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2025.10.02

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腟ケア(フェムケア)について解説!デリケートゾーンの不調に効果的なやり方や注意点をご紹介

腟ケア(フェムケア)について解説!デリケートゾーンの不調に効果的なやり方や注意点をご紹介

痛みやかゆみなどのデリケートゾーンの不快感を取り除くために、ケアを検討しているという方もいるでしょう。

しかし、ケアの方法を間違ってしまうと、不快な症状を緩和するどころか悪化してしまうこともあります。

腟内環境の悪化から思わぬ病気につながるケースもあるので、正しいケア方法を把握しておくことが大切です。

今回は、腟ケア(フェムケア)の正しいやり方をご紹介します。

注意点や期待できる効果、腟症状の治療方法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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目次

腟ケア(フェムケア)とは?

腟ケア(フェムケア)とは?

顔や髪と同様に、腟も正しい方法でケアを行うことで、健康な状態を維持することができます。

デリケートゾーンのケアに興味があるという方に向けて、まずは腟ケアの特徴や重要性について解説します。

腟ケアの特徴

2010年あたりから、腟を清潔かつ健康な状態に維持するために行うケアを「腟ケア(フェムケア)」と呼ぶようになりました。

フェムケアとは、「Feminine(女性の)」と「Care(ケア)」をかけ合わせた造語で、腟だけでなく、デリケートゾーン全体のケアを指す場合もあります。

習慣的に腟ケアを行うことで、デリケートゾーンのトラブルを解消したり、更年期症状を緩和したりする効果が期待できるでしょう。

一方で、フェムテック・フェムケア製品の市場拡大は企業のプロモーションによる側面も大きく、専用製品については、長期的な大規模データが不足している点に注意が必要です。

したがって「毎日の専用品によるケアが必ず必要」という科学的根拠は、現時点では十分ではありません。

腟ケアの重要性

デリケートゾーンは、排泄物や経血、汗の影響で不快症状が起こりやすい部位です。

さらに加齢に伴うホルモン変化によって乾燥や萎縮が進むと、かゆみや痛み、性交時の違和感や頻尿・尿漏れなど、多様な症状が現れることがあります。

このような不調を予防・改善するためには、「過不足のないケア」、すなわち必要な清潔保持と保湿をバランス良く行うことが大切です。

腟ケア(フェムケア)の正しいやり方と注意点

重要性については理解したものの、具体的にどのような方法でケアを行えば良いのかわからないという方もいるでしょう。

腟ケアの正しいやり方と注意点をご紹介します。

①通気性の良い下着を選ぶ

デリケートゾーンの蒸れを防ぐためにも、通気性の良い下着を選んで着用しましょう。

外陰部の皮膚の色素量は個人差が大きいとはいうものの、下着による摩擦や湿度の上昇は炎症を起こすこともあり、繰り返すと色素沈着、または色素脱失の原因になります。

下着はコットンのような天然素材を選び、締め付けの強過ぎないものを着用しましょう。

また、おりものが気になる場合には、ライナー(おりものシート)を使用することもありますが、長時間や毎日の常用は推奨されません。

通気性の低下や刺激によって、おりものの増加・かぶれ・かゆみ・感染症のリスクが高まる可能性があるためです。

使用する場合は無香料・低刺激のものを選び、短時間のみ使用し、こまめに交換することが大切です。

もしも「ライナーを常に使わないと生活できないほどおりものが多い」、「おりものの色やニオイに変化がある」といった場合は、感染症やホルモン変化などの病気が隠れている可能性があるため、自己判断せずに婦人科を受診しましょう。

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②正しい方法で洗浄する

デリケートゾーンは、恥垢(皮脂やおりもの、汗などが混ざり合ってできる白い塊)が溜まりますが、過度に洗う必要はありません。

洗い過ぎることで、皮膚が薄くなり過ぎてヒリヒリする原因になったり、かえって恥垢が増えたりする原因になります。

ニオイが気になる方の中には、洗い過ぎによる傷が原因になっていることもあります。

また、皮膚が薄く刺激に弱い部位でもあるため、ゴシゴシと擦ったり、腟の中まで洗ったりしてはいけません。

外陰部を洗浄する際には、石けんやボディソープを使用する場合、しっかりと泡立てて、指で撫でるように優しく汚れを落としましょう。

毎日洗う必要はなく、週に数回、自分の体調を見ながら行うことが望ましいです。

③適度に保湿する

デリケートゾーンの乾燥が気になる方は、スキンケアと同様に、適度に保湿すると良いでしょう。

特に乾燥によってかゆみが出ているという方は、専用のクリームやローション、ジェルを使って保湿することをおすすめします。

入浴後には肌乾燥が起こりやすいので、お風呂から上がったタイミングで保湿を行うと良いでしょう。

ただし、刺激が強いアイテムを使用してしまうと、赤みやかゆみが発生するケースがあります。

初めて保湿アイテムを使用する際には、まずは腕の内側に塗布してパッチテストを行ってください。

腟の中には塗布せず、大陰唇までに留めて、赤みやかゆみが起こらないか確認することが大切です。

④腟トレを行う

腟のゆるみや頻尿、尿漏れなどの症状を予防するためには、「腟トレ(骨盤底筋トレーニング)」が有効です。

子宮や膀胱、直腸などの骨盤内臓器を支える骨盤底筋が衰えると、腟や尿道口、肛門にゆるみが生じてしまいます。

現在は問題ないという方でも、加齢や生活習慣によって骨盤底筋が衰えてしまう可能性があるので、将来的なトラブルを防ぐためにも腟トレを習慣化しておきましょう。

腟トレの正しいやり方は、以下の通りです。

  • 仰向けの姿勢で横になる
  • 腟や肛門を引き上げるイメージでゆっくりと息を吐く
  • そのままの状態で10秒程度キープする
  • 10秒程度の時間をかけてゆっくり力を抜く
  • 10回を1セットとして、朝・晩の1日2回行う           

慣れないうちは、10秒間キープしたり、10回繰り返したりすることは難しいかもしれません。

初めは3秒間キープ、3回繰り返すことを目指して、徐々に時間や回数を増やしていくと良いでしょう。

腟ケア(フェムケア)に期待できる効果

腟ケア(フェムケア)に期待できる効果

正しい方法で腟ケアを行うことで、痛みやかゆみといった症状を改善できるだけでなく、デリケートゾーンの気になるニオイも抑えられます。

また、腟の老化防止や病気のリスク低減にもつながります。

腟ケアに期待できる具体的な効果をご紹介しましょう。

感染症予防

腟を健康な状態に保つことで、細菌性腟炎や腟カンジダのような感染症リスクを低減できるというメリットがあります。

女性の腟は、デーデルライン桿菌が乳酸を作り出すことによって、酸性に保たれています。

腟が酸性の状態を維持することで、自浄作用が働き、悪玉菌の繁殖を防いでいるのです。

このバランスが保たれている限り、特別な洗浄は必要ありません。

むしろ、デリケートゾーンを過度に洗浄すると粘膜バリアや常在細菌叢が乱れ、感染リスクが高まる可能性があります。

一方で、不衛生な状態が続くことも問題となるため、「過不足のない清潔保持」が大切です。

腟のゆるみの改善

腟トレ(骨盤底筋トレーニング)を習慣的に行うと、骨盤底筋が鍛えられて腟のゆるみの改善につながります。

性交時の満足度が向上したり、頻尿・尿漏れなどの症状が改善したりする効果が期待できるでしょう。

腟のゆるみによって性交時の満足度が低下している、加齢と共に頻尿や尿漏れの症状が出始めたという方は、腟トレを習慣化すると良いでしょう。

腟症状の改善

適度に保湿することで、痛みやかゆみ、性交痛などの腟症状の改善が期待できます。

腟が乾燥すると、下着や生理用品が擦れてヒリヒリとした痛みを感じたり、腟周りがカサついてかゆみを感じたりします。

また、性交時に男性器を挿入すると、引っかかるような感覚が出て痛みを感じることもあるでしょう。

腟内環境を整えるために過度に洗浄を行うと、皮膚の乾燥が促進されてしまいます。

入浴時には指を使って優しく洗浄し、入浴後には専用のケア製品を使用して適度に保湿を行ってください。

VIO脱毛はデリケートゾーンに悪影響をもたらす?

医療脱毛でアンダーヘアの処理を行うと、デリケートゾーンを清潔に保ちやすくなります。

おりものや尿がアンダーヘアに付着しにくくなる上に、通気性も良くなります。

汗をかいたり、経血が出たりしても蒸れにくくなることから、かゆみやニオイを軽減できるでしょう。

反対に、シェーバーや毛抜きを使用した自己処理には、トラブルが増加する可能性があるため注意が必要です。

自己処理の摩擦や刺激によって皮膚や毛穴がダメージを受けると、皮膚炎や埋没毛、毛嚢炎のリスクが増加します。

また、炎症を繰り返すと、皮膚がゴワゴワ・ガサガサになったり、常にかゆみを感じたりするようになり、慢性湿疹と呼ばれる状態になることもあります。

炎症を繰り返す部分は、皮膚のごわつきの他にも、色素沈着が起こることもあるでしょう。

衛生面や美容面から処理を希望する場合には、自己処理よりも医療脱毛を選択する方が皮膚への負担は少ないと考えられます。

腟ケア(フェムケア)では症状が改善しない場合の対処方法

腟ケア(フェムケア)では症状が改善しない場合の対処方法

正しい方法で継続的に腟ケアを行っても、デリケートゾーンの悩みを改善できないという方もいます。

自力で改善できない場合には、医療機関を頼りましょう。

最後に、腟のゆるみや乾燥、頻尿・尿漏れを改善する具体的な治療方法をご紹介します。

女性ホルモン補充療法

腟や外陰部の乾燥・かゆみ・性交痛の改善には、女性ホルモン補充療法が有効です。

更年期症状によって腟や外陰部が乾燥している場合は、エストロゲンが欠乏していることに原因があると考えられます。

貼り薬や飲み薬、腟錠や塗り薬で女性ホルモンを投与することで、諸症状の改善が期待できるでしょう。

デリケートゾーンのトラブルだけでなく、ホットフラッシュや肩こり、不眠などの症状に悩まされている方にもおすすめです。

乳がんや子宮体がんに罹患した方、血栓症のリスクが高い方は、ホルモン療法を受けられない可能性があります。

上記にあてはまる方は、医師とよく相談した上で治療方法を選択してください。

レーザー治療(モナリザタッチ・インティマレーザー)

腟や外陰部の乾燥・かゆみ・性交痛はもちろん、排尿時痛や軽度の尿失禁にも効果が期待できるのが、「モナリザタッチ」や「インティマレーザー」などのレーザー治療です。

腟や外陰部にレーザーを照射することで、粘膜組織を活性化させるという方法で、1回あたりの施術時間の目安は20~30分程度です。

基本的に3回の治療を受けることが推奨されていますが、早い方であれば、1回の施術でも効果を実感できるでしょう。

健康保険が適用されないため、1回あたり5~10万円程度の費用がかかります。

長期的な有効性や安全性については、まだ十分な大規模データがないため、施術を検討する際にはリスクと費用を理解した上で判断することが大切です。

デリケートゾーンのお悩みは医療法人心鹿会へご相談ください

デリケートゾーンのお悩みは医療法人心鹿会へご相談ください

デリケートゾーンのトラブルを放置していると、症状が悪化したり、思わぬ病気を発症したりするリスクがあります。

腟をケアしても症状が改善されない場合は、我慢せずに医療機関を頼りましょう。

デリケートゾーンのトラブルにお悩みの方は、医療法人心鹿会へご相談ください。

患者様の症状に合わせて、当院の女性医師が最適な治療方法をご提案いたします。

「腟にかゆみがある」、「尿漏れが気になる」など、まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修者
二宮 典子

医師。泌尿器科専門医・指導医、漢方専門医、性機能専門医。
2015年から女性医療に特化したクリニックの院長として泌尿器科・婦人科・性機能に関する専門的診療に従事。医療者向けの講演会や一般向けのYouTubeなど幅広い活動を行う。2021年にNINOMIYA LADIES CLINICを開院し、院長就任。自院では、医療者にしかできない誠実で安全な美容を提供するべく、アートメイク・女性器治療などにも注力する。

この記事の監修者
鎌田 良子

兵庫医大医学部卒業。泌尿器科専門医、そして腹腔鏡手術・内視鏡手術のエキスパートとして執刀医または後輩の指導育成にあたる。プライベートではトライアスロンでもっとも名のあるアイアンマン70.3世界選手権出場、完走を果たす。