
生理のタイミングではないのに出血が起こると、悪い病気ではないかと不安になります。
出血が起こったとしても、痛みがなければ放置して良いのでしょうか。それとも、念のため医療機関を受診した方が良いのでしょうか。
今回は、生理じゃないのに血が出る原因について解説します。
考えられる原因や病気、受診の目安もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
生理じゃないのに血が出る「不正出血」とは?
月経(生理)のタイミング以外で起こる性器からの出血を「不正出血」といいます。
1日だけ出血が起こるケースもあれば、数日から数週間に渡って長く続くケースもあり、血の色も鮮やかな赤色やピンク色、茶色と様々です。
また、下着にわずかに付着することもあれば、生理のようにまとめて血が出ることもあるでしょう。
出血が起こったとしても一時的であり、特別な治療をせずとも自然に治まるケースもあります。
一方で、がんのように重大な病気のサインとして血が出ている可能性もあります。
不正出血が起こったら、決して放置せずに婦人科を受診しましょう。
不正出血の主な原因
生理じゃないのに血が出る場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。
女性に起こる不正出血の主な原因をいくつかご紹介します。
器質性出血:病気を原因とする出血
発症した病気の影響で起こる不正出血を「器質性出血」といいます。
腟や子宮、卵巣で起こったトラブルのサインとして出血が起こっている可能性があるので、見過ごさないように注意しましょう。
器質性出血の原因として考えられる代表的な病気は、以下の通りです。
- 子宮筋腫
- 子宮頸管ポリープ
- 子宮内膜症
- 子宮体がん
- 子宮頸がん
- 腟炎
機能性出血:ホルモンバランスの乱れで起こる出血
病気のような決定的な要因ではなく、ホルモンバランスの乱れによって起こる不正出血が「機能性出血」です。
思春期や更年期など、ホルモンの分泌量が不安定な時期に起こりやすい傾向にあります。
また、年齢にかかわらず、ストレスが溜まっているときに出血が起こるケースもあります。
機能性出血は、多量、または少量の出血が不規則に起こり、ダラダラ続くという点が特徴です。
出血の量が多い、または出血期間が長い場合は貧血を引き起こすことがあります。
貧血になると、動悸や息切れ、疲れやすさといった症状が現れるでしょう。
中間期出血:排卵期に起こる出血
排卵のタイミングで起こる不正出血を「中間期出血(排卵期出血)」といいます。
卵胞ホルモンの分泌量が一時的に減少することで起こる出血で、少量であれば問題ないといえます。
しかし、排卵期に起こったからといって、必ずしも中間期出血だとは限りません。
自己判断は危険なので、出血量が多い・長く続く・痛みを伴うなどの気になる症状があれば、医療機関を受診しましょう。
その他の出血:妊娠や性交で起こる出血
女性の場合は、妊娠初期に起こる「着床出血」や、性交時に起こりやすい「性器外傷による出血」も原因として考えられます。
出血の量や色には個人差がありますが、着床の際に起こる出血の量はごくわずかで、1~3日以内には自然に治まるでしょう。
他にも、性交時に出血が起こることがあります。これは腟の入口付近が傷付いたり、子宮頸部に刺激が加わったりすることで起こります。
潤滑が不十分な状態での性交は、痛みや出血の原因となります。痛みを感じる場合は無理をせず、出血が続く場合は医療機関を受診してください。
不正出血の原因で考えられる病気

出血が起こっても問題がないケースもあれば、深刻な病気を発症しているケースもあります。
原因が病気にある場合は治療が必要なので、見過ごさずに医療機関を受診しましょう。
不正出血を引き起こす病気と主な症状について解説します。
①子宮筋腫
子宮壁にできる良性腫瘍(こぶのようなもの)が、「子宮筋腫」です。
筋細胞が異常に増殖することで発生するという特徴があり、増殖する原因は明らかになっていませんが、女性ホルモンが影響すると考えられています。
子宮筋腫を発症すると、不正出血だけでなく、貧血や腹痛などの症状が現れることもあります。
治療が必要であるか否かは、筋腫が発生する位置や大きさ、症状によって異なりますが、不妊や流産につながる可能性があるので、妊娠を希望されている方は早急に医療機関を受診してください。
②子宮内膜ポリープ・子宮頸管ポリープ
子宮の内部にできる腫瘍を「子宮内膜ポリープ」、子宮の入り口(頸部)にできる腫瘍を「子宮頸管ポリープ」といいます。
いずれも良性の腫瘍ではあるものの、不正出血や不妊症、着床障害を引き起こす可能性があります。
内診や検査で発見された場合、その場で切除できる可能性があるので、不正出血が起こっているという方は医療機関を受診してください。
子宮内膜ポリープや子宮頸管ポリープは発生しても症状に乏しいため、定期的に婦人科で検診を受けることが大切です。
③子宮内膜症
子宮以外の場所に子宮内膜、または子宮内膜に似た組織ができてしまう病気が「子宮内膜症」です。
発症する場所は卵巣や子宮の表面、腹膜など様々で、不正出血の他、性交痛や排便痛を引き起こすこともあります。
また、生理が重くなるという特徴もあり、激しい腹痛や腰痛を経験する方も少なくありません。
「最近、生理が重い」、「お腹の痛みが強くなった」という方は、子宮内膜症を発症している可能性があるので、放置せずに医療機関を受診してください。
④子宮体がん
子宮上部の子宮体部に発生するがんを「子宮体がん」といいます。
卵胞ホルモン(エストロゲン)が子宮内膜の発育を促進することで増殖し、子宮体がんを発症すると考えられています。
閉経前後の40〜60代に多く見られる病気で、初期段階から不正出血が起こるという点が特徴です。
更年期や閉経後に出血が見られた場合は子宮体がんを発症している疑いがあるので、早急に医療機関を受診してください。
⑤子宮頚がん
子宮の入り口(頸部)に発生するがんが、「子宮頸がん」です。
ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスに感染することで発症する病気で、通常は感染してもウイルスが自然に排除されますが、感染期間が長いと子宮頸がんに進行します。
初期段階では症状に乏しく、病気が進行することで不正出血が起こったり、茶色のおりものが増えたりします。
子宮頸がんの発症に気付くことは難しいので、婦人科で定期的に検診を受けて早期発見を目指すことが大切です。
⑥腟炎・子宮頸管炎
細菌やウイルスの感染により、腟や子宮頸管に炎症が起こることがあります。
トリコモナスやカンジダなどが原因で起こる「腟炎」、クラミジアや淋菌が原因で起こる「子宮頸管炎」などがあり、不正出血を引き起こすことがあります。
通常、腟は乳酸菌の一種であるデーデルライン桿菌の作用で酸性に保たれ、病原菌の増殖を防いでいます。
しかし、疲労やストレス、性交渉などが原因で腟の自浄作用が低下すると、菌が繁殖して炎症が起こります。
腟炎では陰部のかゆみやヒリヒリとした痛み、おりものの変化といった症状が現れます。子宮頸管炎では症状が乏しいこともありますが、不正出血や下腹部痛が起こることがあります。
感染した病原体によって症状は様々なので、デリケートゾーンに異常が見られたら医療機関を受診してください。
不正出血が起こった場合の受診の目安

2週間以上不正出血が続く場合は、医療機関での治療を検討する必要があります。
「2週間」というのは目安であって、1週間であれば放置しても良いというわけではありません。
出血量が多い場合は数日でも体調に悪い影響を及ぼすので、医療機関を受診しましょう。
他にも、以下の症状が現れている場合は、早急に医療機関を受診することをおすすめします。
- 生理のように大量に出血している
- 下腹部に強い痛みがある
- 閉経後に出血が起こった
不正出血に対する検査と治療方法
生理じゃないのに血が出る場合は、あらゆる可能性を考えて原因を突き止め、適切な治療を行う必要があります。
最後に、不正出血が起こった場合に医療機関で行われる代表的な検査方法と治療方法をご紹介します。
検査方法
不正出血が起こった場合は、主に以下の検査が行われます。
- 血液検査:血液を採取してエストロゲンや卵巣刺激ホルモン、黄体化ホルモンなどの分泌量を調べます。出血量が多い場合は、貧血の有無や血中の鉄の濃度も調べます。
- 超音波検査:子宮や卵巣に腫瘍や不正出血の原因となる異常がないか調べます。
- 子宮がん検査:子宮内部の細胞を採取して、悪性腫瘍の有無を調べます。
- おりもの検査:おりものを採取して、細菌性腟症や性感染症の有無などを調べます。
- 妊娠反応検査:尿検査を実施して、妊娠判定を行います。
治療方法
不正出血の原因に応じて、主に以下の治療が行われます。
患者様によって適した治療方法は異なるので、詳細を知りたいという方は医師へご確認ください。
・ホルモンバランスに原因がある場合
経過観察を行って自然に治まるのを待ちます。
出血量が多い場合や出血期間が長い場合は、ホルモン剤や止血剤を使用して出血を抑えます。
・腟炎を発症している場合
細菌感染が原因で不正出血が起こっている場合は、抗生剤を使用して治療を行います。
・良性の腫瘍(ポリープや筋腫)がある場合
不正出血の原因や程度に応じて、治療方針を決定します。
子宮内のポリープで出血を繰り返す場合は、子宮鏡を使用した切除手術を行うことがあります。
子宮頸管のポリープであれば、大きさなどによるものの、外来で比較的負担の少ない処置で切除できます。
子宮筋腫については、症状が軽ければ経過観察を行い、症状が強ければ薬物療法や手術を検討します。
・がんが疑われる場合
精密検査を行い、確定診断後に病期に応じた治療を行います。
必要に応じて、専門医療機関と連携して治療を進めます。
・妊娠している場合
妊娠初期の出血は原因が不明であることが多く、自然に治まる可能性が高いので、他に異常が見られない場合は経過観察を行います。
・裂傷を負っている場合
軽度の裂傷であれば抗生剤の処方を行い、様子を見ます。
裂傷が大きい重度の場合は自然治癒が期待できないため、縫合処置を行います。
不正出血にお悩みの方は医療法人心鹿会へご相談ください

生理じゃないのに血が出るからといって、必ずしも深刻な病気を発症しているとは限りません。
しかし、病気を原因として出血が起こった場合、放置していると症状が悪化する危険性があります。
「痛みがないから大丈夫」、「血が出ることは珍しくない」と楽観視していると、取り返しのつかない事態になるケースもあるので、異常が見られた場合は迷わずに医療機関を受診しましょう。
不正出血にお悩みの方は、医療法人心鹿会へご相談ください。
当院の医師やスタッフは全員女性ですので、デリケートなお悩みも気兼ねなくお話しいただけます。
「少量の出血があるけれど原因がわからない」、「痛みはないけれど出血が続いている」など、まずはお気軽にご相談ください。
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