
デリケートゾーンの不快症状を緩和できる方法として注目されている治療方法が、『モナリザタッチ』です。
一体、どのような特徴を持つ治療方法なのでしょうか。また、リスクや副作用はないのでしょうか。
今回は、モナリザタッチに期待できる効果をご紹介します。
施術の特徴や流れ、治療費や治療期間の目安についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
モナリザタッチとは?
腟を原因とするデリケートゾーンの不快症状を緩和する目的で開発された医療用レーザー機器が、『モナリザタッチ(MONALISA TOUCH®)』です。
元々、顔のエイジングケア治療で使用されてきたレーザー技術をデリケートゾーンに応用したもので、腟の若返りが期待できるといわれています。
腟内や外陰部、尿道口周囲に直接レーザーを照射することで、粘膜にうるおいや弾力をもたらします。
「更年期に入ってから腟の乾燥が気になる」、「出産を機に腟にゆるみが生じた」という方は、治療を検討しましょう。
モナリザタッチの特徴

レーザー治療と一口に言っても、使用する機器によって特徴は異なります。
モナリザタッチと他のレーザー治療には、どのような違いがあるのでしょうか。詳しく解説します。
炭酸ガス(CO2)レーザーを使用
美容皮膚科で顔のリフトアップやイボやほくろ取りにも使用されている『炭酸ガス(CO2)レーザー』を採用しているという点が、モナリザタッチの大きな特徴です。
腟や外陰部の粘膜・皮膚にレーザーを照射することで、線維芽細胞を活性化し、コラーゲンの生成を促します。
新たにコラーゲンが生成されると、腟や外陰部の乾燥が改善されて、みずみずしいうるおいがもたらされます。
また、腟壁にふっくらと厚みが出て、腟のゆるみ改善も期待できるでしょう。
施術時間が短く痛みが少ない
メスや注射器を用いた治療と比較すると、モナリザタッチは施術時間が短く、痛みが少ないという特徴もあります。
女性の腟はそもそも痛みを感じにくい部位である上に、レーザー照射を行う前に外陰部へ経皮麻酔クリームを塗布します。
腟の状態が悪い場合は痛みを感じることもありますが、症状が軽ければ強い痛みを感じることはないでしょう。
1回あたりのレーザーの照射時間は5~10分程度なので、仕事やプライベートで忙しいという方にもおすすめです。
ダウンタイムや施術後の制限が少ない
ダウンタイムや施術後の制限が少ないという点もまた、モナリザタッチの特徴の一つです。
施術は1日で終了するため、入院する必要はありません。
施術を受けた当日は入浴を避けたり、性行為を3~7日程度控えたりする必要がありますが、いくつかのポイントに注意すれば普段通りの生活を送ることができます。
日帰りで施術を受けられるモナリザタッチなら、仕事や家事、育児を休めないという方でも施術を受けやすいです。
モナリザタッチはこんな方におすすめ!

腟や外陰部に以下の症状が現れている方は、モナリザタッチの治療で改善できる可能性があります。
自身の抱えている症状があてはまるか、チェックしてみてください。
- 腟にかゆみがある
- 腟が乾燥している
- 腟のゆるみが気になる
- 腟のニオイが気になる
- 腟から空気やお湯が漏れる
- 性交時に痛みを感じる(性交痛)
- 尿漏れや頻尿の症状がある
- 萎縮性腟炎(老人性腟炎)の症状がある
モナリザタッチは、乳がんの既往歴がある方でも治療を受けられます。
また、女性ホルモン剤を用いた治療を受けられない、受けたくないという方にもおすすめです。
モナリザタッチに期待できる効果
腟に直接レーザーを照射できるモナリザタッチの治療では、主に腟症状の改善や排尿障害の改善が期待できます。
それぞれの具体的な効果について、詳しく解説します。
腟症状の改善
施術を受けると、以下の症状の改善が期待できます。
- 腟や外陰部の乾燥
- 腟や外陰部のかゆみ
- 腟や外陰部のヒリヒリとした痛み
- おりものの不快なニオイ
- 性交痛
- 不正出血(性交時の出血)
- 腟のゆるみ
- 腟なら(おならに似た腟排気音)
- 入浴時のお湯漏れ
効果の実感には個人差がありますが、3回程度の施術で効果を実感できるでしょう。
早い方であれば、1回の施術で効果を実感できることもあります。
排尿障害の改善
腟症状の他にも、施術を受けることで以下の症状の改善が期待できます。
- 尿意切迫感
- 残尿感
- 頻尿
- 軽度の尿失禁(尿漏れ)
- 繰り返す膀胱炎
モナリザタッチの施術では、加齢はもちろん、出産を原因とする排尿障害の症状の改善も期待できます。
モナリザタッチの施術の流れ

医療機関を受診する前に、施術の流れを把握しておきたいという方もいるでしょう。
モナリザタッチの施術当日の流れをご紹介します。
①施術前の麻酔
施術当日は、レーザー照射を行う前にカウンセリングを行います。
生理が始まってしまった、発熱があるなど、気になる症状があればスタッフに伝えてください。
問題がないと判断されれば着替えを済ませ、外陰部に経皮麻酔クリームを塗布します。
麻酔は10~20分程度で効果を発揮するので、施術開始まで安静にして待ちましょう。
②施術(レーザー照射)
麻酔が効いていることが確認できたら、いよいよレーザー照射に移ります。
腟内に専用のプローブ(機器)を挿入してレーザーを2~3分程度照射した後、プローブを交換して外陰部にも3~4分程度照射します。
チクチクとした感覚や熱を感じる方もいますが、麻酔が効いていれば我慢できないほどの強い痛みを感じることはないでしょう。
万が一、強い痛みを感じた場合はレーザーの出力を調整しますので、すぐに医師に伝えてください。
③施術後の処置
レーザー照射が終わったら、薬剤を塗布したり、必要に応じて施術部位を冷却したりします。
施術後の処置が終わり、問題がなければ着替えと会計を済ませて帰宅します。
施術前のカウンセリングから会計までは、1時間程度と考えておくと良いでしょう。
モナリザタッチの費用と期間の目安
施術の流れと同様に、受診の前に知っておきたいのが料金と期間です。
治療にはどの程度の費用と時間がかかるのでしょうか。詳しく解説します。
施術費用の目安
施術費用は、レーザーを照射する部位によって異なります。
施術1回あたりの費用の目安は、以下の通りです。
- 腟+外陰部:5万円程度
- 外陰部のみ:3万円程度
健康保険が適用されないため、施術費用は全額自己負担となります。
上記の他にも、初診料や麻酔代を請求される可能性があるので、詳細はクリニックへご確認ください。
施術期間の目安
人によって異なりますが、基本的にモナリザタッチの施術は3回受けることが推奨されています。
月に1回を目安に3回の施術を受けることが推奨されているので、治療期間は3ヶ月程度と考えておくと良いでしょう。
効果を持続させたい場合は、治療完了後にも、1年に1回を目安に施術を受けましょう。
継続的に施術を受けることで、腟症状や排尿障害の予防につながります。
モナリザタッチのリスクと副作用
メスを使用しないことから治療のハードルは低いと言えるモナリザタッチですが、リスクや副作用はないのでしょうか。
最後に、考えられるリスクと副作用の有無についてご紹介します。
痛みを感じることがある
基本的に腟内に痛みを感じることはほとんどありませんが、外陰部に痛みを感じることがあります。
神経が少ない腟内は、麻酔を使用しなくとも強い痛みを感じることはありません。
しかし、外陰部は状態が悪いと麻酔の効果が得られにくいため、経皮麻酔クリームを塗布してもヒリヒリとした痛みを感じることがあるのです。
痛みが強い場合は、レーザーの出力を抑えることも可能なので、施術を行っている医師に伝えてください。
少量の出血が起こることがある
施術を受けた直後に、少量の出血が起こるケースがあります。
通常は数日程度で自然に治まるので、出血が起こっても慌てる必要はありません。
出血が気になる場合はパンティライナー(おりものシート)やナプキンを使用して、下着に血液が付着しないようにしましょう。
万が一、出血がなかなか治まらない、強い痛みがあるというときには、施術を受けたクリニックへご相談ください。
効果を得られるまでに時間がかかることがある
施術の効果は患者様の状態によって異なるため、人によっては「効果がない」と感じてしまうことがあります。
レーザー照射によってコラーゲン生成を促す治療方法ですが、コラーゲンの生成にはおよそ28日かかるといわれています。
施術直後には劇的な変化は感じられずとも、時間が経過すると効果を実感できる可能性があるので、しばらく様子を見ましょう。
3回の施術が完了してもなお効果が感じられない場合は、医師へご相談ください。
モナリザタッチに興味をお持ちの方は医療法人心鹿会へご連絡ください

AUA(アメリカ泌尿器科学会)が発表した『GSMガイドライン2025』では、GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)の治療にCO2レーザーやEr:YAGレーザー、高周波治療の有効性について慎重な姿勢が示されています。
これは、十分な診断なしにレーザー治療のみを行うことへの警鐘といえるでしょう。
デリケートゾーンの症状は、その原因や状態が患者様一人ひとりで大きく異なります。
そのため、レーザー機器だけに頼るのではなく、専門的な知識と経験をもとに適切な診断を行い、患者様に最適な治療法を選択することが重要です。
医療法人心鹿会には、泌尿器科専門医・産婦人科専門医・性機能専門医が在籍しており、女性性機能の総合的な治療を行っています。
モナリザタッチをはじめとするレーザー治療が適しているかどうかを専門医がしっかりと診断し、必要に応じて他の治療法も含めた最適な治療計画をご提案いたします。
また、施術後も患者様の経過を丁寧に観察し、生活習慣のアドバイスや追加治療の必要性など、継続的なサポートを行っています。
腟の乾燥やかゆみ、ゆるみなど、GSMの症状にお悩みの方は、女性性機能を専門とする医療機関で治療を受けることが大切です。
女性医師とスタッフが、親身になってお悩みをお聞きしますので、受診を検討されている方は、ぜひ当院へご相談ください。
「腟のかゆみを緩和したい」、「腟のゆるみを改善する方法を知りたい」など、まずはお気軽にご相談ください。








