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2025.01.09

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妊娠初期に腹痛が起こるのはなぜ?考えられる原因や対処方法について解説

妊娠初期に腹痛が起こるのはなぜ?考えられる原因や対処方法について解説

お腹の中に赤ちゃんがいる状態だと、妊娠前よりも体調の変化に敏感になります。

特に赤ちゃんがいる腹部に異常がみられると、不安を感じる方は少なくないでしょう。

今回は、妊娠初期に腹痛が起こる原因について解説します。

腹痛の特徴や正しい対処方法、注意点やクリニックを受診する目安もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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目次

妊娠初期の腹痛は珍しくない?

最終月経日を妊娠0週0日と数えると、妊娠15週目までの時期が「妊娠初期」にあたります。

この時期は、お腹の中で赤ちゃんを育てられる環境を整えるため、母体に様々な変化が現れます。

子宮が急速に広がり、ホルモンバランスも変わるため、腹痛や便秘、下痢といった症状が現れることは珍しくありません。

腹痛が起こる理由には様々な原因が考えられますが、大半は問題がないといえるでしょう。

しかし、中には赤ちゃんや母体の命にかかわる危険な原因が潜んでいるケースもあります。

我慢できないほどの痛みがある、腟から鮮血が大量に出るという場合には何らかの異常が起こっているサインなので、見過ごさずに早急にクリニックを受診してください。

妊娠初期に腹痛が起こる原因とそれぞれの特徴

妊娠初期に腹痛が起こる原因とそれぞれの特徴

腹部に痛みを感じる場合は、どのような原因が考えられるのでしょうか。妊娠初期に起こる腹痛の原因とそれぞれの特徴をご紹介します。

原因①:ホルモンバランスの変化

妊娠が成立すると、「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2つのホルモンの分泌量が急激に増えて、体内のホルモンバランスが変化します。

胎児の成長をサポートしたり、妊娠を維持したりするために、エストロゲンは子宮内膜を厚くし、プロゲステロンは子宮の筋肉を弛緩させる働きを持ちます。

人によっては子宮に痙攣が起こったり、不快感が出たりするでしょう。

上記のホルモンは胃腸の動きを緩める作用も持つため、腹痛や消化不良、便秘が起こることもあります。

原因②:子宮の拡張

「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2つのホルモンの影響により、妊娠初期には子宮が急激に広がって大きくなります。

そのため、子宮周辺の臓器や組織が押されたり、圧迫されたりして、腹部に痛みや違和感が生じやすくなります。

個人差がありますが、特に初めて妊娠したという方は、より強い痛みや違和感が現れやすいといえるでしょう。

拡張した子宮の影響で消化器系の動きが鈍ってしまうことから、お腹の張りや便秘といった症状が現れることもあります。

原因③:子宮周辺の靭帯の伸展

子宮が大きくなると、子宮を支えている「靭帯」も引き伸ばされます。

子宮の両側から骨盤の前側方に伸びている円靭帯が伸びることで、腹痛が起こったり、引っ張られるような感覚を覚えたりすることがあります。

妊娠初期の後半、妊娠12週目ごろから現れる症状で、痛みが出たとしても数十秒から数分程度で治まるでしょう。

痛みは一過性であるものの、急に姿勢を変えたり、咳をしたりすると悪化する可能性があるので注意が必要です。

原因④:着床痛

妊娠初期(妊娠超初期)に腹痛が起こった場合は、「着床痛」の可能性があります。

妊娠3週目ごろに起こる症状で、受精卵が子宮内膜に着床する際、腹部に痛みが生じることがあります。

お腹がチクチクしたり、ツンとしたりと、生理痛に近い痛みがあれば着床痛を疑いましょう。

着床痛は妊娠すれば必ず経験するというものではなく、症状が現れること自体が稀です。

科学的根拠はありませんが、腹痛の原因が着床痛であれば特に問題はないといえるでしょう。

強い痛みや出血があるという場合には着床痛以外の原因が考えられるので、クリニックを受診してください。

妊娠初期の腹痛でクリニックを受診する目安

どのような症状が出ると、クリニックを受診する必要があるのでしょうか。クリニックを受診するべきか否かを判断するための基準をいくつかご紹介します。

痛みが治まらない

妊婦さんによって症状の現れ方は異なりますが、基本的に妊娠初期に起こる腹痛は、1時間程度で自然に治まるケースが多いです。

下記の症状が現れる場合は深刻な問題が起こっている可能性が高いので、クリニックを受診してください。

  • 痛みがなかなか治まらない
  • 痛みの強さが増している
  • 痛みに波がある(周期的に痛みが強く出る)
  • 痛みが起こる間隔が短くなっている
  • 痛みが起こる場所が変わった、もしくは広がった

出血がある

腹痛だけでなく、妊娠初期には出血が起こることも珍しくありません。

出血が起こったからといって、必ずしも深刻なトラブルが起こっているというわけではありませんが、腹痛と同時に出血が起こった場合は注意が必要です。

「切迫流産」や「異所性妊娠(子宮外妊娠)」、「絨毛膜下血腫」の可能性があるので、クリニックを受診しましょう。

出血の量や色、頻度を記録しておいて、診察の際に医師に伝えてください。

冷や汗が出る

冷や汗が出るほどの強い腹痛が起こっている、顔色が悪くなるほどの激痛があるという場合には、ただちにクリニックを受診しましょう。

眠っていても起きてしまうほどの痛みが起こっている場合は、緊急性の高い原因が考えられます。

「異所性妊娠(子宮外妊娠)」や「卵管破裂」などが起こっている可能性があり、放置すると赤ちゃんや母体が危険な状態に陥ってしまいます。

可能な限り早急にクリニックを受診してください。

嘔吐を伴う

腹痛だけでなく、嘔吐や下痢といった症状が現れている場合は、食中毒や胃腸炎、胆石症(胆石胆嚢炎)を発症している可能性があります。

妊娠初期は免疫力が低下しやすいため、特に感染症を発症しやすい傾向にあります。

腹痛以外にも胃や腸に異常がみられる場合は、早急にクリニックを受診しましょう。

妊娠初期にはつわりでも嘔吐することがありますが、強い腹痛が起こっている場合は注意が必要です。

妊娠初期に腹痛が起こった場合の対処方法

妊娠初期に腹痛が起こった場合の対処方法

急に腹痛が起こった場合は、どのような方法で対処すれば良いのでしょうか。妊娠初期に腹痛が起こった場合に、すぐに試せる正しい対処方法をご紹介します。

①安静にする

急に腹痛が起こると慌ててしまいますが、無理をすると悪化する可能性があります。

腹痛が起こった場合は、まずは安静に過ごしましょう。

腹部へ負担がかからないように、楽な姿勢で横になったり、無理のない姿勢で座ったりすることが大切です。

横になる場合は、左を向くようにすると子宮への血流が改善します。

足はまっすぐ伸ばさずに膝を軽く曲げて、腹部を張らないように注意しましょう。

安静にしても痛みが治まらない、むしろ強くなっているという場合は、クリニックを受診してください。

②体を温める

体を適度に温めることで、腹痛を緩和できる可能性があります。

体が冷えていると感じたら、温めて血流を促進しましょう。

白湯やノンカフェインの温かいお茶を飲んだり、ブランケットや湯たんぽを使用したりすると良いでしょう。

お風呂で湯船に浸かる場合は、熱過ぎるお湯に長時間浸かることは避けて、38度程度のぬるま湯でゆっくりと体を温めてください。

③水分を補給する

腹痛だけでなく下痢が続いているという方は、水分補給を行いましょう。

下痢自体が赤ちゃんに悪い影響を及ぼすことはありませんが、脱水症状を引き起こす可能性があります。

つわりがひどく、食事量が低下している状態で下痢が起こると脱水症状になる可能性があるので、積極的に水分補給を行ってください。

一度にまとめて水分を補給するのではなく、複数回に分けてこまめに口にすることが大切です。

発熱や吐き気など、腹痛や下痢以外の症状が出ている場合は、クリニックを受診しましょう。

④食物繊維を摂取する

腹痛と同時に便秘が起こっている場合は、水分に加えて食物繊維を摂取することをおすすめします。

食物繊維を多く含む野菜や果物、ナッツ類やキノコ類を選んで、積極的に口にしましょう。

一度に大量に摂取すると、かえってお腹に負担がかかる可能性があります。

日々の食事の中に少しずつ取り入れて、便を排出しやすくしてください。

1週間程度便が出ていない、お腹が張って苦しいという方は、クリニックに相談して妊娠中にも服用できる便秘薬を処方してもらうと良いでしょう。

妊娠初期に腹痛が起こった場合の注意点

妊娠初期に腹痛が起こった場合の注意点

腹痛が起こったときには、どのような点に注意して過ごせば良いのでしょうか。最後に、妊娠初期に腹痛が起こった場合に注意したいポイントをご紹介します。

自己判断で薬を服用しない

辛い腹痛を抑えるために痛み止めを服用したくなりますが、自己判断で市販薬を口にするのは避けましょう。

薬に含まれる成分の中には、赤ちゃんへの影響が十分に研究されていないものもあります。

また、他の妊婦さんは問題がなくとも、自身が服用すると問題が出てしまうケースもあります。

個人の体質や状態、妊娠週数によって薬の影響は異なるので、痛み止めを服用したい場合は、まずはクリニックにご相談ください。

生ものは口にしない

妊娠中は、妊娠前よりも免疫力が低下している状態にあるため、感染症に注意が必要です。

「リステリア症(リステリア菌による食中毒)」を発症して症状が重篤化する可能性があるので、生ものを口にすることは避けましょう。

特に注意したい生ものは、以下の通りです。

  • ナチュラルチーズ(加熱殺菌していないもの)
  • 生ハム
  • 肉や魚のパテ
  • スモークサーモン

腹痛が起こっていない場合でも、妊娠期間中は上記の食品を避けることが理想です。

上記の食品を口にしたい場合は、十分に加熱してください。

参照元:厚生労働省「これからママになるあなたへ食べ物について知っておいてほしいこと」

妊娠初期の気になる症状については医療法人心鹿会へご相談ください

妊娠初期の気になる症状については医療法人心鹿会へご相談ください

妊娠初期には、腹痛や出血など、予期せぬ体の変化が起こることがあります。

母体や赤ちゃんに影響があると考えて慌ててしまう方もいますが、冷静に対処することが大切です。

妊娠初期の気になる症状については、医療法人心鹿会へご相談ください。

患者様の状態を診察した上で、正しい対処方法をご提案いたします。

当院の医師をはじめとしたスタッフは全員女性ですので、どのような症状でも気兼ねなくご相談いただけます。

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この記事の監修者
二宮 典子

医師。泌尿器科専門医・指導医、漢方専門医、性機能専門医。
2015年から女性医療に特化したクリニックの院長として泌尿器科・婦人科・性機能に関する専門的診療に従事。医療者向けの講演会や一般向けのYouTubeなど幅広い活動を行う。2021年にNINOMIYA LADIES CLINICを開院し、院長就任。自院では、医療者にしかできない誠実で安全な美容を提供するべく、アートメイク・女性器治療などにも注力する。

この記事の監修者
鎌田 良子

兵庫医大医学部卒業。泌尿器科専門医、そして腹腔鏡手術・内視鏡手術のエキスパートとして執刀医または後輩の指導育成にあたる。プライベートではトライアスロンでもっとも名のあるアイアンマン70.3世界選手権出場、完走を果たす。