした際に空気が漏れ出て「腟ナラ(ちなら)」と呼ばれるオナラに似た音が鳴ってしまうことがあります。
空気が漏れること自体は問題ではありませんが、人前で音が鳴ると羞恥心が湧いて、精神的なストレスを抱えてしまうことがあるでしょう。
日常生活に支障をきたしてしまうので、腟から出る音が気になるという方は、原因を突き止めて適切な方法で対処することが大切です。
⑤骨盤臓器脱(性器脱)が起こる
腟にゆるみが生じているということは、骨盤底筋の働きが弱まっていることを指します。
このままの状態を放置していると、子宮や膀胱、直腸などの臓器が本来の位置より下にずれてしまい、腟からはみ出てしまうことがあるでしょう。
「骨盤臓器脱(性器脱)」と呼ばれる現象で、40〜50代の女性に多く、加齢や出産、運動不足など、様々な要因が引き金となって起こります。
腟のゆるみが気になるという方は、骨盤底筋の働きが弱まっていると危機感を持つことが大切です。
腟のゆるみのセルフチェック方法
目に見えない現象であるため、実際にどの程度ゆるみが生じているのかわからないという方もいるでしょう。
腟のゆるみが気になる方は、人差し指と中指を腟に挿入して、45度程度に広げてみてください。
腟を引き締めて、圧力で指を閉じられるようであれば問題ないといえます。
圧力をかけても指が開いたままの状態であれば、ゆるんでいるといえるでしょう。
他にも、以下にあてはまる方は注意が必要です。
- お風呂から上がると腟からお湯が出てくる
- 体を動かした際に腟からオナラのような音が鳴る
- 笑ったり、咳をしたりした際に尿漏れが起こる
- 排尿中、意識的に尿を止めることができない

腟のゆるみの改善方法

性交時の満足感が低下するというだけでなく、尿漏れや頻尿、骨盤臓器脱のようなトラブルにつながる可能性があります。腟のゆるみには、どのような方法で対策を行えば良いのでしょうか。すぐに実施できる改善方法をいくつかご紹介します。
腟トレーニングを行う
自力で腟のゆるみを解消したい場合は、「腟トレーニング」が有効です。
意識的に排尿中に止めてみたり、肛門をキュッと引き締めたりして、腟を引き締める筋力を向上させましょう。
継続的にトレーニングを行うことで、少しずつゆるみの改善が期待できます。
腟圧をさらにアップさせたいという方は、以下の運動も試してみてください。
- 仰向けの姿勢で膝を曲げ、両足を肩幅と同程度に開く
- お尻をキュッと締めて骨盤底筋に力を入れる
- 5~10秒程度、力を入れた状態を維持し、その後ゆっくりと力を抜く
- 上記の運動を10回程度続けて行う
女性医療クリニックを受診する
自力での改善が難しい、腟のゆるみをすぐにでも改善したいという方は、女性医療クリニックを受診しましょう。
クリニックでは、レーザー機器を用いて治療を行います。
レーザーを腟の粘膜に照射することでコラーゲンの生成を促進し、引き締めるという仕組みです。
腟のゆるみを改善する効果が期待できるレーザー機器は、以下の通りです。
- モナリザタッチ(粘膜の痩せや乾燥によるゆるみ感)
- インティマレーザー(粘膜の余剰や筋肉の衰えによるゆるみ感)
- ウルトラフェミー360(粘膜の余剰や筋肉の衰えによるゆるみ感)
レーザー機器を使用すると、ゆるみや乾燥などの問題を改善できますが、何度も治療を受けると腟が固くなり過ぎるという報告もあります。これは多くの場合、医療機関ではない場所での不適切なHIFU(高密度焦点式超音波)の治療によって生じているという報告が多く挙がっています。
むやみに治療を行うのではなく、患者様の状態に合わせて適切に治療を行っている医療機関を探して受診しましょう。
腟のゆるみに関するよくある質問

女性の腟がゆるむ原因や放置するリスクについてはわかったものの、まだ疑問が残っているという方もいるでしょう。最後に、腟のゆるみに関するよくある質問をQ&A形式でご紹介します。
性行為の回数が多いと腟がゆるくなる?
「セックスをたくさんすると腟がゆるくなる」という噂がありますが、誤解です。
一般的な性交を行っている限り、経験人数や回数が多くとも、腟がゆるくなることはありません。
女性の腟は伸縮するため、男性器を挿入しても、性交後には元の形状に戻るという特徴があります。
また、オーガズムを経験した女性は腟を収縮させる筋肉が発達するため、ゆるくなる可能性は低いといえるでしょう。
腟がゆるいとパートナーは満足できない?
性交時の満足度が低いときに、パートナーから「腟がゆるいせいだ」といわれて落ち込んだ経験はないでしょうか。
確かに腟がゆるいと性交時の満足度が低下してしまいますが、男性側に原因があるケースも珍しくありません。
普段から強いグリップや床ずりなどの方法でマスタベーションを行っていると、挿入の際に十分に刺激が得られず、女性の腟がゆるいと勘違いしてしまうのです。
「腟内射精障害」が起こっている可能性があるので、自身を責めるのではなく、パートナーに泌尿器科の受診を促しましょう。
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加齢や出産などの他にも、日常生活の中で行っている何気ない癖や習慣が原因で、腟にゆるみが生じている可能性があります。
放置すると新たなトラブルにつながるケースもあるので、腟がゆるいと感じたら早急に改善を目指しましょう。
デリケートゾーンに関するお悩みは、医療法人心鹿会へご相談ください。
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