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2024.01.12

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アフターピル(緊急避妊薬)の効果とは?仕組みや副作用、使い方を徹底解説

アフターピルの種類やそれぞれの特徴について解説

避妊をせずに性行為を行ったり、避妊をしていても失敗してしまったりすると、予期せず妊娠してしまうことがあります。

妊娠が成立している場合、中断するには中絶手術を受けなければなりませんが、性行為を行った直後であれば、アフターピル(緊急避妊薬)で妊娠自体を回避できる可能性があります。

アフターピルの名前は聞いたことがあるものの、使用方法がわからない。使用に際して不安を感じるという方もいるでしょう。


今回は、アフターピルの種類や効果、副作用の有無や正しい使い方について解説します。

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アフターピルとは?

妊娠を回避するための手段として、アフターピルが有効です。まずはアフターピルの仕組みや効果について解説します。

アフターピルの仕組み

使用するタイミングによって異なりますが、基本的に避妊成功率は80~95%程度だといわれています。

アフターピルの作用は、主に排卵を遅らせることです。


精子は女性の体内で5日間程度生きているので、性行為の後に排卵があると妊娠が成立します。


アフターピルを飲むと排卵が遅れるため、妊娠を回避できるという仕組みです。


また、子宮内に精子が侵入したり、受精卵が着床しないようにしたりする働きもあることから、妊娠を回避できるのです。

アフターピルの効果

避妊成功率は最高で95%程度だとご紹介しましたが、これは性行為の直後、24時間以内に服用した場合です。

アフターピルは、服用のタイミングが遅くなるほど避妊成功率が下がってしまいます。


性行為から24時間以上経過し、72時間以内に服用した場合は85%まで下がってしまうため、アフターピルは性行為後すぐに服用する必要があります。


妊娠を望んでいない方は、早急に婦人科を受診しましょう。


平日だけでなく、土日や祝日もアフターピルの処方を行っているクリニックもありますし、病院によっては救急外来でも処方してくれるので、身近な場所ですぐに対応してもらえる医療機関を探してください。

アフターピルの種類

一般的なアフターピルの種類

一口にアフターピルといっても、実はいくつか種類があります。代表的な3種類の緊急避妊方法について解説します。

①レボノルゲストレル法

国内で最も広く知られている緊急避妊方法が、レボノルゲストレル錠を服用する方法です。

性行為を行った後、72時間以内に緊急避妊専用のレボノルゲストレルという薬を1錠服用するという方法で、避妊成功率は95%程度だといわれています。


日本で認可されている薬剤である上に、処方可能な医療機関が多いため入手しやすいです。


また、他のアフターピルに比べて副作用が少なく、服用回数が1回で済むというのも大きなメリットだといえるでしょう。


ただし、性行為後72時間が経過してしまうと、避妊成功率は50%程度まで下がってしまいます。


排卵期に使用すると避妊成功率が下がるという特徴もあるため、タイミングを意識して服用する必要があります。

・日本国内で承認されている薬を使用
・72時間以内の服用で避妊成功率は95%程度。72時間経過後は50%程度
・副作用が少なく、入手しやすい

②ヤッぺ法

中用量ピルのプラノバールを服用する緊急避妊方法が、ヤッぺ法です。

性行為の後、72時間以内に卵胞ホルモンと黄体成分が含まれるプラノバールという薬を2錠服用し、12時間後にさらに2錠服用します。


レボノルゲストレルよりも費用は安く済みますが、吐き気が起こりやすく、吐き気止めと併せて服用する必要があります。


また、レボノルゲストレル法同様に時間が経つほどに避妊成功率が低くなるため、性行為後、早急に服用してください。

・中用量ピルを使用
・72時間以内に2錠、さらに12時間後に2錠服用
・費用は安価だが、吐き気が起こりやすい

ヤッペ法は、低用量ピルを3錠または4錠ずつ、2回服用することでも可能です。

普段から低用量ピルを使用している方で、飲み忘れたことが原因で緊急避妊が必要となった場合には、手持ちの低用量ピルを使って緊急避妊ができます。

③ウリプリスタール法

エラワンという薬を1錠服用することで妊娠を回避する緊急避妊方法が、ウリプリスタール法です。

レボノルゲストレル法と同様に副作用が少なく、72時間以内に服用すれば、避妊成功率は95%程度だといわれています。


レボノルゲストレル法と異なる点は、72時間を経過しても、120時間以内に服用すれば85%程度の確率で避妊に成功するという点です。


また、排卵期であっても、避妊成功率は変わらないという特徴もあります。


エラワンは海外でよく使用される薬ですが、日本国内では未承認薬であるため、処方できる医療機関は多くありません。


処方できるとしても、費用はレボノルゲストレルよりも高額になる傾向にあります。


ウリプリスタール法を希望する方は、取り扱いのあるクリニックへ相談してください。

・国内未承認薬を使用
・72時間以内の服用で避妊成功率は95%程度。72時間経過後は85%程度
・副作用は少ないが、取り扱いクリニックが少ない

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アフターピルの注意点

アフターピルの使用に際する注意点

性行為後に使用するアフターピルですが、正しい使い方をしなければ効果を得られません。アフターピルの使い方と、副作用の有無について解説します。

アフターピルの正しい使い方

72時間以内に服用しなければ十分な効果を得られないアフターピルは、タイミングが重要です。

服用のタイミングが早いほど避妊成功率は高まるので、性行為を行った後、可能な限り早急に服用してください。


たくさん服用すれば、避妊成功率が高まるということはありません。


1錠と定められている場合は1錠だけ服用するというように、必ず指定された用量を守りましょう。


空腹時を避けてアフターピルを服用し、服用後は安静に過ごしてください。


また、服用後には、お酒やカフェイン入りの飲み物は控えると良いでしょう。

アフターピルに副作用はある?

種類によって異なりますが、アフターピルを服用すると副作用が現れることがあります。

主な症状は、吐き気や腹痛、頭痛や眠気です。


個人差がありますが、副作用はアフターピルを服用後に現れて、24時間以内に治まるといわれています。


副作用が長く続く場合は、クリニックで医師に相談してください。


また、アフターピルを服用すると、「消退出血」と呼ばれる出血が起こることがあります。


子宮内膜が剥がれるため生理の出血とよく似ていますが、生理とは違って短期間で治まります。

アフターピルの費用

アフターピルの費用相場

医薬品の中には、高額なものも存在します。アフターピルの費用相場は、いくらなのでしょうか。入手方法と併せてご紹介します。

一般的な費用相場

健康保険が適用されないため、アフターピルの費用は全額自己負担(自費診療)となります。

アフターピルの種類によって異なりますが、費用相場は5,000~20,000円程度です。


種類ごとの費用相場は、以下の通りです。

レボノルゲストレル法:8,000~15,000円程度
ヤッぺ法:3,000~5,000円程度
ウリプリスタール法:10,000~20,000円程度

アフターピルの入手方法

処方箋医薬品であるアフターピルは、購入の際に処方箋が必要となります。

一般的なドラッグストアでは購入できないので、アフターピルの使用を希望する方は、婦人科へ相談してください。


時々、インターネットの通販サイトや個人サイトで、海外製のアフターピルが販売されていることがありますが、購入は避けましょう。


製品の品質が保証されていない、つまり、偽物である可能性がある上に、健康被害が出てしまう恐れがあります。


また、健康被害が出ても、個人輸入のアフターピルに関しては情報が少なく、医師や薬剤師でも対処できない可能性があります


個人輸入のアフターピルは安価で手軽に入手できますが、安全に使用するためにも、クリニックで医師に処方してもらったアフターピルを使用してください。

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アフターピルに関するQ&A

基本的な情報はご紹介しましたが、まだまだアフターピルについて気になることがあるという方もいるでしょう。ここでは、アフターピルに関するよくある質問をQ&A形式でご紹介します。

アフターピルを服用すれば避妊しなくても良い?

あくまで緊急時に使用するのがアフターピルであって、常用するような薬ではありません。

避妊をしたい場合は、コンドームを使用したり低用量ピルを服用したりと、他の方法で避妊を行ってください。


アフターピルの避妊成功率は高いですが、100%妊娠を回避できるわけではありません。


妊娠を希望しない方は、日頃からしっかり避妊を行うようにしましょう。

アフターピルを服用後、性交渉を再開できるのはいつ?

性交渉を再開する場合は、アフターピル服用後に避妊できたことを確認してから行ってください。

アフターピルの効果は100%ではないので、まだ妊娠する可能性があります。


腟内に精子が入り込めば妊娠してしまうことがあるので、「消退出血(生理に似た出血)があった」、「生理が来た」など、避妊できたことを確認できるまで控えましょう。

アフターピルを使用すると不妊になる?

「アフターピルを飲むと不妊になる」という噂がありますが、科学的根拠はありません。

アフターピルを服用したからといって不妊になることはないので、安心してください。


不妊になることはないものの、アフターピルは常用するような薬ではありません。


性行為を行う度に服用するといったことを繰り返すと、より失敗率(妊娠の可能性)は高くなりますし、ホルモンバランスも乱れてしまいます。


緊急性がなく避妊が目的であれば、コンドームや低用量ピルを使用しましょう。

 

避妊方法について解説!種類ごとの特徴や効果、メリット・デメリットをご紹介します

アフターピルに関するご相談は医療法人心鹿会へ

アフターピルの種類に関する記事のまとめ

妊娠の可能性があることに気付くと、慌ててしまうものです。

避妊をせずに性行為をしたり、避妊に失敗したりするだけでなく、性行為を強要されたという方もいるかもしれません。


誰にも相談できずに妊娠の不安を抱えているという方は、医療法人心鹿会へご相談ください。


医師をはじめとした女性スタッフが、患者様のお悩みに寄り添って最適な治療をご提案します。


誰かに話しをすることで解決できることもあるので、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者
池田 裕美枝

京都大学医学部卒業。総合内科研修後、産婦人科に転向。現在、海と空クリニック京都駅前院の院長として専門的診療に従事。また、神戸市立医療センター中央市民病院女性外来等を担当しつつ京都大学大学院医学研究科にて、女性の社会的孤立や月経前症候群による社会的インパクトなどを研究している。