COLUMN
コラム

2025.01.09

心斎橋院
京都院
芦屋院

妊娠初期の出血について解説!原因や対処方法、受診の目安もご紹介します

妊娠初期の出血について解説!原因や対処方法、受診の目安もご紹介します

妊娠が発覚した、もしくは妊娠の可能性があるというタイミングで出血が起こると、不安になります。

妊娠初期に出血が起こるのは、なぜなのでしょうか。また、赤ちゃんや母体に問題はないのでしょうか。

今回は、妊娠初期に起こる出血について解説します。

原因や対処方法、クリニックを受診する目安についてもご紹介しますので、不安を抱いているという方はぜひご一読ください。

妊娠初期の出血にお悩みの方は
お気軽にご相談ください

医療法人心鹿会では
LINE相談も可能です

LINE相談はこちらから

各院の予約空き時間はこちら

心斎橋院

京都院

芦屋院

目次

妊娠初期の出血に多いのは「着床出血」

妊娠初期の出血に多いのは「着床出血」

出血が起こったタイミングが妊娠初期にあたる場合、原因としては「着床出血」が考えられます。着床出血が起こっても、赤ちゃんや母体には問題ないのでしょうか。詳しく解説します。

着床出血とは?

妊娠初期には、深刻なトラブルが起こらなくとも、腟から血が出ることがあります。

妊娠初期(妊娠超初期)にあたる妊娠3~4週目ごろには、受精卵が子宮内膜に着床します。

着床の際に子宮内膜にある細い血管にわずかな傷ができると、「着床出血」と呼ばれる出血が起こるのです。

着床出血は、全ての妊婦さんが経験するというわけではありません。

実際に経験するのは妊婦さん全体の20~30%程度だといわれていて、出血が起こらない方が大半です。

出血の有無で判断はできないので、妊娠しているか確認したいという方は、検査薬を使用するか、クリニックを受診して確認してもらってください。

着床出血の特徴

特徴は人によって様々ですが、着床出血は生理でみられる出血とは異なります。

着床出血の主な特徴は、以下の通りです。

  • 血の量:生理の経血よりも少ない
  • 血の色:赤色(鮮血)・ピンク色・茶色
  • 期間:1~2日程度(長くとも4日程度)
  • タイミング:生理予定日よりも若干早い

上記にあてはまった場合、出血の原因は着床にある可能性が高いといえます。

ただし、腹痛や発熱、嘔吐などの他の症状を伴う場合は着床以外の原因も考えられるので、クリニックを受診してください。

妊娠初期に着床出血以外で出血が起こる原因

妊娠初期に着床出血以外で出血が起こる原因

出血が起こること自体は珍しくありませんが、中には緊急性や危険性が高い原因もあるので、放置せずに早急にクリニックを受診しましょう。妊娠初期に起こる、着床出血以外の原因をいくつかご紹介します。

原因①:絨毛膜下血腫

着床の際に子宮内膜の血管から出血が起こり、絨毛と胎盤の間に溜まってできた血の塊を「絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)」といいます。

通常、出血が起こっても子宮に吸収されますが、吸収が悪い、もしくは量が多いと、腟の外にまで漏れ出てくることがあります。

個人差がありますが、絨毛膜下血腫で起こる出血は赤色(鮮血)や赤褐色です。

自然に治まるケースが多いですが、出血がなかなか治まらない、量が多いという方はクリニックを受診してください。

原因②:切迫流産

妊娠22週未満に出血や腹痛が起こると、「切迫流産」と診断されることがあります。

「流産になりかけている状態」にありますが、胎児の心拍が確認できれば妊娠を継続できるので、医師からの指示に従って安静に過ごしましょう。

切迫流産の場合は、絨毛や胎盤が剥がれてしまうことで出血や痛みが起こります。

出血は少量で、血の色は赤色(鮮血)や赤褐色が一般的です。

大量に出血が起こる、強い腹痛があるという場合は流産のリスクが高くなってしまうので、早急にクリニックを受診してください。

原因③:異所性妊娠(子宮外妊娠)

卵管や卵巣、頚管や腹膜などの子宮以外の部分に受精卵が着床してしまう状態を「異所性妊娠(子宮外妊娠)」といいます。

異所性妊娠では、赤色(鮮血)や赤褐色の少量の出血が起こります。

初期の段階では出血量が少ないものの、放置していると量が増えたり、腹痛が起こったりするでしょう。

処置が遅れると母体が危険にさらされることになるので、妊娠検査薬で陽性が出たら産婦人科を受診しましょう。

超音波検査で子宮の中に胎嚢があるか確認し、異所性妊娠の可能性があれば早急に対処することが大切です。

原因④:胞状奇胎

遺伝子の異常が原因で、胎盤をつくる絨毛細胞が異常に増殖してしまうことを「胞状奇胎(ほうじょうきたい)」といいます。

絨毛細胞がぶどうの房のように粒になって子宮を満たしている状態で、胎児はその中に吸収されてしまうため妊娠は継続できません。

胞状奇胎で起こる出血はごく少量で、色は赤褐色や茶色です。

出血以外にも、腹痛やひどいつわりが起こることもあるでしょう。

手術で子宮内の絨毛を取り除く処置が必要であることから、早急に対処する必要があります。

原因⑤:前置胎盤

胎盤が腟に近い場所に付着することで、子宮口の一部、もしくは全てを塞いでしまっている状態を「前置胎盤」といいます。

無症状であるケースが多いものの、胎盤に圧がかかって一部が剥がれると(前置胎盤早期剥離)、腟から血が出ることがあります。

前置胎盤の出血の色は、赤色(鮮血)やおりものに混ざったピンク色が一般的です。

少量の血が断続的に出ることもあれば、突然大量に出血することもあります。

前置胎盤だと診断された場合は、帝王切開での出産になる可能性が高いでしょう。

ですが、前置胎盤は通常、妊娠中期以降に診断される状態であり、妊娠初期の出血の一般的な原因としては比較的稀です。

原因⑥:子宮腟部びらん

「子宮腟部びらん」とは、子宮口が赤くただれている状態を指します。

女性ホルモンが活発な時期に多く発生する現象であり、深刻な病気ではありません。

腹痛のようなはっきりとした自覚症状は少ないものの、物理的な刺激に弱くなるため、性行為や触診の刺激で出血が起こることがあります。

子宮腟部びらんで起こる出血の量は少なく、色はピンク色や赤褐色、茶色などが一般的です。

一時的に起こる出血であれば問題ありませんが、なかなか治まらないという場合にはクリニックへ相談してください。

原因⑦:子宮頸管ポリープ

子宮頸管(子宮から腟に繋がる筒状の部分)にできる腫瘍を「子宮頸管ポリープ」といいます。

良性であるため切除のような処置は必要ありませんが、稀に悪性であるケースも存在することから疑わしい場合には検査が行われます。

腹痛のようなはっきりとした自覚症状は現れにくいものの、柔らかい組織であるため、物理的な刺激を受けると出血が起こることがあるでしょう。

出血はごく少量で、ピンク色や赤褐色、茶色です。

出血が起こっても問題はありませんが、頻繁に起こる場合は切除も可能なので、クリニックへ相談してください。        

クリニックを受診する目安

着床出血のように受診を必要としないケースもあれば、異所性妊娠や胞状奇胎のように一刻も早く受診が必要であるケースもあります。

おりものシートに収まる程度の少量の出血であり、痛みがない場合には、緊急性や危険性は低いといえるでしょう。

妊娠中で定期検診を受けているという方は、次回健診時に医師へ症状を伝えてください。

生理のように大量の出血がある、腹部に強い痛みがあるという場合には何らかの異常が起こっている可能性が高いので、早急にクリニックを受診しましょう。

原因が「異所性妊娠」や「切迫流産」にある場合は、大量出血や流産に繋がります。

決して放置せずに、一刻も早くクリニックを受診してください。

妊娠初期に出血が起こった場合の対処方法

妊娠初期に出血が起こった場合の対処方法

血を目にすると、不安を感じてパニックになってしまう方も少なくありません。出血が起こった場合は、慌てず冷静に対処することが大切です。最後に、妊娠初期に出血が起こった場合の正しい対処方法をご紹介します。

①出血の特徴をチェック

腟から出血がみられた場合は、診察に備えて特徴をチェックしておきましょう。

チェックしておきたい項目は、以下の通りです。

  • 血の量
  • 血の色
  • 血のにおい
  • 出血が起こるタイミング(頻度)

メモに記して残しておいたり、可能であればスマートフォンのカメラで撮影しておいたりすると良いでしょう。

医師に正確な情報を伝えるためにも、可能な限り詳細に特徴を残しておくことが大切です。

②クリニックに連絡する

出血が起こったとしても受診が不要であるケースもあれば、早急に受診が必要なケースもあります。

受診すべきか否か迷った際には、まずはクリニックに連絡してみましょう。

症状を正確に伝えて、クリニックに指示を求めます。

クリニックに連絡をする際には、以下を伝えてください。

  • 出血の特徴(量・色・におい・タイミング)
  • いつから出血が始まったのか
  • 37.5度以上の発熱の有無

③クリニックの指示に従う

クリニックに連絡をして症状を伝えれば、指示があるはずです。

すぐに受診するよう指示があった場合は、そのままクリニックへ向かってください。

車やタクシーを利用して、無理のない体勢で移動することが大切です。

自宅で安静に過ごすよう指示があった場合は、体を休めて症状が治まるのを待ちましょう。

しばらく経っても出血が治まらない、腹痛のような他の症状が出てきたという場合には、再度クリニックへ連絡してください。

妊娠初期の出血に関しては医療法人心鹿会へご相談ください

妊娠初期の出血に関しては医療法人心鹿会へご相談ください

自身の体だけでなく、お腹に赤ちゃんがいる状態であれば、出血に強い不安を抱くのも当然です。

妊娠初期の出血には、着床出血のように問題がないケースもあれば、異所性妊娠のように危険が伴うケースもあります。

血を目にした際には、放置せずにまずは原因を突き止めましょう。

妊娠初期の症状に不安を感じている方は、医療法人心鹿会へご相談ください。

当院の医師が、患者様の症状に合わせて最適な治療方法をご提案いたします。

医師やスタッフは全員女性ですので、デリケートなお悩みについても気兼ねなくご相談いただけます。

妊娠初期の出血にお悩みの方は
お気軽にご相談ください

医療法人心鹿会では
LINE相談も可能です

LINE相談はこちらから

各院の予約空き時間はこちら

この記事の監修者
二宮 典子

医師。泌尿器科専門医・指導医、漢方専門医、性機能専門医。
2015年から女性医療に特化したクリニックの院長として泌尿器科・婦人科・性機能に関する専門的診療に従事。医療者向けの講演会や一般向けのYouTubeなど幅広い活動を行う。2021年にNINOMIYA LADIES CLINICを開院し、院長就任。自院では、医療者にしかできない誠実で安全な美容を提供するべく、アートメイク・女性器治療などにも注力する。

この記事の監修者
鎌田 良子

兵庫医大医学部卒業。泌尿器科専門医、そして腹腔鏡手術・内視鏡手術のエキスパートとして執刀医または後輩の指導育成にあたる。プライベートではトライアスロンでもっとも名のあるアイアンマン70.3世界選手権出場、完走を果たす。