
デリケートゾーンは、突然腫れることがあります。同時に、痛みやかゆみといった症状が現れることもあるでしょう。
デリケートゾーンが腫れる原因は、一体何なのでしょうか。
今回は、腫れの原因や具体的な症状、そして対処方法について詳しくお話していきます。
デリケートゾーンの腫れは決して珍しい症状ではないものの、放置しておくと治りにくくなったり、悪化したりする可能性があります。
できるだけ早く、正しい方法で対処することが大切です。
医療法人 心鹿会 理事長 二宮先生放置することで、悪化してしまう可能性もございますので、できるだけ早めにご相談ください。

デリケートゾーンの腫れは珍しい症状ではない
女性の性器は、造りが大変複雑です。
現代では、下着で不自然に覆ったり、必要以上に清潔にしたりすることで、本来の機能が失われてデリケートになってしまっています。
さらに、状態の悪い皮膚や粘膜に対して、性交や毎月の生理、排尿や排便、剃毛や脱毛といった刺激が加えられることがあるため、腫れが起こることは決して珍しくないのです。
デリケートゾーンの腫れは誰にでも起こる可能性のある症状であり、恥ずかしいことではありません。
原因を知って適切な対処をするために、一人で解消できない場合はクリニックへ相談しましょう。
京都院院長 池田先生デリケートゾーンの悩みは誰にも言いにくいですし、不安になりますよね。
芦屋院院長 宮崎先生医療法人心鹿会ではスタッフが全員女性ですので、まずはお気軽にご相談ください。
デリケートゾーンが腫れる原因とは?

デリケートゾーンは刺激を受けやすい場所であるため、これまで赤みが現れたりかゆみを感じたりといった経験をした女性は多いはずです。
しかし、デリケートゾーンが腫れるという経験が初めての場合、重大な病気なのではないかと焦ってしまうかもしれません。
デリケートゾーンが腫れる原因は、一体何なのでしょうか。
医療法人 心鹿会 理事長 二宮先生デリケートゾーンが腫れる原因は様々ありますので、自分の症状がどの原因に当てはまるのか参考にしてみてください。
バルトリン腺炎・バルトリン腺膿瘍
腟の肛門側には、左右に「バルトリン腺」という器官が存在しています。
腟まわりを潤す粘液をつくる役割があり、いつも腟まわりが潤っている状態をつくっています。
しかし、そのバルトリン腺が炎症や感染・乾燥などによる影響で粘液の通り道が詰まってしまった結果、デリケートゾーンの腫れに繋がるのです。
バルトリン腺の腫れには、大きく分けて2種類の症状があります。
まず、バルトリン腺の分泌が詰まってしまうことで、本来外に出るはずの粘液がバルトリン腺内に溜まってしまった状態が「バルトリン腺のう胞」です。
バルトリン腺のう胞は内部に炎症が起きていないため、腫れている違和感はありますが、強い痛みなどの症状はないことが多いです。
しかし、バルトリン腺のう胞に細菌が入り込んでしまうことがあり、その場合は急に腫れが大きくなったり、痛みが強くなったり、場合によっては熱が出たりすることがあります。
このような状態を「バルトリン腺炎」と呼び、腫れているのう胞は細菌がたまった膿へと変化するため、「バルトリン腺膿瘍(のうよう)」と呼ばれる状態になります。
バルトリン腺膿瘍は、症状も強く、放置する時間が長くなるほど大きくなっていき、最初は小指の先ほどの大きさであっても、鶏の卵ほどの大きさになってしまうケースもあります。
さらに内部で細菌が繁殖することで、デリケートゾーンが真っ赤にただれるだけでなく、膿が出てくることもあるでしょう。
アテローマ(粉瘤)、毛嚢炎(もうのうえん)
「アテローマ(粉瘤)」とは、通常皮膚の新陳代謝とともに垢として剥がれていくはずの角質層が、何らかのきっかけで皮膚の内側に巻き込まれてしまい、角質のごみ袋をつくってしまった状態です。
さらに、アテローマに細菌が感染すると、急に腫れがひどくなり、「感染性アテローマ」などと呼ばれることがあります。
毛嚢炎とは、毛穴にあたる凹み部分に皮脂が詰まり、そこに細菌感染が生じることで腫れが生じている状態です。
アテローマ、毛嚢炎ともに炎症が強い場合は、切開して内部を取り除くことで治療を行います。
芦屋院院長 宮崎先生アテローマや毛嚢炎を自己判断で放置すると、炎症が悪化し痛みや腫れが増すおそれがあります。
ヘルペス感染症
ヘルペスウイルスとは、性交渉を行った際に、陰部に感染が成立するウイルス性疾患のことです。
ヘルペスウイルスは、皮膚から一度感染すると、皮膚の神経を通って神経節に潜みながら生きながらえています。
そして、疲労やストレスが体内に蓄積し、宿主(ヒト)の免疫が低下すると、ウイルスが活性化して症状が再発します。
再度活性化すると、デリケートゾーンにプクリとした出来物や水ぶくれが発生し、痛みや腫れが生じるでしょう。
特に性器ヘルペスは、デリケートゾーンの皮膚に感染を起こすことが多いため、デリケートゾーンに水ぶくれが発生することが多く、放っておくと腫れや痛みで上手く歩けなくなったり、オシッコが沁みるために上手く尿が出せなくなったりすることもあります。
治療は、抗ヘルペスウイルス薬という薬を飲みますが、飲み方はそのときの状態によって少し違うことがあるので、主治医に確認しましょう。
接触性皮膚炎(かぶれ)
接触性皮膚炎は、一般的に「かぶれ」と呼ばれる症状です。
デリケートゾーンが刺激を受けて起こる「一次刺激性接触皮膚炎」と、アレルギーとして起こる「アレルギー性接触皮膚炎」の2種類に分けることができます。
一次刺激性接触皮膚炎は、誰でも発症する可能性がある症状です。
接触性皮膚炎の初期段階ではデリケートゾーンがかゆくなることが特徴であり、進行すると赤みが増していき、最終的に腫れを伴うようになります。
悪化すると、小さなブツブツとした出来物や水ぶくれが発生するでしょう。
肌に合っていない下着やナプキン、さらに蒸れなどでも起こりやすい症状です。
また、汗や排便後の処理のために陰部を洗い過ぎてしまうことで、皮膚のバリア機能が破綻し、接触性皮膚炎が起きやすくなることもあります。
京都院院長 池田先生自己判断で市販薬を使用する前に、接触性皮膚炎かどうかの検査を受けることをおすすめします。
尿道カルンケル
尿道カルンケルは、デリケートゾーンの入り口(尿道の出口)が赤く腫れて見える原因のひとつです。
女性ホルモン(エストロゲン)の低下や、習慣的にお腹に力をかけて排尿をすることを繰り返したため尿道内の粘膜が滑り落ちることで、尿道の入り口(腟側)にできものができたように見えることが原因です
特に閉経前後以降の女性に多く、GSM(閉経関連尿路性器症候群)の症状の一つと考えられています。
尿道の出口6時(腟側)に赤いポリープ状のふくらみができ、下着やトイレットペーパーに血がついて気づくこともあります。
具体的には、「尿を拭いたら少し血がつく」「しみるような違和感がある」「婦人科検診で指摘された」といった症状で見つかるケースが多いです。
症状が軽い場合は一時的にステロイド軟膏などで炎症を抑えることもありますが、尿道周辺の粘膜が薄くなることでさらに症状が悪化することがあるので長期的にステロイドを塗布し続けることは推奨しません。
腹圧をかけないような排尿習慣をすることと尿道周辺を含む外陰部の保湿を行ったり、場合によっては女性ホルモン補充やレーザー治療などを行うことで症状は改善します。
それでも出血が続く、大きくなる、排尿しづらいといった場合には、局所麻酔下で切除することもありますが、腹圧をかけた習慣を改善しないかぎり再発する可能性が高いことも理解しておく必要があるでしょう。
自慰行為や性交渉で起こる腫れ
自慰行為や性交渉をした際にデリケートゾーンに細かい傷がつき、そこに摩擦がかかることで、腫れが生じるケースもあります。
このケースでは、自慰行為や性交渉を行った翌日が、デリケートゾーンの腫れや違和感のピークになるでしょう。
1~2日経過すれば、自然に治まってくることがほとんどです。
しかし、腫れがひどくなってきたり、痛みや違和感が強くなってきたりした場合は、単なる摩擦ではなく雑菌感染を併発している可能性が考えられます。
まとめ
- バルトリン腺炎やアテローマのように、気付かないうちに腫れが起こることがある。
- 下着による蒸れや陰部の洗い過ぎなど、日常の中に腫れの原因が潜んでいることがある。
- 自慰行為や性交渉による刺激で、デリケートゾーンに腫れが起こることもある。
京都院院長 池田先生基本的には病院で治療することが腫れを抑える解決策となります。
医療法人 心鹿会 理事長 二宮先生原因が分からずに不安という方は、まずは病院へ受診することをおすすめします。
デリケートゾーンに起こる腫れ以外のトラブル

デリケートゾーンの皮膚や粘膜は、他の部位よりも丈夫な構造ですが、刺激を受ける機会が多い部位であるため、腫れ以外のトラブルが起こることも珍しくありません。
デリケートゾーンに起こる腫れ以外のトラブルについてもお話していきます。
気になる症状があれば、すぐに医師の診察を受けましょう。
カンジタ症
真菌の一種である「カンジタ菌」が、腟付近で増殖して起こる症状です。
デリケートゾーンに、赤みや我慢できないほどの強いかゆみを感じるのが特徴です。
免疫力が低下していると一気に病状が進み、腫れるケースも珍しくありません。
また、腟カンジタ症では腟粘膜に白い苔のような付着物が現れ、酒粕状のおりものも発生するようになるでしょう。
睡眠不足が続いたり、風邪を引いたりして免疫力が下がっているときに、カンジタ症の症状が現れやすくなるといわれています。
その他にも、抗生物質の内服を続けることでも現れやすくなるようです。
カンジダ症は、抗真菌薬の外用薬や腟錠を使用することで治療できます。
性病トリコモナス
むずがゆさから始まり、次第に耐えられないほどの強いかゆみや特徴的なおりものの臭いが発生します。
また、泡状で黄緑色のおりものが増えたり、腟や外陰部にほてりを伴ったりすることもあるでしょう。
女性の場合、性病トリコモナスに感染しても特徴的な症状が出ないケースもあるので、注意が必要です。
主な感染の原因としては、尿道にトリコモナス原虫がいる相手との性交渉が一般的ですが、免疫が落ちているときに公衆浴場でもうつる可能性があるとも報告されています。
尖圭コンジローマ
デリケートゾーンに違和感があり、その対象が腫れというよりもイボのような形状をしている場合には、尖圭コンジローマを疑いましょう。
ヒトパピローマウイルスによる感染症で、イボが発生するのが特徴です。
放置するとイボができる範囲が広がる上に、一時的に治まったとしても再発する可能性が高いため、クリニックで適切な治療を受けることをおすすめします。
どの場所にどれくらいの個数のイボが発生しているのか、状態によって治療方法は変わりますが、薬を塗ったり局所麻酔をして切除したりといった治療を受けることになるでしょう。
萎縮性腟炎
デリケートゾーンのひりつきや乾燥、セックス時の痛みが続くときは、腫れがなくても「萎縮性腟炎」の可能性があります。
閉経や卵巣の手術などで女性ホルモン(エストロゲン)が減ると、腟の粘膜が薄く乾燥し、こすれるだけで傷つきやすい状態になります。
その結果、かゆみやしみる感じ、おりもののにおいの変化、少量の出血、頻尿や排尿時の違和感など、腫れ以外の症状が目立つことが多いです。
治療は、腟内や外陰部に女性ホルモンを補う腟錠・クリーム、保湿剤などを使う方法が中心で、多くの場合は数週間で症状の改善が期待できます。
外陰部腫瘍
外陰部にしこりやできもの、色の変化、かゆみなど腫れ以外のトラブルが続くときは、外陰部腫瘍の可能性も考えて早めに医師に相談することが大切です。
外陰部にできる腫瘍には、粉瘤や脂肪腫などの良性のものから、まれではありますが外陰がんなどの悪性腫瘍まであり、見た目や自己判断だけで区別するのは難しいとされています。
痛みの少ないコリッとしたしこりが少しずつ大きくなっていく良性腫瘍もあれば、しこりに加えてかゆみやヒリヒリ感、出血、黒っぽい斑点や白い斑点(白斑)などが現れる場合もあります。
腫瘍が深く感じられる場合や、出血や滲出液が止まりにくい場合は悪性腫瘍の可能性も否定できません。
「腫れてはいないから大丈夫」と放置せず、数週間以上続くしこりや色の変化、かゆみ・痛み、出血などがあるときは、診察するようにしましょう。
医療法人 心鹿会 理事長 二宮先生腫れ以外のトラブルの場合、パートナーにも感染させてしまう可能性があります。
デリケートゾーンの腫れに関する受診の目安

デリケートゾーン、もっと具体的にいうならば、外陰部に腫れのような症状が現れた場合は、痛みや全身の熱がなければ、まずは1~2日ほど様子をみてみましょう。
原因として肌に合っていない下着やナプキンの使用が考えられるなら、そういった要因を取り除いてください。
それでも症状が治まらないようであれば、クリニックでの受診をおすすめします。
腫れを確認した時点で強い痛みやかゆみ、または出血がみられるなど明らかに様子がおかしいときには、早急にクリニックで受診してください。
デリケートゾーンの腫れは婦人科や泌尿器科で受診
デリケートゾーンに腫れが現れたときには、婦人科または泌尿器科で受診します。
泌尿器科の場合は、男性専門クリニックである可能性もあるため注意が必要です。
実際に通院する前にホームページを確認したり、あらかじめ電話で問い合わせたりしておくと良いでしょう。
受診の際には、「いつから」、「どのような症状があるのか」をはっきりと伝えることが大切です。
デリケートゾーンだからと恥ずかしがらずに、できるだけ詳細な情報を伝えてください。
京都院院長 池田先生医師は親身になってあなたの相談に乗ってくれます。
芦屋院院長 宮崎先生できるだけ早くデリケートゾーンの腫れを抑えるために、恥ずかしがらずに症状を詳細に伝えることをおすすめします。
デリケートゾーンの腫れに対する治療とは
デリケートゾーンの腫れは、症状によって治療方法が異なります。
多くの場合は、塗り薬や抗生物質の服用などで対応することになるでしょう。
デリケートゾーンに膿が溜まっているのが確認された場合には、早期完治のために麻酔を用いてメスやレーザーで切ったり、押し出したりすることもあります。
いずれにしても、体に大きな負担がかかることはありません。
クリニックで受診すると簡単に治療を受けることができるので、気軽に相談してください。
医療法人 心鹿会 理事長 二宮先生患者様に合った治療方法をご提案いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
デリケートゾーンの腫れに関するよくある質問
デリケートゾーンの腫れに関するよくある質問を紹介します。
- 女性の陰部が片方だけ腫れる原因は?
- 陰部の腫れは自然に治りますか?
- デリケートゾーンの腫れに使える市販薬はありますか?
- 小陰部が腫れた場合はどれくらいで治るのでしょうか?
女性の陰部が片方だけ腫れる原因は?
女性の陰部が片方だけ腫れているときは、バルトリン腺という分泌腺のトラブルが原因のことが多いです。
バルトリン腺嚢胞やバルトリン腺炎は、腟の入口の左右にある腺の出口が詰まったり感染したりして、片側だけがふくらむ病気です。
腫れが柔らかいしこりとして触れ、炎症が強いと歩くと痛んだり、発熱することもあります。
ほかにも、粉瘤(アテローマ)や毛嚢炎などの皮膚のしこり、ヘルペスなどの感染症、まれに腫瘍が原因で片側の腫れが出る場合があります。
陰部の腫れは自然に治りますか?
女性の陰部の腫れは、軽いものなら自然に引いていく場合もありますが、「必ず自然に治る」とは言えないので、基本的には診察することをおすすめします。
原因は、ナプキンや下着によるかぶれ、毛嚢炎などの軽い炎症から、バルトリン腺炎や外陰炎、性感染症、まれに腫瘍まで様々です。
毛嚢炎などは症状が軽い場合、自然に治ることも多いとされていますが、バルトリン腺嚢胞・膿瘍は小さく無症状なら経過観察でも、痛みや腫れが強いと切開や抗生物質などの治療が必要になります。
デリケートゾーンの腫れに使える市販薬はありますか?
市販薬の多くは「かゆみ・かぶれ用」で、原因不明の腫れやしこり自体を治す薬ではありません。
自己判断でかゆみ止めや抗真菌薬を使うと、症状が一時的に紛れて受診が遅れ、悪化するおそれがあります。
たとえば、生理ナプキンや下着のこすれで軽く赤くなり、少しむずむずする程度なら、フェミニーナ軟膏Sなどのデリケートゾーン用かゆみ止めで炎症を一時的に和らげることがあります。
ただし、これらは外側の軽いかゆみやかぶれ向けで、強い腫れや片側だけ大きくふくらむ症状、発熱や膿のようなおりものを伴う場合には適していません。
市販薬に頼りすぎず早めに医師に相談することをおすすめします。
小陰唇部が腫れた場合はどれくらいで治るのでしょうか?
軽いこすれや下着の刺激だけが原因なら、多くは数日〜1週間ほどで自然に落ち着くとされています。
ただし、痛みや熱を伴う炎症や感染症が原因の場合、1〜3週間ほど治療に時間がかかることもあります。
例えば、性交や自己処理の摩擦が原因の腫れは1〜2日で引くことが多い一方で、バルトリン腺炎や毛嚢炎などでは抗生剤や切開排膿が必要になり、完治まで数週間かかるケースがあります。
まとめ
デリケートゾーンの腫れには、様々な原因が考えられます。
腫れの他に痛みやかゆみがなければ、1~2日ほど経過を観察してみましょう。
それでも改善する様子がなかったり、悪化していく様子がみられたりしたのであれば、婦人科または泌尿器科での受診を検討してください。
デリケートゾーンの場合、男性医師の診察を受けるのは抵抗があるという女性も少なくありません。
女性専門クリニックを選ぶと、よりリラックスした雰囲気で診察を受けることができるでしょう。
医療法人心鹿会のクリニックは、医師もスタッフも全員女性です。
女性医師や女性スタッフが、患者様に寄り添いながらデリケートゾーンの腫れや赤み、かゆみなどの様々なトラブルの解消を目指します。
デリケートゾーンのトラブルにお悩みの方は、下記クリニックへお気軽にご相談ください。





